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2020.01.23
老犬介護に必要なものとは?便利グッズで犬も飼い主も快適に
老犬の介護にはどのようなものが必要でしょうか。犬用の介護グッズを新たに購入するほか、家にあるものや、人に使うもので代用できることもあります。犬が高齢になってきたら少しずつ準備しておきたいですね。飼い主の負担を減らし、犬も快適に過ごすために必要なものについて解説します。
老犬介護の部屋に必要なもの
犬が高齢にさしかかる前に、快適な介護ができるようお部屋を準備しておきましょう。老犬になってから突然模様替えなどをすると、犬は困惑しストレスになることもあります。
■フローリングや階段にはマットを。
老犬になると、足腰の筋肉が衰えてきます。足腰の負担にならないよう、フローリングや家の中の階段、段差には滑り止めマットを敷いてあげましょう。ループがあるじゅうたんだと、シニア犬の足の爪が引っかかり転倒する恐れがあるので、カーペットがおすすめです。汚した部分だけ外せるタイルタイプの洗えるカーペットなら、犬が汚しても安心です。
■老犬が狭いところに入り込んでしまうようになったら
認知機能が低下した老犬は家具のすき間やドアの後ろに入り込み、後退できなくなることがあります。これは認知機能と一緒に空間把握能力が低下してしまうためです。当たっても痛くないクッションタイプのガードを家具の間などに付けましょう。ペット専用も販売されていますが、お風呂マットも便利です。水を通す穴があるので、マット同士をつないでサークルを作ることができます。
■グルグル回る子には子ども用プールがおすすめ
老犬は認知症になると、同じ方向にグルグルと回って家具などにぶつかる心配があります。小型犬なら、空気で膨らませるタイプの子ども用のプールを利用するのがおすすめです。周囲が柔らかく、当たっても痛くありません。使わないときは、たたんでしまえます。
介護が必要な老犬のお出かけに必要なもの
老犬にとっても散歩は大切。
刺激を与え、ストレス解消になります。首輪にリードを付けず歩行補助ハーネスに変更し、歩けない子にはカートを用意します。
靴を履かせると嫌がる犬も多いですが、逆に高齢になってからは靴を履かせると歩きやすくなることから受け入れる場合も。
疲れた様子を見せたら休憩したり、散歩コースを見直したりしてください。また、シニアになった犬たちは気温の変化や通行量の多い大通りはストレスになることがありますので、なるべくゆったりと風景を楽しめるようなルートを選んで歩かせてみるのがオススメです。
■ハーネスやカート・キャリーバッグでも散歩を楽しめる
身体を支える専用の補助ハーネスがあると、足腰が弱っても犬の自力で歩かせることができます。筋力を維持して寝たきりを防ぐためにも、歩行補助ハーネスなどを活用してなるべく自力で歩かせましょう。小さなことですが、犬は「まだ歩けるんだ!」と自信をもって意欲を見せるようになることもあります。ハーネスはH字型やT字型が支えやすくおすすめです。ハーネスをバスタオルで代用することもありますが、犬のお腹など1か所に負荷がかかりがち。
全く歩けなくなった場合は、カートやキャリーバッグでお散歩に出かけましょう。外の空気を吸わせるだけでも、いつもの外のにおいで、喜ぶ表情が見れますよ。
■シニア犬には滑りにくい靴を履かせるのも〇
足を引きずる犬ようになった犬や、「ナックリング」といって足の甲が裏返ってしまう犬にはしっかり支える靴があると歩きやすくなります。足を引きずりだしたら、動物病院で受診をしてくださいね。
食事面の老犬介護に必要なものとは
食器を高くする台やマット、補助ハーネスを用意しましょう。筋力が低下した老犬にとって首を下げて食べるのは苦痛です。足に力が入らず、姿勢を保てないこともあります。犬の様子を見ながら、調整してあげましょう。
■犬の食事スペースにマットを敷く
特に後ろ足に力が入らなくなった老犬には、食事をする場所に滑り止めマットを敷きます。食べるたびに足が滑らず快適ですし、掃除も簡単になります。
■食器を高くする台や高さのある食器
食器を高くすると首を下げずに食べられます。高さのある犬用食器を用意するのもいいのですが、家にある台や箱でも大丈夫です。ゴムマットなどの滑り止めを敷くと、食べるたびに食器がずれません。食器を少し手前に下げると、フードが集まって食べやすくなります。
■寝たきりになったら片手で握れるシリコン食器
