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2022.05.09
ドイツの街角から ~今年もケルンに春がやってきました~
*1 この記事を書いた人:pochinski スペインのマジョルカ島で保護され、家族になった犬と現在ドイツで暮らす旅行&ファッションライター。趣味は犬の絵を描くこと、犬の首輪や冬用のセーターを作ること、たまに犬の手作り食やケーキ作りも。犬と暮らす日常のひとコマを不定期にお届けします。
ケルンに春がやってきました。木々には若葉が芽吹き、スイセンや桜、チューリップやフリージアなどさまざまな花が咲き始め、風景がとてもカラフルです。毎朝目を覚ますと聞こえてくる小鳥たちのさえずりにも春らしさを感じます。
さて、ドイツで春の訪れを告げる大きなイベントといえば、イースターです。今年は4月に入って寒さがぶり返して雨や曇りの日が続いていましたが、18日のイースターサンデーに合わせるように気温が徐々に暖かくなり、イースターの休暇は連日、散歩日和となりました。
ちなみに、スイセンはドイツ語で「Oesterglocken(オースターグロッケン)」と言います。
直訳すると「イースターの鐘」。イースターの頃に咲く花という意味も込められた命名でしょう。イースターはクリスマスのように毎年同じ日に訪れるわけではなく、年によって日程が異なります。
今年の場合、日程がやや遅めだったためか、公園のスイセンのほとんどはイースターの前に枯れてしまっていました。ただ、スイセンばかりか、桜もフリージアも満開になる時期は以前よりも早くなっているような気がします。これも気候変動と関係があるのでしょうか。
花のほかにも春ならではの風景があります。水鳥たちの巣作りです。ポチンスキーとの散歩途中には白鳥やカモ、ガチョウなどのカップルたちが人工池や人工水路の脇に枯草や小枝などで巣をつくり、卵を温めている様子をよく見かけます。
とはいえ、巣作りに至るまでの道のりは容易ではありません。春先にはパートナーを射止めたり、縄張りを守ったりするために同種や別種の鳥たちが壮絶な争いを繰り広げており、その迫力に圧倒されてしまいます。
そうした親鳥たちの努力が実り、卵からかえった赤ちゃん鳥たちの姿も春にしか見られないものです。運が良ければ、まだ生まれてから1日、2日しか経っていない小さな鳥たちを見ることもできます。柔らかそうなふわふわとした羽をまとった赤ちゃん鳥が岸辺をよちよち歩いたり、水上をスイスイと泳いだりしていて、見ているだけで自然と笑顔になってしまいます。
パートナー探しから子育てまで、水鳥たちの姿からは野生動物が生き残るための厳しさやたくましさを強く感じます。そして、赤ちゃん鳥たちには無事に成長して夏を迎えてほしいと願うばかりです。