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2022.09.06

犬に鶏の骨を与える時の常識が変わっていた!以前と今ではどう違う?情報アップデート

犬に鶏の骨を与える時の常識が変わっていた!以前と今ではどう違う?情報アップデート

犬に生の骨や茹でるなど調理された骨を与えたことがある、という方はどれくらいいらっしゃるでしょうか?

自主的に犬に骨を与えた方、または不注意で犬が食べてしまったということも、あると思います。

さて、犬に鶏の骨を安全に食べさせる時のポイントが、10数年前と現在では大きく異なっていることはご存知でしたか?
昔は当たり前だったことが、そうではなくなり、まったく別の見解が出されるということはしばしばでてきます。
以前と現在では、どのように変わっているのか、今回「骨」について、認識をアップデートしてみませんか。

DOG's TALK

POCHIのペット栄養管理士 岡安

ペット栄養管理士です。犬ぞりやフリスビーなど、犬とできるアクティビティが好き。大型犬を見るとテンションが上がります。

以前は、安全のために犬に「生の骨」を与えることが推奨されていました。

数年前までは、犬に骨を食べさせるのであれば、加熱調理を行っていない生の骨(生骨)を与える方が良いとされていました。犬の健康への意識が高く、より犬の食性にこだわった食事を与えたいと考えている飼い主ほどこの傾向が強く見られたようで、ポチのスタッフの中でも、ベテランであればあるほど「鶏の骨は生で与えていた」と語っています。

生の骨の方が安全といわれていた理由には、野生動物が食べていた食事に限りなく近い状態である、ということと骨の割れ方が根拠となっていたようです。
たしかに、動物の骨にはカルシウムやリンだけではなく、骨に付着している腱や肉などから良質なアミノ酸やコラーゲンなどが摂取できます。そして何より、栄養豊富な骨髄には、アミノ酸、ビタミン類、ミネラル類、脂肪酸に酵素など、役立つ栄養がたくさん含まれています。ただし、アミノ酸やコラーゲンなどは過熱により変質してしまうことも多いので、生の方が栄養価を損なうことは少ないのかもしれません。
また、骨に熱を加えると噛んで砕くときに鋭くとがってしまうとか、生の状態の骨の方が犬が噛んでもそうそうは細かく砕けず、よく噛んで食べると思われていた、という説もあります。

いずれにしても、当時はドッグフードのトレンドとして「生食」や「BARF(バーフ)」という考え方が支持を集めていたことが影響していたようです。

 

当時のトレンドのBARF(バーフ)について

BARF(バーフ)という言葉は聞いたことがある方も多いと思います。BARF Diet(バーフダイエット)と呼ばれた生肉と生骨を中心とした食事スタイル。野生で生きる犬の仲間の食事に近付けるため、内臓や骨、腱に至るまでさまざまな部位を"なるべく生で"与えることが特長です。

加熱調理を行うドッグフードと比較して、酵素に代表されるような熱に弱い栄養素をそのまま取り入れることができるということが強みでした。

一方、デメリットとしては安全な生肉を安定的に手に入れることが難しい、犬の食費が高額になってしまう、さらに肉以外の栄養源も生に合わせるため、野菜やフルーツをすり潰す必要がある、など手間がかかっていたことが挙げられます。

現在は、加熱調理された「鶏の骨」なら消化できるという見解が主流に。

以前は生で与えることのほうが安全だといわれていた骨ですが、現在では加熱調理したもののほうがより安全性が高いといわれるようになってきています。
その理由として、加熱処理した鶏の骨は弱い力で噛んでも砕けやすいということがあります。以前よりも小型犬と暮らす方も増え、生の固い骨を与えたことで犬の歯が欠けてしまうという事故が起こるようになり、加熱調理されて細かく砕ける骨の方が安全だといわれるようになったということがあります。
また、さまざまな調理器具もお手頃になり、高温で調理されたり圧力なべで調理することで崩れやすくできるというのもあったと思います。

最大の理由は、加熱調理することはサルモネラに代表されるような菌の繁殖を抑えることができるということだったのではないかと考えます。以前は生の状態を維持するために、菌が繁殖しやすかっただけではなく、生肉と同じように冷凍保存が基本でした。
加熱調理されたことにより衛生面と、さらには保存性の問題も解消できるようになったという側面があるかと思います。

おわりに

今回は、以前と現在では考え方が大きく変わった話題として「犬に骨を与える時のポイント」をご紹介いたしました。
先代の子の頃とは変わったなあ、と感じた方は犬の食事に深い関心を持っていることだと思います。
ドッグフードに関しても、情報が大きく変わり、取り入れ方が180°変わるということも起こります。今の常識が数年後にはガラッと変わっているかもしれません。
これからもポチはその時、その時の最新の情報をもとに柔軟に受け止め、常にアップデートを続けて、犬と飼い主さんにとって一番役立つ情報をお届けしていきます。