自力で食べるのが困難な老犬、寝たきりになった老犬は、飼い主が食べさせる必要があります。柔らかいシリコンの食器なら、飼い主が片手で持っても滑りにくいので、もう一方の手で老犬を支えながら与えることができます。犬も歯が当たったり、鼻が当たったりしても痛くありません。
■流動食はミキサーやフードプロセッサーが便利
寝たきりの犬には、流動食を大きめの注射器に入れて食べさせることもあります。毎食分いちいちフードをふやかしてつぶすのも大変。ミキサーやフードプロセッサーがあると、簡単に流動食が作れます。
老犬のトイレ・排泄は清潔第一
排泄の介護では、犬や周辺が汚れやすくなります。専用のトイレ、トイレシーツやオムツが必要です。
■家でトイレができるようにトイレを用意
家の中に犬用のトイレを設置してあげましょう。サークルで囲うと早く覚えられます。散歩のときに排泄する習慣のある犬は、若いうちに家でもできるようにしておくと介護が楽です。悪天候の日は外に連れ出さずにすみますし、排泄物のチェックもすぐにできます。
■トイレシーツ
犬用のトイレやサークルに敷くほか、寝たきりになった老犬の体の下に敷きます。食事のときの介護に使うと、フードをこぼしても安心です。白いシートは、尿の色のチェックがしやすいのでおすすめです。
■オムツは人間用でもOK
寝たきりや泌尿器の病気、認知症でトイレが間に合わないようになったりすると、オムツが必要になります。犬用のオムツはしっぽの穴が開いているので、すぐに付けられて便利です。
しっぽの穴をあける手間(鋏を入れたところからポリマーが出ないよう幅広サージカルテープなどで貼る処理をするなど)がかかりますが、中型犬以上のある程度の大きさの犬なら人間の赤ちゃん用オムツでも代用できます。人間の赤ちゃん用は、枚数がたっぷり入っていることと、犬用に比べて安く売っていることがメリットです。
シニア犬が寝たきりになったら床ずれ予防
老犬は、寝たきりになってしまうことも。寝返りを打たせるとともに、床ずれ予防のベッドやマット、クッションが必要になります。
■犬の床ずれ予防ベッド
ペット用の床ずれ予防ベッドが販売されています。体圧を分散させ、通気性のよいものを選びます。洗濯ができるカバーが付いていると、お手入れも楽です。
■梱包用資材や100均商品で介護ベッドを作ろう
ホームセンターなどに売っている「プチプチ」など梱包資材を重ねたり丸めたりすると、クッションやマットが作れます。腰や頬など犬の骨ばったところの下に、古いTシャツなど布でくるんで置いてあげましょう。汚れても気楽に捨てられます。100円ショップで売っているクッションや旅行用の首クッションなども利用しましょう。
■老犬の身体の清潔を保つ
老犬になると、排泄物や食べこぼしで被毛や皮膚が汚れがち。特に長毛犬はお手入れが大変です。清潔を保つことはために必要なものは、シャンプー剤やウェットティッシュやコットンなどです。すのこやお風呂マットもあるとシャンプーのときに便利です。
■低刺激のシャンプーやドライシャンプー
被毛を清潔に保つためにも、シャンプーは必要です。なるべく泡切れのよい低刺激の犬用を選び、手短にすませます。シャワーが使えないときのために、ペット用ドライシャンプーも用意しておきましょう。
■ゴム製ブラシでやさしく血行促進
ブラッシングは血行をよくし、抜けた毛を除去することで皮膚を衛生的に保つためにも大切ですが、高齢になると、皮膚も弱くなりがち。金属製のスリッカーブラシと比較して柔らかいゴム製のブラシなら、犬たちも痛みを感じにくく、きちんと死毛を取り除けます。
■すのこやお風呂マットがあると寝たままシャワーができる
犬が寝たきりになったら、ホームセンターなどに売っているすのこやお風呂マットを用意しましょう。寝たきりの犬を乗せてお風呂場に連れて行けば、体を起こさなくてもシャンプーができます。寝たきりになると、特にお尻の周囲が汚れやすいのでこまめに洗ってあげましょう。
■体を拭くウェットティッシュ、コットン
さっと汚れが落とせるウェットティッシュもよく使います。低刺激のペット用のウェットティッシュや、人間の赤ちゃん用お尻拭きがおすすめ。コットンをぬるま湯で湿らせたものは、犬の目の周囲などを拭くのに使えます。
まとめ
老犬の介護は大変なものととらえがちですが、介護に必要なものを用意することでかなり楽になります。ペット専用を購入するでもいいですし、人間用のものから工夫して代用しても。老犬の介護では飼い主の負担を減らすことが大切なポイントでもあります。楽になった分、笑顔で犬と触れあったり、名前を呼んだり、話しかける、そんな時間を増やせるよう、様々なアイテムを柔軟に活用していきたいですね。