• コラム

2019.10.03

犬の故事成語・ことわざ講座 ~like a dog with two tails~

犬の故事成語・ことわざ講座 ~like a dog with two tails~

人々と長く過ごしてきた犬たちは、さまざまな形で私たちの文化にも関わって来ました。昔の人々から伝えられてきた言い回しや表現にも、犬たちが登場します。そこには「犬って○○だよね」という昔の人々が犬たちに抱いてきた印象やイメージなどが反映されています。
昔の人々が見てきた犬たちの姿を映す鏡として、犬たちが登場する故事成語やことわざ、慣用句を紹介します。

~like a dog with two tails~

like a dog with two tails

《直訳》
まるで2本の尻尾を持つ犬のように

《意味》
尾が2本にみえるほどに大喜びして尻尾を振る犬のように喜びを爆発させる様子

どういった場面で使われる?

直訳すると、尻尾が2本生えている犬になってしまいますが(日本の妖怪には尻尾が2本に分かれた猫又もいますね)これはモンスター……のことを意味しているのではなく、尻尾を思いっきり振って喜びを表している犬の様子を表現する言葉です。例えば、サプライズプレゼントをされて大喜びしたときなど。
ときに犬は、5分程度離れただけなのに10年ぶりぐらいの感じで喜びを爆発させて、尻尾を高速でたくさん振ってくれますよね。たしかに、尻尾が2本生えているように見えます。

皆さまもご存知の通り、犬たちの尻尾は感情表現をする大切な器官です。嬉しいときには尻尾を振りますし、怒っている時には尻尾を立てたり、自信をなくしている時には尻尾にも元気がなく垂れ下がっていたり。犬は人間と暮らすようになってから、表情で様々なメッセージを送るように進化してきた、とも言われていますし、私たちの表情などから感情や意図を読み取る能力を身に付けたといわれています。犬たちの感情を表す表現は、犬たちと私たちの間でお互いに「こう思ってるんだろうな」「こう考えてるんだろうな」と人間が犬たちと一緒に過ごしてコミュニケーションを取ってきたからこそ生まれた慣用句なのかもしれません。

DOG's TALK

高速でぶんぶん!と尻尾を振っている様子は犬たち特有の表現だといわれています。例えば、犬たちの仲間であるオオカミなどは、喜びを表現するときに尻尾を振るのではなく、対象に興味を示しているときなどに尻尾を振るといわれています。ちなみに、猫の場合も同様で、対象に興味がある時や犬とは逆に不満がある時などに尻尾を振るといわれています。猫とオオカミの尻尾を振る意味が近い、というのは面白いですよね。