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2022.05.25
犬が暑さでバテ気味?元気サポートには食事にコレをプラス!
急にぐんぐんと気温が上がり、犬の食欲が落ち込んだり、なんとなく元気がなかったり。急激な気温の変化のせいか、犬もバテ気味にみえるようなときってありますよね。ちょっと犬の体調が心配になったら、食事に工夫をしてみてはいかがでしょうか。
今回は、犬が暑さでバテ気味に見える時に取り入れたい栄養について、そしてオススメのアイテムをご紹介いたします。
簡単に取り入れられることを重視してチョイスしてみましたので、ぜひ試してみてください。
犬の暑さバテはなぜ起こるの?
暑さバテが起こる原因ははっきりとはわかっていませんが、犬でも人間でも自律神経の乱れと消化器系の不調が関係しているといわれています。
日本のような四季がある国では、気温や気候が1年の間にも大きく変化します。
これらの気温や気候の変化に対応するため、犬や私たち人間のような哺乳類には、体調を一定に維持するための体温や排泄などをコントロールする「自律神経」と呼ばれる機能が備わっています。
具体的には、暑い時に人間では汗をかいたり、犬ではパンティングをして体温を下げようとするのが、自律神経の働きによる反応です。
しかし、近年の日本は温暖化の影響もあり、夏に向けて急に気温が上がる傾向が見られます。すると自律神経はその変化の大きさに対応することができず、その働きが乱れて体調を一定に維持することができなくなってしまいます。
自律神経が乱れた状態が続くと、疲労感が強く感じられ、食欲が低下する傾向があります。とくに食欲が低下した状態が続くことで、食事から摂取できるエネルギー量が減り、エネルギー不足によってさらに疲労感が続いてしまうという悪いループに陥ってしまうことも少なくありません。
夏バテのような状態になってしまった犬には、速やかにエネルギー源として使用される栄養を補給しながら、徐々に暑さに体が慣れるのをサポートするのがオススメです。
暑さでバテ気味の犬にオススメの栄養
では、暑くなってきて食欲が低下し、元気がない…そんな夏バテ気味に見える犬のために食事に取り入れたい栄養にはどんなものがあるのでしょうか?
今回は、オススメの栄養の中から3つをご紹介します。
■タンパク質とビタミンB群
日本人の昔からの知恵として、夏バテ対策に役立つ食材に「うなぎ」があります。
「うなぎ」が夏バテに良いといわれることには、ある程度科学的にも根拠があるそうで、それは"タンパク質とビタミンB群を豊富に含んでいるから"というもの。
ビタミンB群は、タンパク質などの栄養をエネルギーとして使用する際に活躍する「補酵素」と呼ばれる栄養です。補酵素は、エネルギー代謝やタンパク質の再合成などの際に必須となります。具体的には、タンパク質だけをたっぷり摂取しても補酵素となるビタミンB群が十分でなければ、きちんと犬の体内でエネルギーとして使われません。
食欲が低下すると食べる量そのものが減り、吸収されるエネルギー源となる栄養そのものと補酵素も少なくなります。そうなると、食事から十分にエネルギーを作ることができずに体力が低下してしまうことも。体作りの基本となるタンパク質と合わせて、きちんと栄養を体内で使うことができるようにするためのビタミンB群の重要性にも注目したいですね。
ビタミンB群を豊富に含む食材としては、やっぱり肉類。中でもレバーや豚肉に豊富に含まれるほか、貝類、そばなどにも含まれます。
ビタミンB群を含む食材を使ったアイテム
■グリコーゲン
次に、食欲不振に悩む犬にオススメの栄養素がグリコーゲンです。
グリコーゲンはドッグフードの原材料としても人気の高い馬肉などに含まれています。
グリコーゲンはちょっと面白い特長を持っている栄養で、その個性を表す言葉として"糖原質(とうげんしつ)"という別名を持っています。
これは、糖質として体内で使うことができる成分であることを表していて、さらにグリコーゲンは一時的に肝臓で貯蓄することが可能です。
一般に糖質は植物性の食材に含まれることが多く、犬が食事から糖を取り入れるためにはデンプンを含む穀類やイモ類などが使用されることが多い一方、グリコーゲンは馬肉などの動物性の食材に含まれることから動物デンプンと呼ばれることもあります。
安静時には糖質が、激しい運動を行うなど、体温維持に継続的にエネルギー消費が必要となる場合には脂肪が使われるなど、状況によってエネルギー源として使用される栄養素には違いがあるので、糖質も重要な栄養素のひとつになります。
炭水化物からの糖質が気になるなら、速やかに糖質に代わり、エネルギーに代謝されるという特長を持つグリコーゲンを含む食材を選んでみてはいかがでしょうか。
グリコーゲンを含む馬肉を取り入れてみよう
■中鎖脂肪酸
最後にご紹介するのは、中鎖脂肪酸です。"脂肪"とついているので「夏バテなのに脂肪なんて消化に悪そう」と思われる方もいるかもしれません。でも、中鎖脂肪酸は、速やかにエネルギー源として使われるという非常にエネルギー効率の良い栄養素のひとつです。
皆さまもご存知の通り、オイル=油を構成する成分が脂肪酸です。オイルなどの特長や質感は、「脂肪酸」の種類や並び方によって様々に変化します。
他の栄養は消化吸収された後、体内でさまざまな酵素によって分解されたり再合成されたり、成分によっては体内に貯蓄されてから用途が決まるものもあったりと、実際に使用されるまでにタイムラグがあるものが多いです。
しかし、中鎖脂肪酸は、一般的な油の主成分である長鎖脂肪酸と比較して分子が小さく、吸収されるとすぐにエネルギーに代わるという特長を持っています。
この特長を活かして、人間・動物問わず、速やかなエネルギー補給が必要な場面や、消化器系の治療、食事を十分に食べられないときの栄養補給など、医療の現場でもよく使用される成分です。
中鎖脂肪酸は消化器系への負担を最低限に抑えつつ、エネルギーをしっかりと摂取させたい時にオススメです。
犬がバテ気味かも?と思ったら、これをプラス!
POCHI レバーZ/4,180円(税込)
●保証分析値
粗タンパク質 45%以上 粗脂肪 20%以上 粗繊維 1%以下 粗灰分 9%以下 水分 7%以下 カルシウム 0.7% リン 0.6%
○代謝カロリー 456kcal/100g
おわりに
今回は、犬が急な暑さによって食欲が低下したり、元気がないように見える時の食事の工夫としてオススメの栄養を中心に役立つ商品をご紹介しました。
犬が暑さで体調を崩している時には、散歩の時間を少しでも涼しい朝方や夜にしたり、食事だけではなく一時的にサマーカットをしたり、涼しい場所で過ごさせることも非常に大切です。
そういった一般的な暑さ対策に加えて、食事面でのサポートを行ってみてくださいね。
■この記事を書いた人
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POCHIのペット栄養管理士 岡安
ペット栄養管理士です。犬ぞりやフリスビーなど、犬とできるアクティビティが好き。大型犬を見るとテンションが上がります。