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2024.03.28

犬の成長にカルシウムは影響する?注意するべきポイントとは

犬の成長にカルシウムは影響する?注意するべきポイントとは

成長期の子犬はたくさんの栄養を必要とします。健康的で丈夫な体作りのために必要な栄養素は成犬よりも多いということはご存じ方も多いと思います。

では、カルシウムはどうでしょうか?

実はカルシウムは摂りすぎると注意が必要なミネラルですが、子犬の時期に適量を摂取できないと、さまざまな影響が出ることがあります。
現在は子犬用の総合栄養食タイプのドッグフードを利用する飼い主が多いので、あまり話題に上ることもありませんが、やはり大切なことです。
とくに手作り食を与えている場合やトッピングなどを与える場合はリンとのバランスが気になる方もいると思いますので参考にしてみてください。

犬の成長にカルシウムは影響するの?

犬の成長過程において、カルシウムは健康的な骨や歯の形成に不可欠です。
しかし、適切なバランスが崩れてしまうと犬生に影響するような健康リスクを引き起こす可能性もあります。

基本的に総合栄養食であれば、この基準を十分に満たしていますので、成長期だからと言ってカルシウムをさらにサプリメントなどで与える必要はありません。
そして、犬に必要以上の量のカルシウムを摂取させたとしても体が大きく育ったり、骨が丈夫に育つというようなことは基本的にはありません。
丈夫な身体に育てたい、ということであれば、カルシウムだけをたくさん与えることはせず、栄養バランスのとれた食事を意識する方が良いと思います。

■ 骨や歯を形成するカルシウムとリンの関係

犬の健康に影響を与える栄養素として、「リン」が挙げられますが、カルシウムの摂取が不足してリンの摂取が過剰になると、カルシウムの吸収を阻害するはたらきがあります。

カルシウムと比較してリンをより多く摂取する状態になると、犬が「低カルシウム血症」や「高リン血症」になることがあります。
カルシウムとリンをバランスよく摂取するならば、「カルシウム:リン=1.5~2:1」が目安です。

嗜好性を高めたり、体作りの基本である動物性タンパク質をプラスするためのトッピングには、できる限り「カルシウム:リン」のバランスを整えている、犬用レトルトや缶詰がオススメです。

犬のカルシウムの必須量

子犬の成長に必要なカルシウムの摂取量は、体の大きさの差や犬種の差にもよって異なるため明確な数値はありませんが、成犬では、大まかに以下の計算で摂取目安量を出すことができます。

成犬:242mg×体重(kg)
子犬:484mg×体重(kg)

手作り食を継続的に与える場合は過剰になりすぎないように意識することが大切です。カルシウムは、体内への吸収がされにくいので、リンやほかの栄養素とのバランスを見ながら与えてみてくださいね。
トッピングでは、総合栄養食になっている缶詰や最近では犬たちが喜ぶおかずのようなレトルトも比較的吸収されやすいカルシウムを使用し、リンとカルシウムのバランスが調整されているアイテムが増えています。ただ、嗜好性をアップする「栄養補完食」と書いてある缶詰やレトルトは、リンとカルシウムの調整がされているかどうか、チェックしてみてくださいね。

カルシウムを摂取する際の注意点

子犬にカルシウムを過剰に与えてしまうと、成長に伴い骨や関節に異常が生じることがあると言われています。
成長段階で関節の形成不全が発生し、跛行(はこう=歩くときの足運びに異常が出ること)から、歩きたがらなくなったり、痛みのために遊びを嫌がるようになることもあるようです。
カルシウムの過剰摂取が継続的に起こると、伏せの姿勢から立ち上がる時や、車への乗り降りができなくなる、やがて日常的な動きも満足にできなくなる子もいます。

とくに大型犬や超大型犬は、本来の速度で骨や体が成長するのを妨げてしまうことにつながり、結果として骨格に異常が生じる危険性もあります。フード選びの際には、ドッグフードに含まれているカルシウム量が適切な量であることを確認し、与えるようにしましょう。

一方、カルシウムが不足するとどのような影響が出るのでしょうか?
代表的なトラブルは、「低カルシウム血症」です。妊娠中、出産後の母犬で比較的起こりやすく、骨折をしやすくなったり、けいれんがおこるようになります。
また、腎臓病や急性膵炎を起こした犬が二次的な症状でカルシウム血症を起こすこともあります。

おわりに

犬の健康とカルシウムの関係性についてご紹介しました。
人間では子どもの身長を伸ばすためにカルシウムを意識的に多く摂取することがありますが、犬では過剰にカルシウムを摂取することで健康に影響を及ぼすことがあるため、注意が必要です。
基本的には子犬用の総合栄養食を与えていれば問題はありませんが、手作り食やトッピングで過剰になってしまうことがあります。
ちなみに、カルシウムは吸収率がまちまちです。イオンカルシウム>ミルクカルシウム>リン酸カルシウム>炭酸カルシウムといったように、カルシウムの吸収されやすさには違いがありますので、特に吸収されやすいカルシウムに関しては与えすぎに要注意です。
どんな栄養でもそうですが、バランスよくすることを意識してみてくださいね。