ジビエの代表、イノシシ肉は本来の食事？

早いもので、戌年の2018年も残りわずかとなりました。
今年の干支である犬からバトンタッチを受ける猪(イノシシ)は、実は近年希少性タンパク質源として注目を集めている食材の一つ。犬たちのフードやオヤツとしても利用されています。

とはいっても、(家畜化された豚肉は別として)私たちの食卓に頻繁に上る馴染み深い肉ではないのも事実ですよね。どうして今、猪肉が注目されているのかなど気になる存在ですが、その背景には栄養だけではなく環境に関するトピックスが関係していることも分かりました。
そこで、ジビエとして楽しまれている猪肉についてまとめてみました。

近年注目を集めつつあるイノシシ肉。ジビエとしてどうしてイノシシ肉は注目されているのか
ジビエって、どういったものなの？言葉としては知っていても…？
犬はジビエ肉が好き……？犬たち本来の食事とは。

どうしてイノシシ肉は注目されているのか近年注目を集めつつあるイノシシ肉。ジビエとして

実は、日本国内でのイノシシによる様々な被害が問題になっています。収穫前の農作物を食べてしまったり、ゴミ捨て場を荒らしたり、果ては人が襲われるというケースまで……。
夕方のニュースなどでご覧になったことがある方もいらっしゃるかと思います。
実はこれは、野山の開発が進み、イノシシたちが暮らしていた場所がなくなってしまい、十分な食べ物を確保できなくなったイノシシたちが人間の暮らす街までやってくるようになったことと、狩猟を行う人々が減ってしまった影響で数が増えすぎてしまったことが原因だといわれています。
この問題はイノシシに限らず、さまざまな野生動物で発生しているのだそうです。

この問題の対策の一つとして行われているのが、フランスなどの「ジビエ文化」と一緒に楽しもうという試み。
ちょっぴり新しさを感じますが、実は日本では古代からイノシシは狩猟の対象であり、食肉だけでなく皮革や骨などを有効活用できる貴重なタンパク質源・資源として扱われてきました。また、イノシシのほかにも鹿、鴨などの野生動物も同様に、山の恵みとして珍重されてきたという歴史があります。

その一環として、ドッグフードの原材料としてイノシシ肉(ボアミート)を有効活用するケースも出てきているのだとか。犬たちも食事という形でイノシシと人間の上手なお付き合いに貢献できているのだとしたら…ちょっぴり嬉しくなりますね。

言葉としては知っていても…？ジビエ料理って、どういったものなの？

もともとは、ヨーロッパなどで広大な領土を持つ貴族などが行っていたハンティング。そこで狩猟した野生動物たちを、美味しく、そして健康に良い食材として楽しむために独自に進化したのがジビエ料理といわれています。
もちろん、家畜化された食肉とはことなるため、肉質が固かったりニオイが強かったり、食べているものや暮らしている環境などによって味わいが異なっていたりと、扱いが難しい食材でした。しかしながらそれすらも、味わい深く美味しい味にするためのノウハウも、ジビエ料理には盛り込まれています。

ジビエ料理はワインに良く合うものが多く、とびきり美味しいジビエ料理を楽しめるレストランなども増えているようですよ。また、地域によっては新鮮なジビエ肉を提供することで町おこしに活用しているところもあるようで、日本ではさらに人気が高まっていきそうです。
ちなみに、日本では狩猟ができる期間が定められているため、ジビエ料理は期間限定のお楽しみ。11/15～2/15までの冬の期間だけの特別なご馳走です。

ちなみに、ドッグフードにイノシシ肉が使用される時には「希少タンパク」として紹介されることがあります。これは特定の食品に反応が出てしまうアレルギーを持っている犬でも、アレルギー反応が出にくい食材として考えられているから。一般的に、接触する機会が多い肉ほどアレルギー反応が起こるリスクは高くなるといわれています。
あまり犬にとってなじみがない肉ほど、アレルギーのリスクは低くなると考えられているため、ちょっと珍しいイノシシ肉(ボアミート)は注目されているのです。
ただし、イノシシに近い動物である豚肉にアレルギーがある犬には注意が必要です。