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2019.11.27
犬の体温調節に洋服は必要?着るメリットはあるの?
ペットショップなどで見かける犬の洋服。小型犬のものが主流でしたが、中~大型犬に向けたサイズのものを見かけることも増え、さまざまなデザインのものや、機能性に優れ細部が工夫されたものも多く、自分の犬に着せたい……とついつい買ってしまうこともありますよね。このような洋服ですが、犬にとって着るメリットはあるのでしょうか?暑い夏や寒い冬も、1年を通して散歩する犬には、できるだけより快適に過ごしてほしいものです。今回は、犬たちが快適に過ごすために活用できる犬の洋服の役割やメリットについてご紹介します。
犬に洋服を着せるメリットとは
着せるのに少し疑問を持ってしまうかもしれない犬の洋服。ところが、犬が洋服を着ることには意外にも多くのメリットがありました。
■散歩やお出掛け時の体温調節ができる
犬には毎日の散歩など、外出の機会が多くあります。過ごしやすい春や秋だけでなく、夏の暑い時期や冬の寒い時期にも、散歩をしますよね。そんな時、犬の洋服は体温調節をサポートしてくれます。
特に小型犬や老犬、毛の少ない犬種は、冬の防寒対策として洋服を着ることが多いですよね。暖かい地域が原産の犬種たちにとっては、日本の冬はとても寒く感じるようなので、注意が必要です。また、体が大きな犬たちや寒冷地の犬たちなどは、夏の暑い時期にはより体温を下げやすくするためのクールベストなどを着用するのも良さそうです。特に黒い被毛を持っている犬たちは、太陽の光を吸収してより暑く感じやすい傾向があると言われています。
■体にノミやダニがつくのを防ぐ
犬の外出の際、飼い主を悩ませるのが、体につくノミやダニなどのイヤな害虫。犬が遊んでいるうちに虫がついたり刺されたりしてしまうと、犬たちの体調の変化や皮膚トラブルだけでなく、飼い主家族の健康に影響が出るケースも。できれば家の中に害虫は持ち込みたくない、そんな時、洋服を利用すれば体を覆っている部分の虫刺されを防げます。散歩中のノミ・ダニ対策に、犬の洋服の繊維に防虫成分を含んだものを織り込んだものもあるので、外のレジャーを楽しむ際には活用してみるのも良いかもしれません。
また、犬たちが植物の枝などで怪我をしてしまうリスクや、犬同士で遊んでいる時の擦り傷などを予防するのにも効果的です。
■雨で体が汚れるのを防ぐ
犬の洋服の中には、水をはじくレインコートもあります。雨の日に犬の散歩をすると体に水滴がかかってしまい、その後のケアが大変ですよね。そんな時は、犬用のレインコートを着せてあげると、体が汚れてしまうのをある程度防げるので便利です。いつでも体を清潔に保つために、工夫してあげましょう。
犬たちのためのレインコートにもいくつかタイプがあり、全身を覆うタイプのものや背中側だけを覆うもの、足回り以外を覆うものなどがあります。犬たちによっては素材が苦手だったり、全身を覆われる感覚を嫌がったりするケースもあるようなので、犬たちの反応を診ながらどのタイプを使うかを検討してみてくださいね。
■皮膚病悪化を抑える助けになることも
犬の洋服は、皮膚の病気が悪化しないようにする役割もあります。たとえば、皮膚の病気にかかった犬が患部をさわらないように、洋服を着せて傷口をガードしてあげる方法があります。特に犬たちの避妊・去勢手術を終えたあとにエリザベスカラーなどを用いて傷口を舐めたりしないようにすることがありますが、エリザベスカラーよりも犬たちの感じるストレスを軽くするために術後服を選ぶ人も増えてきているようです。
また、散歩中に植物が肌にふれることでアレルギーを起こしてしまう犬には、洋服を着せることでアレルギーの原因が肌にふれるのを防ぐというメリットもあるかもしれません。
■抜け毛が舞い上がるのを抑える
抜けて舞い上がってしまうことの多い犬の毛は、飼い主を悩ませる要因の1つ。カフェを始めとした飲食店や、なるべく抜け毛を舞い上がらせたくない部屋の中などで洋服を着せておくと、抜け毛が舞ってしまうのをある程度抑えることができます。
基本的には犬たちの抜け毛はブラッシングなどで取り除きながら、補助的な意味合いで服を活用するのが良さそうです。
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とくに冬、服を着せたり脱がせたりする時に静電気を発生させやすい繊維があります。
パチパチ静電気は犬たちが嫌がるだけではなく、皮膚の弱い犬にとってはかゆみの原因となり、被毛にダメージを与えますし、ホコリなどを引き寄せやすくなる原因にも。フリース素材などは軽くてあたたかいのですが、静電気が起きやすいので、コットンなど生地を気にして選ぶとよいと思います。
すべての犬に洋服が必要なわけではない
見た目がかわいらしいだけではなく、意外にもさまざまなメリットがある犬の洋服。ただし、すべての犬に洋服が必要なわけではないのもまた事実です。
たとえば、どうしても洋服を着るのを嫌がる犬には、余計なストレスを与えないように洋服を着せない選択肢もあります。犬は本来であれば洋服を着なくても過ごせる生き物ですから、当然ながら中には洋服が苦手な犬もいます。
犬たちの体質や暮らしている環境に合わせて犬たちの服の種類を選択し、状況によって使い分けていくのがポイントになっていきそうです。もちろん、デザイン重視で犬たちの快適さを考慮していない服ではなく、犬たち自身が快適に過ごせるようなタイプのものを選んであげるのが良さそうです。
おわりに
今回は、犬用の洋服のメリットや必要性についてお伝えしました。犬に洋服を着せると、体温調節のサポートや、汚れ・害虫の防止、皮膚病の悪化抑制、抜け毛の舞い上がり防止になると考えられます。特に小型犬や老犬や毛の少ない犬種は、冬の寒い時期の体温調節を苦手としています。必要があれば洋服で寒さを防いであげましょう。
また、皮膚が敏感な犬たちの場合は静電気などにも注意が必要です。犬たちの皮膚や被毛をケアするアイテムと併用しながら、上手に必要に応じた洋服を活用して、快適に過ごしていきたいですね。