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2022.08.25
膵炎と診断されたらドッグフードはどうする?プレミアム品質の低脂肪フードをペット栄養管理士がご紹介
「獣医さんに膵炎といわれてしまった」という犬の食事選びについて、最近ご相談を受ける機会が増えてきました。
膵炎は一度診断された後、症状が落ち着いたら自宅で食事療法となることが多い病気ですが、その時に"低脂肪食"を与えるように指導されることが多いです。でも、"低脂肪食"と言われても、どれくらいの数字なら低脂肪食なのか、探すのに苦労するということがあります。
そこで今回は、普段の食事、という視点で犬が膵炎になってしまう背景と膵炎になってしまった犬に与えてはいけないものと低脂肪食について、ペット栄養管理士がご紹介いたします。
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POCHIのペット栄養管理士 岡安
ペット栄養管理士です。犬ぞりやフリスビーなど、犬とできるアクティビティが好き。大型犬を見るとテンションが上がります。
目次
犬が膵炎になってしまう原因とは?
獣医師によると、犬の膵炎と一言でいっても、急性膵炎と慢性膵炎の2種類があるそうです。
まず、急性膵炎は、膵臓が作っている消化酵素が突然活性化され、食物ではなく膵臓自体を消化してしまい、組織に炎症が起きる状態を指します。
普段、膵臓で作られる消化酵素は、小腸に分泌されてから初めて活性化され、消化能力を持つようになるのですが、何らかの理由により膵臓内で活性化されてしまうと、消化酵素が膵臓の組織を分解し始め、機能が低下するだけではなく激しい痛みを伴う炎症を引き起こします。これが急性膵炎と呼ばれる状態です。
一方、慢性膵炎は、常にこういった炎症が少しずつ起きることで、膵臓自体が徐々に硬くなり、消化酵素の流れが悪くなったり、膵臓の機能が落ちてしまったりといった状態を言います。
膵炎になる明確な原因は分かっていませんが、高脂血症がリスクとなることは分かっており、そのため遺伝的に高脂血症になりやすい犬種、ミニチュア・シュナウザー、ヨークシャー・テリア、コッカー・スパニエル、コリー、ボクサーなどで起こりやすいといわれています。
それから、肥満や脂肪の多い食事なども代表的なリスク要因です。
すべての犬種において発症の可能性はあり、シニア期の犬でとくに発症が多いとされています。
シニア期以降の犬では、高脂肪食を続けていること、そして肥満体系になっていることが大きなリスクとなりますので、注意が必要です。
以下のページより抜粋
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膵炎になった犬が食べてはいけないもの、注意点
まず、一度膵炎になったことがある犬は、動物病院での治療を終えて家に帰ってきてからも高脂肪食は避ける必要があります。慢性膵炎の犬でも同様で、食事の見直しが必要になるケースが多いです。
膵炎になりやすくなる要素としては、高脂肪食を食べていることと肥満傾向を挙げましたが、まずはこれらの要素を排除する食事選びと合わせて避けるべきものもあります。
実際に膵炎と診断されたことがある犬の多くは、「高脂肪な人間用の食事をこっそり食べてしまった」とか「少しだけだからと思って…」と焼き肉や揚げ物を与えて、徐々に回数が増えてしまったという経験があることが分かっています。
ですから、一度膵炎になったことがある犬には、高脂肪食を与えないように注意することが必要になります。
基本的に、人間用の食べ物を進んで犬に与えようと考える方は多くはないと思いますが、膵炎への対策としてこれまで以上に食事管理が重要だということは頭のどこかに置いておくようにしたいですね。
特に注意が必要なのは小型犬、超小型犬です。これらの犬では、たとえ一口であっても人間用の食べ物を食べることは、体の大きさに対して大量の脂肪を一気に摂取することになりますから、リスクも高くなります。
私たち日本人のライフスタイルや食事の内容も昔と比べると大きく変化しました。以前よりも脂肪が多く含まれる食べ物も多くなっていますので、過去に膵炎になったことがある犬や、膵炎のリスク(肥満傾向のあるシニア)が高い犬が飼い主の食べているものを欲しがる様子を見せたとしても、それが揚げ物や脂肪たっぷりの焼肉、人間用のケーキなどの高脂肪であることが分かっているものなら、「ノー!」ときちんと伝えることが、犬のためにもなります。
膵炎になったことがある犬には、オヤツを与えてはいけないの?
