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2020.06.11

犬は遊びの中にことばを持っている!?ほかの動物とも仲良くなる秘密

犬は遊びの中にことばを持っている!?ほかの動物とも仲良くなる秘密

一般に犬はフレンドリーで友達を作るのが上手い動物だといわれています。もちろん、犬にも性格があるので個体差がありますが、ほかの動物と比較するとやはり犬の「友達作り」の技術は相当なもの。犬同士はもちろん、私たち人間や、ほかの動物とも仲良くすることができるであろうことは、犬と暮らしているとなんとなく分かってきます。

だから種族を超えて友達を作り、絆を深めることができる犬の秘密について、研究結果も出ています。

犬が種族を超えて友達を作ることができる理由、それは犬は遊びの中に「言葉」と呼べるコミュニケーションをとる力を持っているから。

研究の対象となったのは、仲良しの犬と馬のコンビ。この2頭にははっきりと体格の差もあり、さらに自然界では肉食の傾向もある犬は捕食者、そして草食動物である馬は捕食されるものという関係性です。
しかしこの2頭は、一緒に走ったりじゃれついたりしてうまく遊んでいたそうです。その時、犬も馬もお互いを傷つけることがないように噛みついたりするときに「力加減」をしていたことが分かったのです。

もちろん、犬同士であれば犬同士のコミュニケーション(においや行動のサインであるカーミングシグナル)である程度の意思疎通ができるのですが、相手は馬ですから犬のコミュニケーション手段は通用しません。しかし、上手く遊ぶために犬は相手の馬の表情を「言葉」のように速やかに読み取り、相手が不快に思わないように上手く遊んでいたそうです。人でも表情筋の動きを研究した心理学やそれを応用した表情豊かなAIロボットの開発が進んでいます。同じようなことを、犬は誰に教えられたわけでもなく、相手の様子から察することが出来るようなのです。


この能力はもちろん、馬だけではなくほかの動物にも使われていると考えられていて、犬がほかの動物たちとうまく付き合ったり、遊んだりすることができるようになるのはこの能力があるからこそのようです。
今回の研究の結果を踏まえて、動物たちの種族を超えたコミュニケーションについての研究は続けられるそうです。

私たち人間の表情を読み取り、さまざまな行動をするといわれている犬。人間と犬は仲間・同志として暮らしてきた歴史を持っていますし、コミュニケーションを取ることで互いに暮らしをよりよくしてきたと考えられています。そして、そこには犬と人間、どちらにも一緒に暮らすことに「メリット」「利益」があったことから始まった関係だと思われてきました。

しかし、人間以外の動物の表情もうまく読み取ることができるのであれば、犬は利益を抜きにして「友達」が大好きな生き物ということができるのかもしれません。犬のご先祖さまも、もしかすると私たち人間のご先祖に「仲良くしようよ」と歩み寄ってきてくれたのかも…なんて妄想が膨らみます。

DOG's TALK

異なる姿や行動をする動物とも上手く仲良くなることができる犬のコミュニケーション能力には驚かされます。ほんとに飼い主のこと、そして家族のことを普段からジロジロとよく見ていますよね。様々なトラウマを持った犬、怖がりな性格の犬もいますから一概に言えませんが、大きく「犬」という枠においては、自分と違う種の相手にも同じように「仲よくしてみよう」と、歩み寄れる動物だということに大いに納得しました。見た目や先入観抜きにまずは仲良くしてみようとする犬の姿勢って愛すべきところですね。

■ 犬の他にも異種コミュニケーションができる動物について

非常に高い知能を持っていることが知られている、イルカは人間とコミュニケーションが取れることが分かっています。なんと、人間が定めた人工の「イルカ=ヒト語」を理解し、使いこなすことが出来るのだとか。それも、複雑な音声と行動のサインを組み合わせて高次元で使いこなすことが出来るそうです。まだまだ動物とのコミュニケーションや言語についての研究は進んでおらず、だからこそ今回ご紹介した犬と馬が互いにコミュニケーションをとることが出来る、ということが研究者の間で話題になっているそうです。

この研究が進んでいき、動物とのコミュニケーションが発達していくとイルカや犬たちと実際に会話ができる未来がやってくるのかもしれません。そんな日が来たら、我が家の犬はなんていうのかな、なんて想像するととても楽しみです。