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2019.06.24

犬の適切な睡眠時間は?夢を見るの?犬と眠りの疑問について

犬の適切な睡眠時間は?夢を見るの?犬と眠りの疑問について

人間と比較すると、犬って睡眠時間が長いように感じませんか?
こんなに寝るものなの?もしかして具合が悪いのかな?犬は、寝ているときに夢を見ているの?と疑問に感じることもあるかもしれません。

犬の睡眠について飼い主がきちんと理解することで、犬の健康管理や犬にとって快適な睡眠環境つくりに役立つ情報がみえてくることもあります。今回は、そんな犬の眠りと健康についてご紹介します。

犬の睡眠時間が長い理由は?


健康的な犬の1日の睡眠時間は、成犬で約12~14時間。幼犬や老犬の場合、18~19時間ほどと言われています。健康で元気な犬も、1日の半分以上を睡眠に当てる必要があり、犬にとっての睡眠はとても大切なのです。

哺乳類の睡眠はノンレム睡眠(深い睡眠)とレム睡眠(浅い睡眠)の2つを繰り返しています。以下はノンレム睡眠とレム睡眠の特徴です。

【ノンレム睡眠】
・呼吸は一定のリズムで穏やか
・脈拍も徐々に遅くなり脳も寝ている状態
・物音がしてもなかなか起きない
・無防備な姿で寝ている

【レム睡眠】
・呼吸や脈拍は乱れ気味
・体がピクピク動く
・すぐ起き上がれるような体勢で寝ている

犬がノンレム睡眠のとき呼吸は一定のリズムで行われ、脈拍も徐々に遅くなり犬の脳も眠っている状態のため、大きな物音がしても犬は起きません。ノンレム睡眠のときは地面から顎を離して横向きになっていたり、手足を広げて無防備な姿になって寝ていたりします。

レム睡眠は犬の体が深い眠りに落ちていても、脳だけは起きている状態です。このような場合、寝ているのに体がピクピクと動くこともあります。
犬の睡眠の8割はレム睡眠の状態とされていますが、これは犬が狩りをする動物であったことに由来すると考えられています。長距離を走る犬の狩りはエネルギーを大量に消費する上、自ら襲撃される危険性もあったため、すぐ行動できるように犬は浅い眠りを必要としたのかもしれません。

DOG's TALK

犬の仲間でもあるオオカミなどをイメージすると分かりやすいですが、眠っている間にも子どもたちが別の野生動物によって襲われたりすることもあったのかもしれません。それらのトラブルにいつでも速やかに対応できるよう、犬たちの睡眠はレム睡眠の時間が長くなっているのかもしれませんね。いざという時に家族を守れるように、犬たちの体は眠っている間も身構えてくれているのですね。

犬も夢を見るの?


健康的な犬が寝ながら唸ったり、足をピクピクさせていたりすることありませんか?このようなときは、夢を見ていることが多いようです。犬が寝ているときに夢を見ることができるのは、感情も落ち着いていてリラックスしている状態と言われています。

つまり、犬が寝ている間に夢を見ているような様子なら、リラックスして安心できているということ。一緒に居る時に、犬が心からリラックスして過ごしてくれているのなら、飼い主としてはとっても嬉しいですよね。
飼い主は犬が質の良い睡眠をとれるよう、犬の睡眠環境を整えてあげましょう。

毛布などが用意された暖かく落ち着くことのできる犬の専用スペースがあると、犬は安心して眠れるようになります。直射日光が当たる場所や寒すぎる場所などは避け、ほどよい温度を保てるところが望ましいですね。

犬が寝てばかりの時、病気のサイン?

犬の睡眠時間が平均より長すぎる日が続く場合は、病気のサインになっている可能性があります。
以下のような問題が起こっていることも考えられますので、獣医さんへ相談した方が安心です。

・加齢による体内時計の乱れ、認知症
・環境の変化によるストレス
・甲状腺機能低下症
・関節の痛み
・糖尿病や感染症

以上のような病気が悪化すると、犬たちの様々な検査や治療が長引きます。少しでも犬の睡眠に異変を感じたら獣医さんに相談しましょう。獣医さんに相談する際に犬の平均睡眠時間が1日どのくらいか把握しておくと、犬の状態を判断しやすくなります。

DOG's TALK

犬たちの老化に伴って睡眠時間に変化が見られることがあります。体力が低下することで、疲れが取れにくくなることがあるほか、認知機能の低下の影響によって睡眠時間が長くなることもあるようです。
シニア期の犬たちはずっと寝てばかりいると、体力や筋力も落ちてしまいますから、できる限り無理のない範囲で運動をさせることが刺激となり、認知機能の低下の対策にもなります。年齢を重ねることによって時間の過ごし方が少し変わってきたのだと暖かく見守り、ライフスタイルに寄り添ってあげてくださいね。

おわりに

犬の睡眠の8割は浅い眠りのため、飼い主が物音など立ててしまうとすぐに起きてしまい犬は十分な睡眠をとることができません。また犬は睡眠中、浅い眠りと深い眠りを繰り返しながら人間と同じように夢を見ています。私たちができることは、犬が心地よい環境で安心して眠れるよう、犬が寝るためのスペースを用意してあげることになります。

DOG's TALK

犬たちが私たちの家族の仲間入りをした遠い昔、家族みんなが眠っている間の警備の仕事も果たしていました。その頃からずっと、犬たちは眠っている間も家族のために緊張感を持って過ごしてきたのかもしれません。そんな犬たちにとって、仲間でもある家族にくっついてリラックスして眠るのは幸せな時間のはず。すぐ近くでだらーん、と伸びきって眠っている姿は信頼の証として笑って受けとめてあげましょう。