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2019.11.06
上手く活用して健康維持!犬の下痢や軟便などのお腹のトラブルと腸内細菌の関係
ウンチは犬の健康のバロメーターとは良く言われていますが、やはり犬たちのウンチを見て「様子がおかしい」と気付くことは多いと思います。
腸の働きがスムーズに行われていないことによって、便秘や下痢などの不調は表れやすく、犬たちに限らず、腸は食べたものから栄養素を取り入れるために必要不可欠な器官です。
そしてその腸の中で私たちの体が栄養をきちんと取り込めるようにサポートをしてくれる菌たちを有用菌などと呼びますが、そんな有用菌についてのおさらいです。
腸内細菌のバランスが崩れるってどういうこと?
犬たちがお腹を壊してしまったり、便秘になってしまった時に「腸内細菌のバランスが崩れる」ということを聞くことがあると思います。
もともと、犬たちを初めとする哺乳類の腸内にいる細菌たちのうち、役目を終えて死んだものや外からやってきた菌たちは、ウンチなどが排出されるときに一緒に排出されていきますので、菌をしっかり腸内で増やせつつ、さまざまな種類の腸内細菌が一定数が存在できているのが「腸内細菌のバランスがとれている」という状態です。
ストレスや免疫低下などの体調不良によって、どちらでもない日和見菌が悪玉の方に偏ったり、エサとなる繊維質が少ないと菌同士でエサの奪い合いが起きたり、特定の菌が繁殖するような状態になってしまいます。
腸が本来持っている機能を十分に発揮することができず、腸内細菌のバランスが崩れてしまうと、悪玉菌によるガスの発生などの悪影響から、やがて便秘などの症状が現れてしまいます。
腸内細菌のバランスを整えるためにできることは?
特に、犬たちの場合のように雑食性が強い肉食動物は、絶妙な食事の栄養バランスをとってきたと考えられます。そのため、犬たちの腸内にも多様な腸内細菌が住みやすい腸内環境を作ることが大切です。
腸内細菌のバランスを整えるためには、食物繊維、特に水溶性の食物繊維を摂取することが推奨されています。これはいわゆるビフィズス菌のような有用菌が水溶性の食物繊維を好んで食べるといわれているためです。水溶性食物繊維には、果物などに含まれるペクチン、こんにゃくなどに含まれるグルコマンナンなどがあります。ビフィズス菌を含む有用菌は、腸の中を弱酸性に保ったり、悪玉菌が増えすぎるのを抑制してくれます。そのほかにも腸管から吸収されて全身に送られることで、さまざまな作用をもたらす可能性が指摘されていますし、脂肪細胞に働きかけることで脂肪などの燃焼効果なども期待されています。
悪玉的な菌が増えすぎてしまうこともありますが、ビフィズス菌のような有用菌が一定数いる状態であれば急に増えすぎてしまうことは起こりにくいとされています。できるだけ多くの種類の有用菌を増やしやすいよう、食物繊維だけではなく犬たちの食事の偏りに注意しつつ、時にはサプリメントなどを活用して腸内細菌たちが定着できるような腸内環境作りをサポートしてみてください。
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犬たちに限らず、哺乳類は長期的な食習慣が腸内に暮らす細菌たちの構成(腸内フローラ)に影響すると言われています。例えば、日本人であっても海外での生活が数年ほど続くと腸内細菌は渡航先の国籍の人と似るのだとか。たまに無性にとあるものが食べたくなることがありますが、あれは腸内細菌が脳に働きかけ、その食べ物に含まれている栄養を要求しているから……という説もあるのだそうです。