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2022.04.13
犬がメロンを食べても大丈夫。成分&適切な量をチェックしよう。【ペット栄養管理士】
私たちが普段食べている食事に対して、犬が興味を持って食べたそうにじっと見てくることって多いですよね。物欲しそうにしている表情を見ていると、「少しだけなら…」と食べさせたくなってしまうのが飼い主心というもの。でも、人間用の食べ物の中には犬の体調に影響を及ぼす成分を含むものもありますから、与える前には注意が必要なケースもあります。
そこで、ペット栄養管理士が「これって犬に食べさせても大丈夫なの?」という視点で私たちの身近にある食べ物を成分などからチェックしていきます。
今回取り上げるのは、甘くておいしいフルーツ、メロンです。
犬に与える前に。メロンに含まれるカロリーや成分をチェック
メロンに含まれる代表的な成分は以下の通りです。
エネルギー 40kcal/100g
水分 87.9g/100g
タンパク質 1.1g/100g
炭水化物 10.3g/100g
うち水溶性食物繊維 0.2g/100g
不溶性食物繊維 0.3g/100g
気になるミネラル類はドッグフードによく使用されるリンゴと比較してみました。
■ミネラル類
リン 21mg/100g (リンゴ:12mg/100g)
マグネシウム 13mg/100g (リンゴ:5mg/100g)
ナトリウム 7mg/100g (リンゴ:微量)
カリウム 340mg/100g (リンゴ:120mg/100g)
メロンは重量に対して水分が占める割合が非常に高く、実に90%近くが水分となっています。そのため、カロリーも比較的低めになっています。
また、強い甘みがメロンの特徴ですが、メロンに含まれる炭水化物の糖類でもっとも割合が多いのはしょ糖、次にブドウ糖と果糖となっています。これらは自然界に存在する糖類で、速やかにエネルギー源として使用されます。
犬にメロンを与えても大丈夫?
成分をチェックした限りで、犬に中毒を引き起こす成分は見当たりませんでした。犬にオヤツ代わりにメロンを与えることは問題無いと思われます。
水分量が多く含まれ、自然な甘さが感じられるメロンは夏バテしやすい時期に犬に水分補給を促したい時に役立つオヤツになります。
■犬の健康を意識して与えるなら
メロンには果肉が赤いものと緑っぽいものがありますが、実は健康を意識するなら果肉が赤いものの方がオススメです。というのも、メロンの赤い果肉の色はβカロテンの色です。βカロテンはニンジンなどの緑黄色野菜に含まれる成分で、強い抗酸化力を持つ抗酸化成分です。
メロンは調理も不要で生の状態で楽しむことができますので、βカロテンを美味しくそのまま摂取するのにぴったりの食材です。
犬の体内では紫外線によるダメージや、強いストレスなどによって体内で活性酸素が増えていきますが、そういった時にメロンを取り入れることが健康維持への取り組みの一つになるかもしれません。
犬にメロンアレルギーが出るって本当?
人間では比較的見られることが多いメロンアレルギーですが、犬ではどうなのでしょうか?
実際のところ、犬がメロンにアレルギー反応を示す可能性が優位に高いというデータはなく、アレルギー反応を示すリスクは他の食品と差がありません。
犬の食物アレルギーは、タンパク質を含むすべての食材で起こる可能性があります。
強いて言うなら犬にメロンばかりを長期間にわたって与えれば、犬がメロンにアレルギー反応を示す可能性は高くなりますが、それはどんな食材であっても同じです。
ただ、犬の体質によっては少ない量でもアレルギー反応を示してしまうこともありますので、食後の犬の体調を注意深く観察することが必要です。
また、犬の食物アレルギーは、人間のように呼吸が苦しくなったり、意識を失うなどの急性のものはあまり多くなく、軟便になったり皮膚が赤みがかるなどの形で見られることが多いです。
(呼吸困難、意識を失うなどの急性の反応がみられる場合は別の疾患の可能性も考えられますので速やかに動物病院で診察を受けてください)
ただ、交差反応といってよく似たタンパク質を持っている食品同士では、同じようにアレルギー反応が出ることがあります。メロンに関係するところでは、ブタクサにアレルギーがある時、メロンやスイカなどの食物でアレルギー反応が見られることがあるようなので、注意が必要です。
どれくらいの量のメロンなら与えても大丈夫なの?
オヤツ感覚で犬にメロンを与えるのであれば、主食に対して10~20%程度にしておくとよいと思います。メロンはほとんどが水分ですので、オヤツとして与える分にはすぐにカロリーオーバーにはなりにくいといえます。
でも、だからと言って与えすぎてしまっては意味がありませんので、一口大にカットして1~2切れを与えるくらいにしておくのが良いと思います。
おわりに
今回は犬にメロンを与えることができるのか、成分を中心にチェックしてみました。メロンには犬の健康に影響を与えるような成分は含まれませんので、安心して与えることができるフルーツのひとつになりますが、どんなものでも与えすぎてしまうと肥満の元になります。
飼い主さんと一緒に少し楽しむ程度であれば問題ありませんので、犬が物欲しそうにしている様子を見かけたら「少しだけだよ」と伝えてから与えてみてはいかがでしょうか。
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POCHIのペット栄養管理士 岡安
ペット栄養管理士です。犬ぞりやフリスビーなど、犬とできるアクティビティが好き。大型犬を見るとテンションが上がります。
*1 2002年5月より実施されている、「ペット栄養管理士」の認定試験に合格した、犬や猫の栄養学の専門家です。栄養・健康増進及びペットフードの品質向上等に関する会員相互の知識、技術の向上を目的に1998年6月に設立された一般社団法人日本ペット栄養学会によって認定されている資格です。 日本ペット栄養学会
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問題:メロンには赤い果肉と緑の果肉がありますが、色の違いはどんな成分の多さで決まる?
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答え:メロンの赤い果肉の色はβカロテンの色です。βカロテンがより多く含まれているメロンの果肉がオレンジ色になります。βカロテンはニンジンなどの緑黄色野菜に含まれる成分で、強い抗酸化力を持つ成分で、犬の健康維持にも役立つものとして知られています。
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