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2022.10.05
ドッグフードやサプリメントで見かけるハーブ、バレリアンってどんなもの?
犬の健康を意識する上でも重要なことのひとつが「ストレス」です。もちろん、一頭一頭感じるストレスや程度に違いはありますが、犬も人間同様にさまざまなことにストレスを感じながら過ごしていると考えられています。そしてそのストレスが原因となって、無駄吠えをするようになるほか、過剰に攻撃的になる、トイレを失敗するようになる、体調を崩してしまうなど様々な形で影響を及ぼすようになることもあります。
犬の体調管理において、ストレスのケアは健康寿命にとっても結構大事ですが、その原因を探すのは大変です。そこで、一つの方法となるのが犬の気持ちを落ち着かせてくれるハーブを取り入れてみること。自然由来の成分の助けを借りて、犬も家族も快適に過ごせるサポートを始めてみてはいかがでしょうか。
今回は、ストレスの影響が心配な犬に使えるハーブ、バレリアンについてご紹介いたします。
バレリアンという植物について
バレリアンはヨーロッパおよびアジア原産の植物です。日本人にとっては、野山に広く自生するオミナエシの仲間という方がイメージしやすいかもしれません。
バレリアンは、古代から心を落ち着かせるハーブとして用いられてきた歴史があり、古代ギリシャの医学者ヒポクラテスの頃から使用されてきたことが分かっています。現在では人間、動物問わず根や茎などが使用されていて、チンキ剤、浸剤、あるいはそのまま粉末にして、また、乾燥エキスのカプセル剤や錠剤の形で用いられています。
人間ではその働きが臨床試験で効果が検証されていて、バレリアンがブレンドされたハーブミックスの中には、アメリカやドイツなどでは薬として処方されるものもあります。
犬の健康維持に役立てる際には、緊張しやすい性格の犬やストレスの影響を受けやすい犬、環境の変化への備えとしてハーブミックスなどを与えることがあります。
無駄吠えしやすい傾向にある犬や不安から不眠気味になる犬にも使用されることがあり、多くの飼い主さんから支持を集めてきました。
どんな犬にバレリアンを与える?
- 落ち着きがなく、神経質
- 来客やチャイムに過剰に反応し、無駄吠えが多い
- ちょっとした刺激にも興奮しやすく、コントロールが難しくなる
- 体質的にストレスに弱く、環境の変化などで体調を崩しやすい
バレリアンを含む犬の健康維持に役立つアイテム
ヒルトンハーブ トランキリティ
●給与目安量(1日量)
体重5kgにつき 添付スプーン1/2杯
10kg 1杯
20kg 2杯
30kg 3杯
40kg 4杯
※添付スプーン1杯は0.9gです。
※1日量を食事の回数で分けて、毎回の食事に混ぜて与えてください。
バレリアンの根をメインに使用したハーバルミックスで、神経バランスの維持をサポートするのに最適な調合を目指して作られています。
また、カモミールやスカルキャップといったハーブたちも犬の不安定な心を落ち着かせるのに役立つといわれていて、不安になりやすい犬にピッタリのサプリメント。
適量を普段の食事に振りかけて使用することができます。
引っ越しや来客、新しく家族を迎えるなど、犬にとってストレスがかかりそうなタイミングが分かっている時は、継続的に与えることが推奨されています。
ヒルトンハーブ トランキリティゴールド
●給与目安量(1日2回/1回量)
体重5kg 1~2ml
体重10kg 2~4ml
体重20kg 4~8ml
体重30kg 6~12ml
体重40kg 8~16ml
ヒルトンハーブのトランキリティはハーバルミックスでしたが、こちらはハーブティンクチャ―を使用した液体タイプ。
粉末タイプを上手く与えられない時などに役立ちます。犬の舌の上に直接落とすほか、飲み水やウェットフードに少しずつ垂らして与えることもできます。
イギリスで学位としても認められているハーブ療法。そんなハーブの専門知識と資格を持つ人は、メディカルハーバリストと呼ばれ、イギリス国内でハーブを用いた診察などを行うことが認められています。そして、ヨーロッパでハーブは人々だけではなく動物のケアでも広く使われています。
全てのアイテムはヒルトンハーブ社の創業者の一人として取締役を務める、英国メディカルハーバリスト協会会員、ヒラリー・セルフ理学士の処方によるもの。なんと仕入れ先までが患者の治療に使用しているものと全く同じとなっています。犬だけではなく馬や猫などさまざまな動物の健康維持に関する豊富な知識を持つ博士の作った数々のアイテムは、世界中で愛用されています。
ドクターハーヴィーズ リラックス&ストレス(神経系の健康維持)
●1日の給与目安量
体重 0.9kg~9kg 添付スプーン 1杯
9kg~22.5kg 添付スプーン 2杯
22.5kg~42.7kg 添付スプーン 3杯
42.7kg~67.5kg 添付スプーン 4杯
※添付スプーン1杯は2.6g
このハーブミックスに使用されているバレリアンのほかにも、注目したいのはレシチン。
レシチンは、リン脂質と呼ばれるすべての生き物の細胞膜を形成する脂質の一種です。
レシチンは体内で神経伝達物質のアセチルコリンをつくる際に必要となる成分です。アセチルコリンは認知機能などの健康維持や、自律神経系の健康維持のためにも必須となります。
バレリアンを使用する時の注意点
これまでさまざまな人や犬のサプリメントなどに使用されてきたバレリアン。安全であることは実証されていますが、妊娠中や授乳中の犬、パピーに与えることは推奨されていません。
また、過剰に与えてしまった時には、長時間寝てしまうことが可能性としてはあるようです。
ハーブのニオイが気になり犬が嫌がることも考えられます。少しずつ与えたり、液体タイプであれば水などで薄めて与えるなどの工夫が必要になるかもしれません。
おわりに
今回は、不安定になりがちな犬の心の落ち着きを取り戻すのに役立つハーブ、バレリアンについてご紹介しました。犬の心は、様々な刺激によって不安定になる可能性があります。
引っ越しや長距離移動、新しい家族が増える時、朝晩の寒暖差など、犬を取り巻く環境が変化する時には、神経質になってしまう子も少なくありません。
そういった時に備えて、バレリアンを含むアイテムを取り入れてみるのは一つの対策になるかもしれませんね。
上手く使えば日頃の体調管理に役立つハーブ。特徴と取り入れたいタイミングを知って、ぜひ活用してみてください。