秋・冬に増える犬のオシッコトラブル。再発防止のためにしたいこと

特に寒さが厳しくなってくるこの時期に増えてくるのが、オシッコに関連するトラブルです。実は「オシッコを我慢させない」ってとっても大切なこと。
ぶり返さないためにも、この時期に改めて知っておきたいおしっこトラブルの対策と、心がけを今一度チェックしてみませんか？

寒さとオシッコトラブルの関係
膀胱炎や尿路結石・結晶のサインをチェック
普段からできるオシッコトラブル対策

寒さとオシッコトラブルの関係

寒さが厳しくなると、どうしても全身を縮こまらせている時間が長くなっていきます。これは体の熱を保つための体勢なのですが、この状態が続くと筋肉や関節がこわばります。

動かないでじっとしている時間が長いということは、それだけのどの渇きを感じにくくなるということ。
必然的に飲水量が減ってしまい、膀胱に溜め込んだオシッコの濃度が高くなってしまうことになります。

膀胱のオシッコが濃くなることで、雑菌の繁殖を招きやすく、またトイレに行く回数が減ると、それだけ雑菌を排出する回数が減ることになるため膀胱炎などがぶり返しやすくなります。
また、膀胱炎からストルバイト結晶・結石へと繋がることもあるため、犬たちのオシッコの回数は冬であっても減らさないことが理想的です。

オシッコトラブルの代表・膀胱炎のサインをチェック

膀胱炎は比較的多いオシッコトラブルの一つです。
早めに気が付くことができれば、獣医師さんの投薬や注射などで回復することも多い病気です。以下のような異変があれば、かかりつけの動物病院で相談するようにしてください。

■ オシッコトラブルチェックリスト

・トイレシートのオシッコの色が赤みがかっている、血尿が出る
・トイレの回数が明らかに減っている
・オシッコポーズをしているのに尿が出ていない/少ない
・尿のニオイが変わる
・陰部を気にして頻繁に舐めたりするようになる
・排尿時に痛みを感じているように鳴く
・オシッコがキラキラと光る

ぶり返さないための、日常ケア

オシッコトラブルは普段から飲水量を意識的に増やしたり、犬たちの食事にウェットフードやスープタイプのレトルトなどを取り入れるなど、水分を摂取させることが重要です。
特に寒くなってくるこれからの時期は、レトルトやウェットフードをほんの少し温めてから与えたりすることで、嗜好性も上がり犬たちも喜んでくれて、同時に水分を補給できるのでオススメです。

また、できれば酸性食品(肉、魚、卵、穀類など)とアルカリ性食品(野菜、きのこ類、果物、海藻など)を少し意識して食事のメニューを選ぶことも選択肢の一つです。

ストルバイト結晶は、尿が酸性に傾くことで結晶が溶けやすくなります。シュウ酸カルシウム結晶はその逆。いずれにしても、オシッコトラブルの一番のケアとしては、「オシッコを我慢させない」ことが大事です。
膀胱の中に働きかけ、細菌のバランスを健康に保つサプリメントなども活用しながら、犬たちの体調管理を行っていきたいですね。

尿トラブルに嬉しいアミノ酸DL-メチオニンの成分を知って、正しく使おう

犬たちのオシッコトラブルに効果的とされるサプリメントは数が多く、また使用されている成分は代表的なクランベリー以外にも様々なものがあります。
それだけに、「正しい使用方法や作用」を知っておくことは非常に大切。今回は、そんな成分の中からDL-メチオニンをクローズアップ。

必須アミノ酸であるDL-メチオニンは、代謝(※ここでは酵素などの働きにより、体内で化学反応を起こすことを差します)されることで体内を酸性に保つ働きを持っています。
膀胱炎はアルカリ環境を好む雑菌が膀胱内で繁殖することにより発症します。そして膀胱炎から派生するストルバイト結晶は、膀胱の内部の尿がアルカリ性の状態が続くことで結晶化しやすくなると言われています。

DL-メチオニンは、尿を酸性にする働きを持っています。健康維持のためには、容量、用法をしっかり守るほか、オシッコトラブルを繰り返してしまう犬たちは、pHロールチェッカーのような自宅でも出来るチェックアイテムを活用して、体調や状態を確認しながら使うようにしてくださいね。
犬たちの尿pHをコントロールするサプリメントを使用する際には、体調や尿の状態をしっかりチェックし、適量を与えるように心がけましょう。

ところで、オシッコのpHチェックをする際には、必ず食事をする前の朝一のオシッコで測るようにしてください。
pHは一日の内に何度も変わり、特に食べ物の影響を受けやすい食後は避けるようにしてくださいね。