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2019.02.12
犬の鼻の乾燥・鼻水の原因は病気?健康状態をチェック
気がつけばいつも、犬の鼻が乾燥していたり、鼻水が出ていたりすると、「あれ?どうしたのかな」と心配になってしまいますよね。犬の鼻には、健康状態が現れるとも言われています。気になる症状がある時は、すみやかに動物病院へ連れて行くべきですが、そのためにも、犬たちの鼻についてただしく理解をしておきたいもの。
今回は、犬の鼻の乾燥・鼻水についてお伝えします。
犬の鼻には健康状態が現れる?
犬は人間よりもすぐれた嗅覚を持っている動物。何かに付けてクンクンとにおいをかいで、周囲の様々な情報を読み取っている犬の様子は、飼い主であれば当たり前の光景ですよね。
ニオイからさまざまな情報を得ることができる犬の鼻は、ニオイがどの方向から流れてきたものなのかを判断したり、ニオイの分子を細胞にしっかり吸着させるために、薄い粘膜で覆われていて常に湿っています。また、乾燥を感じた際は舌でなめて水分を補っています。犬の鼻が常に濡れているのは、意識的に犬が自分の鼻を舐めて湿らせているからです。
体調が悪いときは乾燥したり、逆に鼻水でぬれ過ぎたりすることもあるため、犬の鼻には健康状態が現れやすいと言われています。犬の鼻の状態で気になることがあれば、健康診断などの機会に動物病院の獣医師に「気になる状態」を相談してみるのも良いかもしれません。
犬の鼻が乾燥する原因は、生理的なものから病気が疑われるものまで幅広くあります。以下では、犬の鼻が乾燥する原因と、犬たちが鼻水を出しているときに原因として考えられるものをご紹介します。
犬の鼻が乾燥している時の3理由
■睡眠中・寝起きによる乾燥
犬は、睡眠中や寝起きに鼻が乾燥することがあります。
これは、副交感神経が優位になる睡眠時は、鼻水を初めとするさまざまな分泌物の量が減るのに加え、自分で鼻をなめられないため、睡眠中や寝起きは一時的に乾燥した状態になりやすいのです。犬の鼻が乾燥して、なんだか疲れているように見える場合でも、起きたばかりのタイミングなら、寝ぼけていたりするだけなのかもしれません。
■加齢による乾燥
犬は高齢になると鼻が乾燥しやすくなります。加齢によって分泌物の量が少なくなってしまうため、体調に問題がなくても乾燥することがあるようです。とはいえ、シニア犬は運動量や飲水量も減りやすく、鼻が乾燥している時には脱水症状を引き起こしているケースもあるため、注意深く普段の行動を振り返ってみてください。
■脱水症状や日焼けによる乾燥
若くて元気なはずの犬の鼻が常に乾燥しているようなときは、病気による体調不良で鼻の水分が奪われていることがあります。犬の鼻が乾燥しているだけではなく、発熱している場合は、脱水症状や、嘔吐や下痢を伴う犬ジステンパーなどの病気も疑われます。犬の体調に明らかな異常が見られる際はすみやかに動物病院で診てもらいましょう。
犬が鼻水を出してしまう時の3つの理由
■においや温度の変化
犬が刺激の強いにおいをかいだときや急激な温度の変化があったときに、くしゃみや透明でサラッとした鼻水が出ることがあります。風邪の初期症状だったり鼻に異物があったりする場合もありますが、気温差やニオイが刺激となり、粘膜の血管が拡張することでおきる一時的な反応であれば、落ち着いてあふれた鼻水などを拭いてあげてくださいね。
■アレルギー
人間と同じように、犬もアレルギーが原因で鼻水が出ることがあります。透明でサラッとした鼻水が長期間、あるいは頻繁に出ている場合は、生活環境に原因となる物質がある可能性が考えられます。念のため動物病院で獣医師の診察を受けましょう。
犬の鼻水の原因となるアレルゲンにはハウスダストや花粉などがあるといわれています。花粉などに特に反応してしまうようであれば、春先は散歩から帰ってきたら外でブラッシングをして花粉を落としてから家に入ったり、ハウスダストに反応してしまうようであれば、こまめな換気や掃除を心がけることで改善される場合もあります。
■細菌感染や病気
色の付いたドロっとした粘性のある鼻水が続く場合は、発熱や嘔吐を伴う犬伝染性肝炎や、呼吸器疾患のケンネルコフなどの病気にかかっている可能性があります。また、前述の犬ジステンパーは異常な鼻水が出る場合にも感染の恐れがあります。
歯周病菌が原因でも、鼻水やくしゃみなどの症状が出ることがあるように、口・目・呼吸器系など、思わぬ部位の病気が関係している可能性もゼロではありません。症状をきちんと伝え、動物病院で適切な処置を受けるようにしてくださいね。
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ポチの古参コンサル、バイヤー、商品開発 相談役
人は、行動するにあたって、目からの情報を一番利用します。一方で犬たちは鼻からのニオイ情報で行動すると言われています。鼻は犬たちの大切な感覚器官。犬たちの楽しみである探検やごはんを少しでも長く楽しめるように、鼻の異変には敏感になりたいものです。
おわりに
今回は、犬の鼻の乾燥や鼻水の原因として考えられるものをご紹介しました。
犬の鼻の乾燥や鼻水は、必ずしも病気が原因とは限りません。スタッフ犬は、なにかを我慢している時(たとえば、爪切りや耳の中の毛の処理をしている時)に鼻水を垂らすそうです。一時的なストレスを感じている時などに、出てしまうのかもしれませんね。それでも、「いつもと違うな」と感じたら動物病院へ連れて行くことを検討しましょう。
犬の鼻には、そのときの健康状態が出やすいとされています。飼い主さんは犬の鼻の状態をしっかりとチェックして犬の健康を守ってあげましょう。