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2020.05.18
我が家の犬は大丈夫?見落としたくない犬のストレスサイン10選
犬は自分の気持ちを飼い主に言葉で伝えることができません。だからこそ一緒に暮らす犬のしぐさや行動からストレスサインを感じ取ることは、とっても大切。今回は犬がストレスを感じている時に見られる代表的なストレスサイン10選をご紹介。サインにいち早く気づけるよう、日々、注意深く見守りましょう。
家族の行動、犬のストレスになっているかも?
ストレスと一言でいっても、何をストレスと感じるかは犬によって異なります。たとえば散歩が好きな犬にとって散歩はご褒美ですが、好きではない犬の場合は、散歩がストレスの要因になることも。
もちろん大半の犬は散歩が好きですし、犬種や年齢で大まかな特徴はつかめますが、人と同様、犬にも好みや個性があるもの。
食事量、睡眠時間、温度・湿度など、生活環境のすべてにおいて、“うちの子”が「快適」と感じていそうなポイントを知っておく必要があります。
ただ多くの犬にとって「ストレスの要因となる」と言われていることはいくつかあります。
たとえば喉の渇きや空腹。これらは生命の危機を感じさせるため、精神的にも肉体的にも大きなストレスになります。また叩くなど、罰を与えるようなしつけもNG。飼い主を“怖い人”と覚えてしまい、飼い主の存在自体をストレスに感じるように。また安心して休める場所も大切です。不衛生な飼育環境や、部屋が暑すぎる、寒すぎるといったこともストレスの原因になり得ます。
つまり取り除くべきは、これら代表的なストレス要因と、その犬ならではのストレス要因。「これがストレスである」と一概に決めつけることができませんから、毎日見ている犬の行動やしぐさでストレスサインを敏感に感じ取りながら、その都度、見極めていきます。
見逃さないで!代表的な犬のストレスサイン
これからご紹介する項目は、犬がストレスに対処するために出すサインの一例です。これらの項目を複数示す場合、またはひとつでも頻繁に繰り返す場合は、犬がストレスを抱えている可能性があります。「あ!」と思ったら一度、犬との暮らしを振り返り、生活環境や接し方を変えてみましょう。
・あくびをする
犬にとってのあくびは、人でいうところの深呼吸やため息に近いといわれています。眠い時間帯でもないのにあくびが増えたら、ストレスを感じているサインかも。
・鼻や口元をぺろぺろ舐める
緊張したときやびっくりしたとき、犬は口元や鼻先をなめることで自分の感情を抑えこもうとします。他の犬に会ったときなどによく見られます。
・目や顔をそらす
犬は人や物など、ストレスを感じる相手から目や顔をそらそうとします。もし飼い主から目をそらす場合は、しつけなどで怒りすぎていないか、緊張させるような態度をとっていないか考えてみましょう。
・体をかく
後ろ足ではげしく体をかくのもストレス行動の一種。ただ一部をずっとかきむしっている場合は皮膚トラブルの可能性も。
・呼吸が早い
運動後や暑い日でもないのにハアハアしているときは、緊張状態である可能性が大。ストレスを感じている対象から離れ、落ち着ける場所に移動を。
・無駄吠え
日ごろから飼い主とのおしゃべりのつもりで吠える犬もいますが、一般に運動や遊びの不足がストレスになり、無駄吠えを引き起こすことも。満足するまで思いっきり遊びまわらせることでストレスを発散させましょう。
・破壊行動
遊んでいる様子ではなく、家具やおもちゃなどをボロボロになるまでかみちぎるのは、いわゆる八つ当たり。留守番による寂しさがストレスの原因かも。
・手足をしつこくなめる
前足や後ろ足を執拗になめるのもストレス行動のひとつ。皮膚炎になるほどなめ続けている場合は、些細なことも敏感に反応してしまう性格なのかもしれません、単発的なストレスではなく、日常的にストレスを感じている環境がないか疑ってみてください。
・しっぽを追いかけて回る
ぐるぐる回りながら尻尾を追う行動を「頻繁に」見せるのは、慢性的なストレスを感じているとき。犬が抱えているストレスの原因を早めに見つけてあげましょう。
・下痢・血尿
ここまでくるとストレスは相当、重度。体の不調がストレスの原因となっている可能性を考え、早めにかかりつけの動物病院で診察を。
犬のストレスサインが続いたら獣医師に相談を
目の前の犬や物に緊張するといった単発のストレスなら、その場から離れるだけで解決することが多いのですが、問題は日常的にストレスを抱えている場合。ひょっとすると病気などの体の痛みや不調がストレスサインとなって表れているケースも考えられます。生活環境や食事量、散歩頻度を改善しても、ストレスサインがおさまらない場合は、かかりつけの獣医師に相談し、行動診療科のある動物病院を紹介してもらうのも一考です。
おわりに
犬のストレスを軽減するには、何が犬にとってストレスなのかを理解することが大切です。そのために必要なのは、犬のことをよく観察する「目」。犬が快適で、ハッピーに過ごせるよう、注意深く、温かい「目」で見守りたいですね。ただ飼い主さん自身が頑張りすぎてストレスをためないよう、一緒に探してクリアしていく、そんな気持ちで接してみてください。あなたにとってわが子のような犬に癒されることがあるように、犬にとっても飼い主が安心できる“癒しの存在”になれれば、両者はさらに強い信頼関係で結ばれるはずです。