• コラム

2019.04.29

お休みには、飲みもの片手にどっぷり犬本。お気に入りの一冊を見つけよう。

お休みには、飲みもの片手にどっぷり犬本。お気に入りの一冊を見つけよう。

いよいよ大型連休がやってきました。犬たちと一緒におでかけをする方も多いと思いますが、今回のポチはあえて「おうちでゆっくり」に注目してみました。
犬たちと一緒に遊ぶのはもちろんとして、飼い主さんの頭と心のリフレッシュに手にとってみていただきたい本を、犬好きスタッフが推薦。

内容はもちろん、犬たちが登場するものばかりです。

童話や児童書子どもの頃に読んだ本を再び

日本の昔話花さか爺さん 

先日、ポチでも春の昔話としてご紹介した"花さか爺さん"。(前回の記事はコチラ
このお話は、室町時代から江戸時代の間に広まったお話だといわれていて、特に江戸時代に流行した貸本から、現代に残っているお話の原型が作られたのだそう。
そんな日本の昔話を、大人になってゆっくり読み解くと、ちょっぴり新しい発見がありそうです。



椋鳩十椋鳩十の愛犬物語 

スタッフが子供の頃にかじりついて読んでいた短編集からは、こちらをご紹介。
作者の椋鳩十さんは、小学生の国語の教科書にも取り上げられている"ごんぎつね"の作者でもあります。こちらの短編集は、少し懐かしい日本を舞台にした、犬たちと人々の暮らしを描いた心温まる作品がおさめられています。


アーネスト・トンプソン・シートンシートン動物記 

動物を扱う児童文学の中でも、最も有名なものの一つがシートン動物記なのではないでしょうか。私も子どもの頃に繰り返し読んだのを良く覚えています。
アメリカ大陸の野生動物たちの様子を描いた作品が多いのですが、中には人間の良きパートナーとしての犬たちの姿が描かれた短編も含まれています。もちろん、雄大な自然の象徴として描かれる、犬たちの親戚・オオカミたちの、どこか切ないお話を読み返すと、自分たちの暮らしを見つめなおしたくなります。


チャールズ・M・シュルツピーナッツ (スヌーピー)

1950年に「ピーナッツ」というタイトルで新聞掲載が始まり、もう説明不要な世界的人気のスヌーピーの本はたくさんあります。
その中の「グーグースヌーピー」から、「ナデナデ」するより「ホリホリ」の方がご機嫌な顔になる、というのを試したところ我が家でもそうだったので、以来ずっと頭の上ならホリホリしてます。

エッセイ、小説犬との暮らしを見つめなおす

馳 星周走ろうぜ、マージ 

ハードボイルドな作風で有名な作者ですが、こちらは余命宣告をされた愛犬との生活を淡々と日記調につづった作品。"犬たちにとって、もっとも良いことは何か?""この子のために私たちにできることはなにか?"という、終わりのない問いかけをじっくりと物語の進行とともに考えさせてくれます。
リアリティあふれる文章から、まるで自分の目の前で起きているように感じる物語が展開されていきます。一緒に過ごしている犬たち、そして全ての動物たちへの感謝を伝えたくなる名作です。


マージとの最後の約100日間の物語。
「走ろうぜ」というつぶやきのようなタイトルに、なぜかぐっと心を掴まれ読んだ本。この数年後、同じ大型犬のシニアということで私も近しい体験をするのですが、もしかしたら無意識に「覚悟」ということを教えられていたのかもしれません。また、この本の中には「ケーナインヘルスと馬肉を煮込む。」「サプリとオイルを混ぜる」など私たちの身近なフードが出てきたり、フードにトッピングしたりしていてより親近感が湧いた一冊となりました。


コンラート ローレンツ人、イヌに会う 

動物行動学という学問を成立させたことで、ノーベル生理学賞を受賞した学者でもある作者のエッセイです。学術的な観点も交えながら、「犬とは何者か」を考え、そして愛情深く見つめている様子がおさめられています。
どうして私たちが犬に心惹かれ、そして一緒に過ごしたいと思うのかを時間をかけて教えてくれるような本になっています。楽しみながら動物行動学の初歩も学べる本です。


ジョン・グローガンマーリー―世界一おバカな犬が教えてくれたこと 

犬好き(特に大型犬ファン)から支持を集めた、映画にもなった名作。どこにでもある一般家庭にやってきたラブラドールレトリバーが、めちゃくちゃなイタズラを繰り返しながらも家族と共に生きた幸せな(めちゃくちゃな)生活をリズム良く描いています。
犬と暮らしているからこそ発生するトラブルや、笑えるポイントもたくさんでまさに笑いあり涙あり、犬との幸せな暮らしはいろんな形であるのだと、気持ちがちょっと楽になる一冊です。


村上たかし星守る犬

この本は漫画なのでスラスラ読めてしまいますが、読み終えるとなんともやるせない、切ない、いや、なんだろうこの感じ、フランダースの犬と同じくらいの「ああ無情」感が漂います。別のスタッフの感想は、どこまでもいっても救われない…でした。できる限り人にも犬にも優しくありたい、と戒められた一冊。

マーク・ハッドン真夜中に犬に起こった奇妙な事件

アスペルガー症候群の少年が、近所の家に飼われていた犬が庭で殺されているのを見つけたものの、自分が犯人と間違えられて真犯人を探す物語。
主人公は目の前にある見たままの情報が瞬時に記憶できるけど、顔の表情や人の気持ちが読みにくいという個性をもち、自分の行動にもいちいち理由を必要とします。この本は事件の謎解きと一緒にその子の言葉(思考)で語られ、明らかにしていることが傑作と呼ばれています。似ている人物が出てくる有名な映画「レインマン」は弟役トムクルーズの目線で描かれていました。

そういえば、私たちが一緒に暮らす犬たちはだいたい3歳児くらいの知能と言われ、言葉は持っていません。鳴き方や仕草、行動で、私たちになにかを一生懸命伝えようとしていることはわかります。お散歩したい、食べたい、楽しい、暇~、怖い~などわかる部分と「もう!なにがしたいの」とため息が出るわからない部分もありますが、反対にいつも飼い主の顔の表情や行動をジィッと観察しているようなところもあります。犬の目線でいろいろ謎解きできれば、名ドッグトレーナーになれるかもしれませんね。
そうそう、この本の最後には、お父さんが主人公の少年との信頼関係をとり戻すためにやっぱり犬が登場します。

学術書、図鑑犬について学び、もっと知りたい

仁科邦男犬たちの明治維新 ポチの誕生 

ポチといっても、当店やサイトのことではありませんのでご安心を。犬と歴史に関する著作を何冊も書いている作者が、近現代に絞って日本人と犬たちの暮らしをまとめた一冊になっています。
幕末から明治にかけて、西洋の文化が一気に流れ込んできた日本では、犬たちの暮らしがどのように変わっていったのかを描いてくれています。歴史学や民俗学の考察を通して、"私たちにとっての当たり前"が当たり前ではなかったころの生活を学ぶことができ、個人的に非常にオススメです。


ブルース・フォーグル新犬種図鑑

私もよくやるのですが、世界中の犬たちの写真をじーっくり眺めているだけで、なんだか気持ちってわくわくしてきますよね。"こんな子が家にいたら…"という妄想スイッチが入ってしまうと、もう止まりません。数時間なんてあっという間に過ぎていってしまいます。
犬種図鑑をじっくりと眺めていると、犬たちの特徴や性質についても詳しくなるだけでなく、一緒に暮らしている犬たちのルーツや傾向についても学ぶ良い機会になりますよね。これからもっと楽しく暮らしていくための、参考としてもぜひオススメしたい一冊です。


グレゴリー・L.ティルフォード 他Herbs for Pets ペットのためのハーブ大百科

ポチでも度々ご紹介している犬たちの健康にも役立つハーブたち。こちらの図鑑では、そんな「ペットにも使える」ハーブについて写真や図解を用いながら丁寧に紹介を行っています。
普段犬たちに与えているフードやオヤツ、サプリメントなどに使用されているハーブが「なんのために」「どのように」使用されているのかを知ると、もっと犬たちのごはん選びが楽しくなりそうな気がしませんか?
豆知識を蓄えておくと、犬友たちとの会話もはずみそうな気がします。


その他犬本じゃないけれど…

■人間の土地 サン=テグジュペリ

犬という生きもの、人間という生きもの。宇宙にある星々のスケールで考えると、同じ地球の生きもの、になりますよね。この本はサン=テグジュペリが飛行機の操縦士として空の上から地球をながめて感じたことや、そしてある危機的体験を書いたエッセイ本です。人間の本質を見つけられるかも、な一冊です。

■江戸の古地図

大江戸八百屋長を、古地図片手に犬とブラブラ散歩するのも楽しそうです。