過去に膵炎になったことがある犬は、基本的に脂肪を多く含むものを与えることができません。オヤツも控えるように指導されることが多くなります。しかし、犬がどうしてもオヤツを欲しがる時には脂肪分がほとんど含まれない「野菜」や「フルーツ」なら、影響は少ないと思いますが、獣医師の指導に従いどんなものをどれくらい与えるのかを管理する食事療法を行っている時には、必ず担当の獣医師に相談したうえでオヤツを与えるかどうかを判断するようにしてくださいね。
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膵炎の犬に適した"低脂肪ドッグフード"の基準はあるの?
犬の健康維持のための栄養基準として、メジャーなものにAAFCOの基準があります。AFFCO総合栄養食の基準では脂肪%は成犬で5%以上、パピーでは8.5%以上と定められています。(乾物量)
実はAAFCO基準においては脂質の上限量は設けられていません。つまり総合栄養食にどれだけ多くの脂質が配合されていたとしても、基準はクリアしていることになります。
現在、主流となっているドライフードでは、だいたい15%前後のものが多いようです。ポチで取り扱いしているものの中では、高いものでは脂質が30%以上含まれているものもあります。
膵炎と診断される前に食べさせていたドッグフードの裏ラベルに記載の、保証分析値「脂質」のところをチェックしてみてください。
一般食の中から低脂肪ドッグフードと呼べる基準を考えるなら、10%以下であれば比較的低脂肪のフードといえます。
POCHI取り扱いフードの中でとくに低脂肪と言われているフードの脂質は7.9%、7.5%、6%、などで、一番低いものでは5%でした。
低脂肪フードに明確な基準があるわけではないため、「総合栄養食基準内」で「他のフードに比べると低い(自社製品比)」数値を目安としています。
膵炎の犬にオススメ 低脂肪ドッグフード
今回はドッグフードの中でも特に低脂肪と呼べるものとダイエット目的ではなく、嗜好性も配慮して脂質が10%程度のものをピックアップしてご紹介します。膵炎と診断された犬のために一般食で低脂肪のドッグフードを探している方はぜひ参考にしてみてくださいね。
パッケージ | 名前/原産国 | 主な栄養 | 粒サイズ | 特徴 |
ナチュラルハーベスト セラピューテックフォーミュラー レジームスモール/アメリカ |
脂質 5%以上 | 直径 8~11mm 厚さ 4~6mm |
高繊維質で低炭水化物。 ダイエットに最適 |
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ハッピードッグ スプリーム・ミニ・ トスカーナ/ドイツ |
脂質 7.5%以上 | 直径8.5-12mm 厚み3.5-6.5mm |
グレイン&グルテンフリー 一般食の中ではもっとも脂質が低い |
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ハッピードッグ プリーム・センシブル トスカーナ/ドイツ |
脂質 7.5%以上 | 約17-20mm 厚さ4mm |
グレイン&グルテンフリー 大型犬向けの粒サイズ |
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POCHI ザ・ドッグフード ベーシック/オランダ |
脂質 10%以上 | 約7-8mm 厚さ約5mm |
生肉をたっぷり使用したシリーズ 健康維持成分も豊富で嗜好性◎ |
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POCHI ザ・ドッグフード ベーシック ミディアムラージ粒/オランダ | 脂質 10%以上 | 約10~15mm 厚さ約5~10mm |
中~大型犬にもピッタリの大粒タイプ 生肉たっぷり使用で嗜好性◎ |
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POCHI ザ・ドッグフード エイジングケアシリーズ/オランダ | 脂質 10.5%以上 | 約7-8mm 厚さ約5mm |
健康サポート成分をさらに強化 シニア犬にオススメ |
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アーガイルディッシュ グレヴィレアアダルト/オーストラリア | 脂質 9%以上 | 約8-10mm ※バラつきあり |
オーガニック認定を受けた原材料使用 |
おわりに
今回は膵炎に悩む犬のためのドッグフード選びについてご紹介いたしました。一度病院で低脂肪ドッグフードを食べるように、と指示をされるとどうしても低脂肪と言えばダイエット用フードと考えてしまいがちですが、嗜好性を考えた一般食の中にも低脂肪フードが多くあります。そういったフードも選択肢の一つとして考えつつ、担当の獣医師さんと相談しながらドッグフードを探してみてはいかがでしょうか。