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2021.02.15
ドイツの街角から ~ヨーロッパで発行されている、犬のパスポートってどんなもの?~
*1 この記事を書いた人:pochinski スペインのマジョルカ島で保護され、家族になった犬と現在ドイツで暮らす旅行&ファッションライター。趣味は犬の絵を描くこと、犬の首輪や冬用のセーターを作ること、たまに犬の手作り食やケーキ作りも。犬と暮らす日常のひとコマを不定期にお届けします。
新型コロナウイルスが世界中に流行し始めてからすでに1年あまりが過ぎました。ドイツではこの間、人々の行動に対してさまざまな制限がかかりましたが、旅行もその1つです。禁止されていたわけではないため、行こうと思えば行けたものの、結局、予定していた日本への一時帰国や夏休みの旅行もすべてキャンセルしました。
さて、今回のお話は、海外での滞在や海外旅行に欠かせない身分証明書、パスポートについてです。
わが家には3つの国のパスポートがあります。日本人の私、ドイツ人の夫、“スペイン犬”のポチンスキー、それぞれのパスポートです。
欧州連合、EUの加盟国の居住者は、基本的にパスポートなしにEU内の国々を行き来できますが、犬が国境を越えて移動する場合はパスポートが必要となります。
ポチンスキーはスペインのマジョルカ島で動物愛護団体に保護され、ドイツに引き取られた犬です。ですから、EUのルールに従い、私たちが暮らすドイツに来る前にスペインでパスポートを取得していました。(だからスペイン犬なのです)
私たちはパスポートで国籍や身分を証明しますが、犬たちはマイクロチップの装着やワクチンの接種で証明します。犬のほか、猫とフェレットもEU内の国々を移動する場合は同様のパスポートが必要です。パスポートの発行は通常、各国の公認獣医がマイクロチップの装着に合わせて行います。パスポート自体の費用は5~10ユーロ程度で、マイクロチップやワクチンにさらに100~200ユーロ程度かかります。
パスポートにはまず基本情報として、犬の名前と誕生日、犬種、性別、毛色、マイクロチップの番号と装着している場所、さらに飼い主の名前や住所が記載されています。基本情報以外のページの大半はワクチン接種の履歴欄です。狂犬病やダニ予防、寄生虫予防などに分かれており、それぞれ接種するごとに、ワクチンのバッチ番号、接種日、獣医の署名が加えられます。
犬がEU内の国々を移動する場合はパスポートが必要です。が、実際にはEU内の国境には入国審査がなく、私たちは自由に行き来できるため、同行するポチンスキーもこれまでパスポートのチェックを受けたことはほぼありません。
まだEU加盟国だったころのイギリスへ旅行した際に受けたチェックがたった一度きりの経験です。
事前に狂犬病ワクチン接種などの義務があり、それらをポチンスキーがきちんと受けていることをパスポートで証明しました。
イギリスは日本と同じ島国です。固有の自然を守るためには、海を渡って病気が入り込まないよう厳格になるのも当然のことなのかもしれません。
いまだにロックダウンが続く中、今年こそはどこかに旅行したいなぁと夢見る今日このごろです。