- コラム
- 海外情報
2024.10.23
空飛ぶラブラドール!ヘリコプター会社の看板犬をご紹介~南半球のDog's letter~
世界の様々な地域に順応して暮らしている犬たち。
ところ変われば犬とのライフスタイルも変わります。日本とはちょっと違う?!共通してるかも?!と思える目新しいドッグライフ情報を、自然豊かな南半球に位置するニュージーランドからお届けします。
さまざまな「働く犬」が活躍している国、ニュージーランド。
日本以上に多種多様な犬たちがお仕事を通して自分らしく、そして働くことに充実感を感じながら日々を送っています。共通しているのは、なんだかとっても楽しそうということ。
今回ご紹介するのも、楽しそうに働くラブラドールのお話。なんと、空飛ぶ役員犬です。
一体どんなお仕事なのか、気になる情報をご紹介いたします。
-
この記事を書いた人:グルービー美子
ニュージーランド・オークランド在住のトラベルライター。JAL機内誌やガイドブック「地球の歩き方」などに寄稿。子供の頃から柴犬と暮らし、現在はサビ猫のお世話係。趣味はサーフィン。
甘い笑顔でゲストを迎える看板犬
ワイナリーやカフェ、宿泊施設など、ニュージーランドではさまざまな場所で看板犬が活躍しています。
今回はその中からヘリコプター会社で働くゴールデン・ラブラドールのハニーボーイをご紹介。
その名のとおりハチミツのように甘い笑顔でゲストをもてなす9歳の男の子です。
ハニーボーイの勤務先である「オーバー・ザ・トップ – ヘリコプター・カンパニー」は南島クイーンズタウンにあるヘリコプター会社。
ニュージーランドでは壮大な自然を空から観光するヘリコプター遊覧飛行が盛んで、クイーンズタウン周辺では山頂まで一気に飛んでピクニックをするツアーや、ヘリスキー、ヘリフィッシング、ヘリハイクといったアクティビティと組み合わせた多彩なプランがラインナップ。
ヘリコプターなら短時間であちこちの景勝地を訪れることができるので、移動手段として使う人も珍しくありません。
「オーバー・ザ・トップ – ヘリコプター・カンパニー」では、特に標高4500フィート(約1370メートル)に設けられたコースでゴルフをする「オーバー・ザ・トップ・ゴルフ」やシャンパン付きの「ピクニック・オン・ア・ピーク」、景勝地ミルフォード・サウンドに行くツアーなどが人気だそうです。
ハニーボーイは同社のオーナー、ルイーザ・パターソンさんと暮らしています。
チョッピーの愛称で親しまれるルイーザさんの相棒として、会社では「ジュニア・グリーティング・オフィサー(あいさつ担当役員?)」の肩書を持っています。
何とハニーボーイ専用の名刺もあるそうです。
ヘリコプター飛行を余裕で楽しむ
普段はチョッパーさんの傍らにいるハニーボーイですが、ゲストがやって来るといち早く挨拶に出向きます。
人懐こくて愛らしいハニーボーイは同社のマスコット的存在。
ゲストの多くがひと目彼を見るなり恋に落ちてしまうそうです。
同社のオフィス兼格納庫はクイーンズタウン空港内にありますが、近くの山の上にアウト・ザ・バックと呼ばれる高地拠点も持っています。
ここはゲスト がヘリコプターでアクセスし、BBQなどを楽しむことができる場所。
ハイカントリー・ステーションにグループ予約が入ると、ハニーボーイはクルーの一員としてヘリコプターに乗り込み、ツアーに同行してゲストをさらにもてなすこともあるのだとか。
ヘリコプターでのフライトはエンジン音や高速回転する羽のブレードスラップ音など、かなり力強い音がするため、一般的には犬が怖がる可能性が高いでしょう。
しかしヘリコプター会社で育ったハニーボーイは慣れたもので、座席では人間よりもリラックスしているようです。
「ハニーボーイはヘリコプターの機種による音の違いを聞き分けることもできるんですよ。特にB4ユーロコプターという機種はシングルエンジンで、ほかの機種に比べて騒音レベルが低いからすぐにわかるみたいです」
そう話すスタッフのデレックさん。
ヘリコプター音当てクイズをしたらダントツの成績で優勝しそうなハニーボーイ。
乗り物に夢中になる人間の男の子のようなエピソードにほっこりします。
ハニーボーイによるNZ流のおもてなし
ニュージーランドではこの国らしいおもてなしの精神として「キーウィ・ホスピタリティ」という言葉が使われています。
キーウィは鳥や果物だけでなく、ニュージーランド人の愛称でもあり、ニュージーランド全体の象徴のようなもの。
キーウィ流のホスピタリティ(おもてなし)は気さくで温かく、初めて会った人であっても以前からの大切な友人のように優しく迎えます。
ハニーボーイの接客スタイルは、まさにキーウィ・ホスピタリティそのもの。
ヘリコプターに乗る前にハニーボーイとたっぷり触れ合ったゲストは、遊覧飛行終了後、一目散にハニーボーイのもとへ行って別れを惜しむのだとか。
これから夏の観光シーズンを迎えるニュージーランド。
ハニーボーイはこの夏も大活躍しそうです。
取材・写真協力: