ペット栄養管理士 N

第3回目となる[ペット栄養管理士の「今」気になる]の時間です。今回はポチのロングセラー商品、「かつお枯れ節削り粉」について。真面目にお勉強の回です。

ペット栄養管理士 Ｋ

これ8年前ぐらいからある商品ですよね？なぜ今この商品を？

ペット栄養管理士 N

カツオ節は室町時代に生み出され、その原型となるカツオの出汁は弥生〜古墳時代にまでさかのぼるらしいよ。だからカツオ節にとって8年なんてたいした時間ではないのさ。それに「かつお枯れ節削り粉」には勉強になるヒミツが詰まっているようだから、もういちどこのコーナーで取り上げてみようってこと。

ペット栄養管理士 Ｋ

そもそもこの「かつお枯れ節削り粉」は老舗のカツオ節屋さんから仕入れています。そのときに勉強したんで、カツオ節についてはそこらのペット栄養管理士よりは詳しいですよ！

ペット栄養管理士 N

おー自信満々だねー、心強い。
ではカツオ節とは？

ペット栄養管理士 Ｋ

はい、カツオ節には大きく2種類あって、カツオを切り分けてから煮熟していぶしたものを「荒節」、そこから天日干しして熟成したものを「枯れ節」といいます。

ペット栄養管理士 N

家にあったカツオ節の原材料をみると「かつおのふし」となっていたけど、これは「荒節」のことみたいだね。スーパーとかの量販店のカツオ節はだいたい80%ぐらいはこの「荒節」が原材料になってる。

ペット栄養管理士 Ｋ

「枯れ節」のほうは、熟成に半年ぐらい時間がかかりますからね。「本枯れ節」となると2年以上かかることもあります。手間がかかる分高級品です。

ペット栄養管理士 N

よく料亭や蕎麦屋さんで使われるのはほとんど「枯れ節」のほうだとか。枯れ節を使っているのカツオ節をスーパーで探してみたんだけど、原材料の表記は「かつおかれぶし削り」になってた。

ペット栄養管理士 Ｋ

きちんと表記がわかれていますよね。そしてなんといってもカツオ節は乾燥・熟成させることで、長期保存が可能になり、うまみ成分が増します。

ペット栄養管理士 N

んじゃ次はその旨み成分のところをもう少し探っていこう！

ペット栄養管理士 N

熟成させると旨みが増すっていうけど、具体的にはどういうことなんだろう？

ペット栄養管理士 Ｋ

「枯れ節」の場合は、天日干しで乾燥させた後、純粋培養したカツオブシカビを噴霧して、カビを繁殖させ熟成させます。このカビによって身の部分のタンパク質が分解され、うま味成分のイノシン酸やビタミン類が生成されるという仕組みです。そしてカビが繁殖したらそれを削り落として、また天日干し・熟成を繰り返します。

ペット栄養管理士 N

そういえば魚介系のスープとかブイヨンは油が浮いてるけど、カツオ節の出汁って油浮いてこないよね？

ペット栄養管理士 Ｋ

それは脂肪分解酵素「リパーゼ」の作用で脂肪分を分解しているからですね。カツオ節はタンパク質分解酵素「プロテアーゼ」と、脂肪分解酵素「リパーゼ」の作用により鰹節独特の香りを生成し、魚臭さを感じさせない旨味の塊に変化します。

ペット栄養管理士 N

旨み成分のイノシン酸は細胞を活性化させて新陳代謝を促すからアンチエイジングにもつながるといわれることもあるね。

ペット栄養管理士 Ｋ

そうですね。またカツオ節に含まれるトリプトファンは、犬にとっても脳の健康維持や攻撃性を抑えたりするそうですが、これはトリプトファンが神経伝達物質のひとつであるセロトニンを作る材料になるからだそうです。

ペット栄養管理士 N

なるほどね。
そもそもタンパク質は体内に吸収されるときはアミノ酸に分解されるけど、発酵食品はすでにペプチドやアミノ酸レベルにまで分解された状態で体内に入るわけだから、その分吸収しやすくなっているといわれているし、ただのおいしさアップだけじゃなく、枯れ節はいろんないい面があるね。

ペット栄養管理士 Ｋ

はい。納豆や味噌、醤油など、日本を代表する発酵食品のひとつでもあるカツオ節ですが、枯れ節になるとオカカや出汁の旨み以外にもいろんな効果がありましたね。

ペット栄養管理士 N

今日はおかかごはんにしよう。

ペット栄養管理士 Ｋ

それではまたの機会に！