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2022.04.07
【獣医師監修】犬が腎臓病かも?と思ったら。チェックしたい症状とは?~犬の病気のイントロダクションcase#02 ~
この記事の監修:Dr.マイについて
*1 (庄野 舞 しょうの まい)獣医師 東京大学 農学部獣医学科卒業。 東京大学付属動物医療センターにて、血液腫瘍科、神経内分泌科、消化器内科で従事。 たくさんのペットの生死を見てきて、共に戦った飼い主さんが最終的に願うのは「食べさせてあげたい」という思いであることに気づく。 現在は、病気予防のふだんの食事のこと~漢方、植物療法の世界の探求に励む。はじめの一歩に漢方茶マイスターを取得。 得意分野は、犬猫の血液腫瘍と回虫。
"犬の病気のイントロダクション"は「犬たちの様子がいつもとちょっと違う、もしかして…」と不安に思った飼い主が、動物病院で獣医師に相談するときに知っておくと「ウチの子」のことをより正確に伝えられる、そんな知識を書きとめたノートです。
今回扱うのは、不治の病とも言われる「犬の腎臓病」について。高齢になった犬でとても多い病気ですが、初期の段階で気が付くことができ、適切な食事を与えることで進行を緩やかにすることもできる病気です。どれだけ早く飼い主さんが腎臓病のサインに気が付くことができるか、が犬の生活を大きく変えます。そんな腎臓病の初期の症状や、チェックしたいポイントについてまとめてみましたのでぜひ参考にしてみてくださいね。
犬の腎臓病の症状とは?飼い主が気が付くのはどんなこと?
シニア期になった犬たちに増える病気・腎臓病。高齢になったことで発症するほか、残念ながら遺伝的・体質的に発症しやすい特徴を持った犬たちもいるようです。
腎臓の病気のポイントは、腎機能がある程度低下してしまうまで、分かりやすい症状が出ないことです。
腎機能の低下に気が付くためには定期的な検診で、血液検査と尿検査を受けることが大切です。
普段の生活の中では、特に水を飲む回数が増えたり、オシッコの回数が増えたりすることで異変に気が付くケースが多いようです。ちなみに、腎臓病になると犬たちのオシッコは濃縮されることがなくなり、ニオイや色が薄くなるという特徴があります。この症状にくわえて、血液検査・尿検査を合わせて行い、じっくり見極めることが大切です。
獣医師さんに"腎臓病かも"と伝えるためのチェックポイント
「あれ?」と思って動物病院に行っても、獣医師さんに上手く症状を伝えることができず、思ったようなアドバイスがもらえなかったりすることもありますよね。もちろん、動物病院に行くこと自体がストレスにもなる犬もいますし、短期間に何度も病院に行くことは色々な意味で負担がかかってしまいます。
そこで、一度の診断で的確に「気になっていること」を獣医師さんに伝えるためにチェックしておくと良いポイントをいくつかご紹介します。
1st pointオシッコの色・ニオイ・頻度の変化を記録しておく
犬たちのオシッコを濃縮し、老廃物などを排出するために頑張っている腎臓ですが、腎臓病になった犬たちのオシッコは、腎臓のろ過機能が低下する影響で色が薄くなり、ニオイも少なくなるといわれています。
以前より明らかに飲水量が増えたり、オシッコの回数が増えたと感じたら、まずは犬たちのオシッコの変化を記録しておきましょう。
室内でトイレをする犬たちであれば、トイレシーツにされたおしっこの色を写真などに撮影しておくのも良いかもしれません。
一日あたりのオシッコの回数(粗相をしてしまうようならそのことも)と、一日あたりどれくらいの量の水を飲んでいるのかもメモしておくと気付きやすくなります。
2nd point定期的な健康診断と血液検査を受ける
食欲が低下し、体重が減っていくことも腎臓病の症状のひとつです。
腎臓病によって体内の老廃物や毒素の排出が上手くできなくなると、体の中にオシッコとして排出されるべき毒素が溜まり、全身に回り始めてしまいます。これは尿毒症と呼ばれる症状で、これによって食欲が低下し、嘔吐したり下痢を起こしたりすることが出てきます。腎臓の機能が75%以上失われることにより、さまざまな症状が出るようになってきます。
しかし、この症状が出る前に腎臓病に気が付くことが可能になってきています。
検査技術の向上により、血液や健康診断では以前と比較するとかなり初期の内に腎臓の異変に気が付くことができるのだそう。気になった時から定期的に健康診断で腎臓の検査を取り入れてもらえるように伝えれば、より早期の発見も難しくはありません。シニアになり、腎臓の機能も低下するのは自然なことですが、それを遅らせるための対策をより早く始めることができるようになります。
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犬たちの腎臓病の場合、症状の進行度合いによってタンパク質の量の制限が必要になることがあるようです。初期の腎臓病(尿毒症の症状が出ていない)では、問題ないと判断されたフードであっても、後に症状の進行によってタンパク質量の制限が必要になり、食べられなくなることもあります。
腎臓病の症状の進行度によってフードの栄養バランスを再調整することになるので、腎臓用療法食であってもきちんと獣医師に相談した上で使用するかどうかを決定するようにしてください。
腎臓病と分かったら。Dr.マイからひとこと!
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Dr.マイ
慢性腎臓病は一度なってしまうと、現在の治療では完治ができないと言われている疾患です。一方で、初期に気づくことができたら、進行を遅らせることができる疾患でもあります。
飲水量の増加や尿の変化は、慢性腎臓病はもちろん、様々な疾患の初期症状として知られていますので、ぜひ少し気を付けて、犬たちの様子を観察していただきたいなと思います。
慢性腎臓病は新しい治療薬なども研究されています。これからどんどん病態が解明され、いつか治る病気になったら嬉しいなと思っています。
■ "腎臓病かも?"を獣医師に伝えるためのポイント
・オシッコの色・ニオイ・頻度の変化を記録しておく(色が薄くなっていないか、ニオイに変化はないか、回数はどれくらい増えたか)
※定期的な健康診断で血液検査・尿検査を受けましょう!
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