- コラム
- スタッフコラム
2022.04.25
ドッグフードを混ぜて与えてもいいの?獣医師さんに聞いてみました。
ドッグフードの与え方のひとつとして複数種類のフードを混ぜて与えているという方も少なくないのですが、複数のドッグフードを混ぜて与えることに問題はないのでしょうか?
「栄養バランスは?」「注意が必要なのはどんな時?」「混ぜてはいけないものはあるの?」など、気になることについてポチのコンサル担当の獣医師に改めて質問してみました。
ドッグフードを混ぜて与えている、という方だけではなくすべての飼い主にとって役立つ情報となりますのでぜひチェックしてみてください。
-
この記事の監修 菱沼 篤子
犬の栄養指導や犬の健康に関する専門知識を持つコンサル担当スタッフとして、さまざまな飼い主のお悩みを聞いている。
ドッグフードを混ぜて与えても良いの?
複数のドッグフードを混ぜて与えること自体は、問題はありません。ただし、長い期間にわたってドッグフードを混ぜて与えていると、栄養バランスや摂取カロリーなどが分かりにくくなってしまうので、カロリーが大きく増えてしまうというケースも考えられると思います。
例えば、フードの切り替えを行う際に1~2週間にわたってフードを混ぜて与えるというようなケースであれば問題にはなりません。しかし、何年にもわたって複数のドッグフードを混ぜて与えている場合などには注意が必要なケースもあります。例えば複数のドッグフードを混ぜて与えていたところ、給与量が分からなくなり、食事量を与えすぎてしまってカロリー過多のために体重が増えてしまったというケースがよくあります。どんなフードでもいえることですが、給与量の目安に頼りすぎず、実際に与えてみて犬の体重がどのように変化するかを観察し、量を調節することが大切です。犬の食事の量を決めることができるのは飼い主だけです。
一方で、療法食などを与えている場合には、複数のフードを混ぜて与えることは推奨されていません。とくに食事内容や摂取する栄養に制限が必要な病気などの治療を行っている場合(例えば尿石症や腎臓病、糖尿病など)には、食事も治療の一環として処方されていますので、定められた量をきちんと与える必要があります。複数のフードを混ぜてしまうことで、計算されていたはずの栄養が過剰になったり、逆に不足してしまい、治療に影響が出てしまうケースがあります。
もちろん、一般食から療法食に徐々に移行させていく時や療法食から療法食へ移行させる場合など、一時的にフードを混ぜて徐々に慣れさせるということであれば大きな問題はありません。
ドッグフードを混ぜる前に、チェックしたいこと
ドッグフードを複数混ぜる時には、まず「何のために混ぜるのか」をはっきりさせておくことが大切だと思います。
長い期間にわたって複数のフードを混ぜてきた場合、どのような目的でフードを混ぜていたのかを一度整理してみてください。「与えたいフードがあるけれど、犬がなかなか食べてくれなかった」という場合など。
例えば、混ぜる目的が体重が気になるようになり、低カロリーのフードを与えたいと考えているけれど、低カロリーフードに犬は興味を示してくれなかったので、喜んで食べてくれるフードと組み合わせて与えているというような場合、飼い主が混ぜる前にチェックすることは、カロリー計算を各フードで行い混ぜて与えた時にカロリーオーバーにならない量のグラム数を調べておくということです。
混ぜる目的によって、事前のチェック内容は異なるので、一度整理しておけば、種類を変えるたびに混乱することがなくなると思います。
療法食を食べてくれない犬にはどうするべき?
病気の治療などで療法食を与えている場合は、ドッグフードを混ぜて与えることはオススメできません。
飼い主としては療法食を食べさせたいのに犬がどうしても食べてくれないという時、「どうして?」と悩んでしまう方も多いですよね。
その場合には、まず動物病院で相談して別の療法食を与えても良いかを判断してください。(療法食の切り替えは動物病院で必ず相談してからにしてくださいね)
それでも食べてくれず、体力の方の心配が出てくるようであれば、同種の療法食のウェットフードを混ぜて与えてみてください。
どんな病気でもそうですが、まずは食べてくれることが大切です。病気の治療のためには体力が必要になりますので、療法食を一切食べないというような場合には、体力を維持するために他の食事をとらせるケースもありますので、独自の判断はせず、飼い主と獣医師の両者でしっかり話し合ったうえで食事の内容を決めましょう。
おわりに
今回はドッグフードを混ぜて与えることについて、獣医師からの基本的なアドバイスを交えてご紹介しました。
一般的なドライフードを与える場合、カロリーがそもそも違うので与える量に気を付ければ、気になるブランドのフードを混ぜて与えてみても大丈夫です。ただし、療法食の食いつきをよくするために一般食を混ぜるというのは注意が必要です。せっかくの食事による治療が台無しにならないよう、食事の内容については動物病院で相談したうえで決めていくのが良いと思います。
関連記事
*1