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2022.06.13
犬の貧血とは?原因と意識したい栄養と食事の工夫、オススメサプリメントご紹介【獣医師監修】
■この記事の監修
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コンサル担当 H
獣医師。犬の健康に関する専門知識を持つコンサル担当スタッフとして、獣医学の視点でさまざまな飼い主のお悩みを聞いている。
犬の貧血ってどんなもの?
犬の貧血では、血液中の赤血球の数(RBC)やヘモグロビン濃度(Hb)が低くなり、酸素や栄養を運ぶという血液が持っている本来の役割を十分に果たすことができなくなり、酸欠による息切れや疲れやすく元気がない、食欲不振などの症状が見られます。
血液検査では血液中のRBC(赤血球数)、Hb(ヘモグロビン濃度)、PCV(血球容積)と呼ばれる数値が正常値よりも低いことから判断されます。
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犬が貧血になってしまう原因
犬の貧血が起こる原因としては、さまざまな原因が考えられますが、その中でも代表的なものは以下となります。
・自分の体の中で血液がうまく作れない(腎臓病、骨髄のトラブル)
・自分の免疫で血液を壊してしまう(免疫介在性溶血性貧血などの病気)
・外から入ってきたものによって血液が壊されてしまう(玉ねぎ中毒など)
・出血で自分の体から血液が出ていってしまう(外傷、手術、腫瘍、内出血など)
・食事の栄養バランスの崩れが原因で血液を作るための成分が足りない
犬の貧血が起こっている原因が病気や大けが、手術などである場合は、動物病院で獣医師の指示に従い、適切な薬を与えたり療法食を与えることが必要です。まずは原因となっている病気の治療を優先させなければ、根本的な解決にはつながりませんので、注意してくださいね。
食事の栄養バランスの崩れによって、血液を作るために必要な成分が不足している場合は、適切に栄養を補うことが必要となります。
基本的には、総合栄養食タイプのドッグフードを与えていれば、犬に必要な栄養を十分補うことができますので、貧血になりにくいといわれています。一方で手作り食では、血液の成分を作るために必須のミネラル類などは不足しやすい傾向にありますので、意識的に補う必要があります。
犬の貧血が分かったら、こんな栄養を取り入れよう
貧血状態になってしまっている犬で、不足している可能性が高い栄養成分には以下のようなものがあります。
■鉄
血液の中でも重要な役割を果たしているのが、赤血球と呼ばれる血液細胞です。赤血球は臓器や組織に酸素を運ぶ細胞で、その中にヘモグロビンというタンパク質が存在しています。ヘモグロビンは、肺で取り込んだ酸素を体の隅々に運んでいくための入れ物のような役割を果たしています。
このヘモグロビンを作るには、鉄が不可欠。鉄が不足するとヘモグロビンを作ることができず、赤血球が十分に酸素を運ぶことができずさまざまな影響を及ぼすようになります。
鉄分を含む代表的な食品としては、レバー、赤身肉、赤身魚、卵、赤貝など。植物性のものでは、ひじき、わかめ、海苔、ごま、きなこ、ほうれん草などがあります。
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■ビタミンB12
ビタミンB12は、神経や血液細胞を健康に保ち、遺伝物質であるDNAの生成を助ける栄養素です。健康的に適切に働く血液を作る際に必須となる栄養です。
ビタミンB12の吸収は少々複雑で、2つの段階を経て食品から体内に吸収されます。まず、胃酸が食品中のビタミンB12をタンパク質から切り離し、その後、胃の中で産生された内因子と呼ばれるタンパク質とビタミンB12が結合し、体内に吸収されます。
ビタミンB12は、動物のレバーなどの内臓に豊富に含まれています。
■葉酸
葉酸は、代謝に深く関係する栄養で、DNAやRNAなどの核酸やたんぱく質の生合成を促進し、細胞の生産や再生を助ける体の発育に重要なビタミンです。また、ビタミンB12とともに赤血球を作る際に非常に重要な栄養なので「造血のビタミン」とも呼ばれます。
鶏や牛や豚のレバーに多く含まれるほか、海苔、わかめ、昆布などの海藻類にも含有率が高いことがわかっています。
■タンパク質
犬の体作りやエネルギー源としても重要なタンパク質も、貧血の時には意識的に取り入れたい栄養のひとつです。血液に含まれる赤血球も細胞ですので、適切にタンパク質を取り入れなければうまく作ることができません。
貧血の犬に食事と一緒に与えたいオススメサプリメント
不足している鉄分をバランスよく補給することを目的にしたチュアブルタイプのサプリメント
POCHI 鉄プラスチュアブル 40粒
●原材料名
糖蜜、コーンスターチ、グリセリン、ショ糖、大豆油、マクロゴール、天然香料(植物由来)、リン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、オメガ3脂肪酸、ビール酵母、ビタミンE、鉄、ナイアシン、チアミン、パントテン酸、ピリドキシン、リボフラビン、銅、ビタミンB12
●主成分(1粒中)
鉄:2.5mg、銅:0.04mg、ビタミン類:ナイアシン 2.1mg、チアミン 0.48mg、パントテン酸 0.36mg、ピリドキシン 0.24mg、リボフラビン 0.2mg、ビタミンB12 0.0005mg
●保証分析値
タンパク質 8%以上、脂質 14%以上、粗繊維 3%以下、灰分 4%以下、水分 7%以下
○代謝カロリー13.2kcal /1粒(2.7g)
自然の中で育った海藻由来のミネラル類が豊富
アーガイルディッシュ オーシャンプラス 70g
●原材料
ブルケルプ(Durvillaea potatorum)
●保証分析値
粗タンパク質 6.9%以上 粗脂肪 1.2%以上 粗繊維 4%以下 粗灰分 32.7%以下 水分 5.2%以下 炭水化物51.2%
○代謝カロリー 169kcal/100g
・ミネラル分析値
カルシウム 0.5% リン 0.17% カリウム 1.0% ナトリウム 3.4% マグネシウム 0.12% 鉄 30mg/kg 銅 5mg/kg 亜鉛 9mg/kg ヨウ素 2,600mg/kg セレン 0.006mg/kg イオウ 21,000mg/kg
・ビタミン類分析値
ビタミンA(レチノール当量 ) 4121IU /kg ビタミンD3 4IU/kg d-αトコフェノール(ビタミンE) 1.49IU/kg チアミン 2.2mg/kg リボフラビン 3.8mg/kg ナイアシン 15mg/kg ピリドキシン 0.1mg/kg ビタミンB12 0.0001mg/kg ビタミンC 3mg/kg
おわりに
今回は犬の貧血についてご紹介しました。犬の貧血の原因として病気やケガが関係しているときは、基本的に動物病院で処方された薬を与え、様子を見るようにしてください。
貧血の原因が栄養バランスの崩れであるようなら、食事内容を見直してみてください。