犬の健康維持に役立つサプリメント。さまざまなお悩みに合わせて役立つ成分を取り入れることができる便利なものですが、その種類も豊富です。
色々あるだけに、「他の人はどんなサプリメントを選んでいるの？」と気になる方も多いのではないでしょうか。

先日、アメリカの飼い主を対象に「どんなサプリメントを使っていますか？」というアンケートが実施されました。日本とは文化や犬との暮らしの環境は少し異なりますが、お悩みはおおむね同じだからどんなサプリメントが実際に使用されているのか、その傾向は参考になります。

今回は世界的にどんな犬のサプリメントが人気なのか、そしてその背景についてご紹介します。

世界のサプリメントランキングの概要

今、世界的に犬の健康維持への意識がさらに高まっているようです。その影響で犬のサプリメントへの注目が集まっていくなかで、さまざまな種類のサプリメントが数多く登場しています。

今回アメリカの飼い主を対象にして行われたアンケートでは、飼い主の38%が犬の健康維持のためにサプリメントを使用していて、これは2019年のアンケートと比較すると29％の増加。アメリカでも日本と同じように飼い主は犬にも長く健康的に過ごしてほしいと考えているようです。

では、犬の健康維持に役立つさまざまな種類のサプリメントの中から、特に人気が高かったサプリメントをランキング形式でご紹介します。

第1位関節系サプリメント　30％

第2位皮膚被毛系サプリメント　29％

続いて第2位に選ばれたのは、皮膚被毛系のサプリメントでした。
被毛を美しく保ちたい、ということのほかにも、皮膚被毛系のトラブルは、遺伝的な要因や犬の体質的な要因も関係していることがありますが、少しでも美しく保つためのケアを続けているという方も多いようです。
こちらも犬種や体格にかかわらず見られるトラブルであることも多く使われる理由なのではないでしょうか。犬がかゆそうにしている姿や、脱毛、皮膚が赤みがかっているのを見て「どうにかしてあげたい」という気持ちになりますよね。

皮膚被毛に役立つ成分には、オメガ3脂肪酸のEPAやγリノレン酸、亜鉛、ＬＰＳ（リポポリサッカライド）、ビオチン、リボフラビン（ビタミンB2）、コラーゲンなどがあります。

第3位全身の健康維持のサプリメント　29％

第3位だったのは、全身の健康維持に役立つ成分を含むサプリメントでした。
全身の健康維持、と表記していますが元の資料では「multivitamins(マルチビタミン)」と表記されていて、手作り食などでは不足しやすいビタミン類やミネラル類を補給する目的で使用されるサプリメントも含まれているようです。
手作り食などを与えていると気になるのが栄養の偏り。また、犬の偏食が酷いときにも、栄養を補うために使用する方がいるのかもしれませんね。アメリカではサプリメントがとても身近なので、不足しやすい栄養素を手軽に補うことができる犬のサプリメントを栄養の底上げ的に使っているといった印象です。

第4位免疫系サプリメント　27％

第5位ストレス、神経系サプリメント　23％

ストレス対策として役立つ成分が含まれるサプリメントが第5位でした。
留守番が長い犬や新しい家族が増えた時、引っ越しなど犬がストレスを感じやすい状況で取り入れる方が多いサプリメントです。
世界的に感染予防のために家の中で過ごす時間が長くなり、その生活スタイルに慣れてしまったというのが関係している可能性もあります。普段通りの暮らしに戻る人も増え、またお留守番の時間が増えた場合、落ち着きを失いストレスを感じているのかもしれません。

ストレスや神経系に役立つ成分には、リラックス系ハーブやGABAなどの機能性成分があります。

おわりに：犬のサプリメントのこれからのトレンド

2020年の犬用サプリメントの人気ランキングをご紹介しましたが、実はこのランキングに含まれていないもので注目されている成分もあります。

その一つがCBDと呼ばれるヘンプの抽出物を活用したサプリメントです。CBDはカンナビジオールと呼ばれる成分で、神経系の健康維持や強い不安を感じる時に役立つ成分として人間用のサプリメントなどでも注目を集めています。
現在も成分の研究が進められている最中ですので、これからより広く活用される場面が増えてくるかもしれません。

また、シニア犬に適したサプリメントにも注目が集まっていて、体重管理に役立つ成分を含むものの人気がより一層高まると予測されています。
体重管理に役立つ成分には、脂質の健康的な代謝に必須のL-カルニチンや、エネルギーを最も多く消費する筋肉を維持するために役立つBCAAアミノ酸などがあります。

今回ご紹介したお悩みのほかにも、様々な種類のサプリメントがあります。犬それぞれの健康状態を踏まえて選んでみてくださいね。