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2020.09.30
ドッグフードにも使われるキヌア、実際どんなもの?嬉しい成分はあるの?
情報や技術の発展によって日本でも、世界中のちょっと珍しい食材が手に入りやすくなりました。以前はあまりメジャーではなかった食材が、当たり前に手に入るようになった今、その栄養価や美味しさから注目されるようになった食材に「スーパーフード」と呼ばれているものもありますよね。
そういった食材の中には、ドッグフードの原材料や犬の手作り食に活用されるものがあります。今回は、犬にもオススメの食材「キヌア」についてご紹介します。
キヌアってどんなもの?
キヌアは、ヒユ科アカザ亜科アカザ属の植物です。ヒユ科の植物には、観賞用で知られるケイトウの仲間のほか、同じアカザ属のアカザは日本の伝統的な薬草として、喉の傷みや成長に使われてきた歴史を持っています。
キヌアは南アメリカのコロンビアからボリビアにかけてのアンデス山脈地帯が原産と考えられており、3000~4000年前頃には栽培が始まっていたとされています。紀元前からすでに食用として栽培されていたキヌアですが、南アメリカのインカ文明では神聖な作物として考えられていたようです。
その背景には、キヌアが持っている豊富な栄養が関係しています。
■ ちょこっとポイント:キヌアって穀類なの?
ドッグフードの個性のひとつとして、穀類を使用しない「グレインフリー」というものがあります。一般的にイネ科の植物の種子を「グレイン=穀類」として定義して、これらを使用しないものをグレインフリーと呼ぶことが多いようです。
キヌアは、これらの穀類に対して「疑似穀類」と呼ばれる食品です。疑似穀類は、穀類によく似た見た目をしていたり、穀類と同じように使うことが出来るイネ科ではない植物の種子を指す言葉で、キヌア以外ではソバの実やアマランサスが含まれます。
キヌアの栄養と犬に嬉しい成分について
一部のドッグフードやオヤツにはキヌアが使われています。穀類ではありませんが、穀類と同じように使うことが出来る便利な食材であるだけではなく、犬にとっても嬉しい成分を含んでいることが関係しています。
では、キヌアにはどのような栄養が含まれているのでしょうか?
キヌアは、植物性タンパク質が豊富だと言われています。100gあたりのタンパク質量は13.4gといわれて、一般的な穀類である小麦の約1.3倍、トウモロコシの1.6倍に相当します。また、キヌアには亜鉛が豊富に含まれていて、こちらも小麦の約1.6倍、トウモロコシの約2倍に相当します。それから、夏バテなどに嬉しい栄養ともいわれているビタミンB群の内、速やかにエネルギー代謝を行う際に役立つビタミンB2は小麦とトウモロコシの約3倍含まれていることが分かっています。
キヌアは穀類よりも優れた栄養を含んでいて、なおかつ穀類ではなく疑似穀類であることから、ドッグフードの原材料として注目を集めている食材のひとつです。
手作り食にキヌアを使うなら
キヌアはアンデス原産の、ビーツやほうれん草と同じアカザ科の植物で、栄養バランスに優れています。サラダや雑炊、スープ等いろいろな料理に使えます。手作り食でも、適量を与えることで不足しがちな亜鉛を補うことができるのではないか、ということで活用する方も多いようです。
犬に与える際には、炊飯器などでお米と同じように炊く、スープなどと一緒に煮込む(約10分~15分)などして芯がなくなるまで柔らかくしてから与えます。
スープと一緒に煮込むと柔らかくなるだけではなく、キヌアがスープを吸って風味豊かになるのでオススメですよ。トマトスープなどを使ってリゾットのようにしてもいいですね。
おわりに
本日はドッグフードの原材料や、犬の手作り食の材料としても人気が高まっているキヌアについてご紹介しました。
疑似穀類という名前から、穀類と勘違いされてしまうこともあるようですが、分類が異なる植物です。日本人になじみ深いソバも疑似穀類に分類されているので、同じような存在と考えるとちょっと親近感がわきますね。キヌアはまだ身近とは言えない食材ですが、ヘルシー食材をそろえているようなお店や雑穀が充実している店では、並んでいることも多くなりました。キヌアを見つけたら、鶏肉を茹でて与える時などに一緒に入れてたのしんでみてください。