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2020.04.30
犬の散歩のタイミングは食事の前?後?どっちがオススメ?[#犬と食の一問一答]
のどかな響きがする散歩ですが犬にとって体づくりの運動であると同時にストレス発散の手段であり、また、飼い主とのコミュニケーションのひとつとしてもとても大切です。とくに一定の散歩を続けることは運動量を維持し、体重管理や生活リズムを作っていくという健康の面では非常に重要な存在です。
犬との暮らしになくてはならない散歩ですが、犬の食事の前と後ではどちらに行うのがよりオススメなのでしょうか? それぞれの家によって生活スタイルもあり、体が慣れるということもありますが、どちらかと言えば…どうなんだろう?ということで、散歩をするタイミングについて調べてみました。(しっかり歩く運動が前提で、激しい運動は除きます。)
犬の散歩は食事の前と後、どちらがいいの?
犬は一度に食事を食べきる傾向があるため、食後すぐの犬の胃にはたくさんの食べ物が入っている状態になります。その状態のまま散歩のような運動をさせることで、消化吸収に若干の遅延が生じるとされています。
また、食後1時間経過しても犬の場合はまだ消化が続いている状態であり、血糖値も高い状態が続いていることが分かっています。
運動として散歩に出るのは食後1~2時間ゆっくりと過ごさせてから、がよさそうです。
散歩と食事のタイミング1 食欲が落ちやすい犬
食欲が落ち込みがちの犬の場合は、散歩をしてから3~4時間経過した後に血糖値が下がるため、お腹が減りやすいと言われています。犬の食欲を誘うためにも、散歩の時間を調整してみるのは効果的かもしれません。
散歩と食事のタイミング2糖尿病の犬
糖尿病の犬の健康管理において、血糖値の急激な変化に気を付けることがとても大切です。一般的に、犬は運動をすることで徐々に血糖値は下がっていき、食事をすると血糖値は上がっていきます。
このサイクルは体の反応として極めて自然なことなのですが、この変動の幅を緩やかにするように心がけるのも大切です。散歩などの運動の後には血糖値がぐっと下がるので、運動後すぐに食事を与えるのではなく、一度ちょっとしたオヤツを与え、時間をおいてから食事を与えるなどの工夫を勧められることもあるようです。
定期的に動物病院などで犬の健康状態をチェックしてもらうことが前提ですが、運動と食欲の関係性とどれくらいの時間で変化が見られるようになってくるのかを、大まかに知っておくと役に立つ場面が出てくるかもしれません。
参考文献
*1 2013 「正常犬における食物摂取と運動の時間的関係性について」生野 佐織, 佐伯 香織, 秋山 蘭, 小田 民美, 上田 香織, 丸山 夏輝, 森 昭博, 左向 敏紀,『ペット栄養学会誌 16 巻 (2013) Suppl 号』
おわりに
犬にとってとても大切な散歩。犬が食事と同じように、毎日楽しみにしていることです。
でも、一番大切なのは大好きな飼い主と一緒に出掛けられるということなのかもしれません。犬の健康のために散歩のタイミングを見直すことと同じくらい、散歩の時間は犬とのコミュニケーションであることも重要です。飼い主も犬もリラックスして、楽しめるタイミングであることも重視しながらタイミングを探ってみてくださいね。