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2019.09.02
買い置きのドッグフードの酸化は進みやすい?理由を知って酸化を防止しよう。
日本の夏は高温多湿、といわれています。猛烈な暑さの7月、8月だけではなく、9月に入っても気温が高い状態が続くことがありますよね。
初夏~9月頃までの期間で気になってくるのが、「買い置きのドッグフードの酸化」について。犬により安全でおいしいドッグフードを食べてもらうためにも、正しい保存方法を知り、酸化を予防していきましょう。
そこで、本日はドッグフードの酸化とはどのような現象なのかをご紹介します。
ドッグフードの酸化とは?
「ドッグフードの酸化」という言葉は良く聞く言葉ですが、これは主にドッグフードに使用されている脂質が酸化しているという状態を指します。(酸化を生じやすい食品成分としては、脂質のほか、タンパク質、色素成分(例:カロテン)などあります。)
ただ、茶葉を発酵させて作る紅茶などは、昔ながらの手法として含まれるタンニンを酸化させて揉むなど、必ずしも「酸化」=「劣化」とは限らないことがあります。
ドッグフードの原材料の脂質としては、肉や魚などのタンパク質源となる食材などにもともと含まれている脂質、犬たちの嗜好性を上げたり栄養バランスを整えるために使用される脂肪や脂、オイル類なども、この「脂質」には含まれています。
これらの脂質が酸素と結びつくことで変質している状態を「ドッグフードが酸化している」と言います。
脂質の酸化は最初はあまり急激には進まないといわれています。しかし、ある程度の時間が経過すると一気に脂質は酸化が進み、悪臭や毒性のある物質を作り出してしまうようです。
もちろん、ドッグフードに含まれている脂質の種類や周囲の環境にもよりますが、「においがおかしい」「酸化しているような…」など、人間の鼻でも異変を感じられるほどの変化が出るといわれています。
ドッグフードの酸化を進める要素
ドッグフードが酸化してしまう原因として、いくつか酸化を進めてしまう要素があります。
酸素の影響
やはり酸素に触れることで脂質の変質はより進みやすくなります。そのため、真空パックを採用したり、ガス充填などを行い酸化を抑制しているメーカーもあります。家庭でも真空パックを作れる手軽なキットが販売されています。そういったものを活用するのも一つの手です。
温度の影響
脂質の酸化のスピードは、温度が高くなると速くなっていきます。そのため、特にドッグフードのような粒を脂でコーティングする工程がある製品は脂の温度を一定に保ち、厳しい管理体制での製造が酸化の防止においては必要となります。
水分の影響
ドライフードはもともと水分含有量がそこまで高い製品ではありません。しかし、湿度が高い環境においておくと、ドライフードが水分を含んでしまい、酸化も相乗効果として進んでしまうことがあります。
光の影響
実は光は波長を持っていて、その波長も酸化を進める作用を持っています。特に紫外線は強いエネルギーを持っているため、酸化をより速く進めるといわれています。蛍光灯にも太陽光ほどではありませんが、紫外線が含まれていて、酸化に影響するといわれています。そのため、ドッグフードのパッケージには遮光性の高いものを使用しているメーカーが多いです。自分で真空パックにしたり、小分けにする場合は光の当たらない場所に保存するようにしましょう。
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ドッグフードの酸化の原因が分かれば、私たちの工夫次第でドッグフードの酸化を防ぐこともできそうです。購入後、開封してから、それぞれの保存方法次第で犬たちが食べるドッグフードの状態は変わりそうですし、気をつけたいポイントですね。
ちなみに、人間の食用の油であれば温度が10℃上がるごとに酸素に反応し酸化が進む速度が2倍ずつ上昇していくといわれています。そのため、高温で調理をする揚げ物などに使用された油は、急激に酸化が進むことが多いようです。もちろん、油の種類によっても酸素への反応速度はまちまちですが、超高温で使用された油の酸化が速いのは、共通しているようです。
ドッグフードの酸化防止剤について
少し前までは、ドッグフードには酸化防止剤として化学的な薬品が使用されることも多くありましたが、最近ではパッケージ技術の向上や製造技術の改善、輸送手段の改善によって化学的な薬品を使用しなくても比較的品質を保つことができるようになってきているようです。
ガスバリア素材を使用したパッケージや、光を遮断するパッケージなどが使用されるようになっています。また、直射日光が当たる場所で保存しない、高温多湿になる場所に保存しない、なるべく早く使い切るようにする、などの基本的な保存に関する注意事項を意識する飼い主が増えたことも関係しているのではないでしょうか。
最近では抗酸化作用を持つビタミンEなどを酸化防止剤として配合することで、酸化を防ぐドッグフードも多く、以前のような化学的な薬品が添加されているフードを選ぶメリットはなくなりつつあります。
しかし、ビタミンE類を酸化防止剤として添加しているフードなどは、以前の化学的な薬品ほどの強い酸化防止作用はないため、飼い主がドッグフードの保存方法の基本的なポイントをしっかりと守る必要があります。
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ドッグフードの酸化防止剤として使用されるものには、ミックストコフェロール(ビタミンE)やクエン酸、ローズマリー抽出物などがあります。天然の植物由来の成分なので、安心できるという人が多いように思います。
また、天然由来の酸化を防止する働きがあるものとして、乾燥酵母も抗酸化の働きがあるのだそうです。ローズマリーのほかにも、セージ、タイム、クローブなどの身近なハーブにも抗酸化作用を持つものがあり、昔から使われていることから、昔の人の知恵として酸化を防ぐ方法は受け継がれてきたことが分かります。これらの天然の食材や方法を活用しながら、より快適な暮らしができると良いですね。
ドッグフードを酸化から守るためのポイントまとめ
・直射日光に当たらないようにする
・湿度が過剰にならないようにする
・保存している場所の温度が高温にならないようにする
・開封後はなるべく早く使い切る