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2021.06.28

犬にとっても嬉しい存在に?注目のスーパーフード デーツ

犬にとっても嬉しい存在に?注目のスーパーフード デーツ

これまであまり注目されていなかった食物が、その優れた栄養価などからスーパーフードとして脚光を浴びることがたびたびあります。
スーパーフードの中には、犬にもぜひ取り入れたい成分を含んでいるものもあり、ドッグフードやおやつに活用するメリットがあることから、犬にも身近になっていく食材が多くあります。POCHIで、2007年ころに栄養価が高いことに注目して限定販売した「デーツ」が、今スーパーフードとして改めて脚光を浴びているので、その特長と、犬に嬉しい栄養について改めてご紹介します。

デーツ(ナツメヤシ)ってどんな食べ物?

デーツとは、ナツメヤシとも呼ばれる果実で、その名の通りヤシの仲間の果実です。
熟す前と完熟した後で食感が異なることが特長で、熟す前のデーツはリンゴのようなサクサクとした食感があり、完熟したデーツはとろっと濃厚な舌触りに変化します。
デーツ自体は甘味が強い果実で、砂糖が手に入りにくい古代から貴重な甘味として大切に使用されてきました。生のまま食べられることはほとんどなく、乾燥させてドライフルーツとして食べられます。

日本ではあまり流通量が多くありませんが、世界的にみると乾燥させたデーツは世界で生産される全ドライフルーツの約40%を占めるほどの人気で、レーズンと並び世界的にメジャーなドライフルーツだそうです。

デーツ自体は、非常に古い歴史を持っていて古代エジプトやメソポタミアなどの古代文明の時点で、すでに果樹園を作られていたことが分かっています。古代につくられた美術品には豊かさの象徴のようにデーツの農園があしらわれたものもあるようです。
北アフリカや中央アジアの乾燥地帯が原産のデーツは、乾燥に非常に強く栽培が比較的簡単で、非常に栄養価が高い食品として珍重され、大切にされてきた歴史を持っています。

デーツに含まれる栄養素について

デーツには犬にとって嬉しい栄養素が含まれています。デーツの栄養面をチェックしてみましょう。

■デーツに含まれる栄養素(100gあたり)

エネルギー:266kcal
タンパク質:2.2g
脂質:0.2g
炭水化物:71.3g
灰分:1.5g

デーツの代表的な栄養素をチェックしてみると、炭水化物が大部分であることが分かります。この炭水化物は果糖であり、果糖は体内で優先的にエネルギーとして代謝される成分でもあります。
このことからデーツは速やかなエネルギー補給が必要な場合に役立つ食品といえますね。

また、代表的な栄養素のほかにも鉄分や亜鉛といったミネラル類も含まれています。
そのほかにも抗酸化成分であるβカロテンや、エネルギー代謝に必須のナイアシンが含まれています。

■アラビアの犬たちのご褒美として

実はこのデーツ、アラビア半島や中央アジア、エジプトなどの乾燥地帯では犬の食事としても使われてきた歴史を持っています。砂漠や荒野を旅したり、キャラバン隊を組んで移動して暮らす人々は、今でもお供の犬たちに乾燥させたデーツをご褒美として与えているそうです。
高カロリーの保存食という顔も持つデーツは、食べ物が手に入りにくい砂漠を長い距離を家族と一緒に移動する犬たちにとっても大切なエネルギー源なのです。
砂漠を人々と旅したり、乾燥地帯で猟犬として活躍してきた歴史を持つ犬種もいますが、そういった犬たちにとっては、デーツはご先祖からなじみ深い、とっておきのご褒美に感じるのかもしれませんね。

犬にデーツを与えるメリット

デーツを犬に与えることにはどんなメリットがあるのでしょうか?

まずは、自然由来の甘さがぎゅっと濃縮されていて、犬にとっても嗜好性が高いということがあります。犬は甘味を好む傾向があるので、自然な甘さを感じられるデーツは犬にとっても美味しいもののようです。
デーツに含まれている果糖は体内で優先的にエネルギーに変換されるので、犬が疲れているように見えた時や、食欲不振などの犬に、食欲を刺激しながらエネルギー補給を行いたい時などに役立ちそうです。

また、デーツに含まれるビタミンの1種であるナイアシンは、エネルギー代謝に深く関係するビタミンです。犬は、炭水化物、脂質、タンパク質の3つの栄養素からエネルギーを作ることが可能ですが、それらの代謝すべてにナイアシンが必要となります。十分にナイアシンを摂取することができなければ、エネルギー代謝をスムーズに行うことが難しくなります。

また、デーツには水溶性食物繊維と不溶性食物繊維がバランスよく含まれているので、お腹の調子を整えるのにも役立ちます。

■ デーツは低GI食品です。

デーツは、速やかにエネルギーに変わる果糖を含んでいますが、低GI食品(GI値:50)に分類されます。低GI食品とは、血糖値が上昇しやすいかどうかを表す指標(GI値)が低い食品のことです。
GI値が低いデーツは、しっかりとエネルギー源を摂取しながらも血糖値は緩やかに上昇する ということなのです。
炭水化物が豊富に含まれているデーツですが、食物繊維が豊富(7g/100g)であることから、血糖値の急激な上昇が抑えられていると考えられているそうです。

低GI食品であるデーツは、糖尿病など血糖値のコントロールが必要な犬にとっては役立つ食材となりそうです。

おわりに

本日はスーパーフードとして注目を集めているデーツについてご紹介しました。速やかにエネルギーに変わる果糖を多く含みながら、低GIであることから注目されているフルーツです。
もともとは砂漠などの乾燥地帯で乾燥させた保存食として楽しまれていましたが、その特性からドッグフードや犬のオヤツとしても活用されることが増えてきているようです。嗜好性も高いようですので、オヤツやドッグフードの原材料としてより広く使われていくことになるのかもしれませんね。