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2022.11.30
ワイナリーのアイドル!NZで活躍するワインドッグたちのお仕事 ~南半球のDog's letter~
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この記事を書いた人:グルービー美子
ニュージーランド・オークランド在住のトラベルライター。JAL機内誌やガイドブック「地球の歩き方」などに寄稿。子供の頃から柴犬と暮らし、現在はサビ猫のお世話係。趣味はサーフィン。
ワイン新興国で愛されるワインドッグ
ニュージーランドは国際的に高い評価を得ているワイン新興国。歴史は浅いものの、この数十年で飛躍的に成長を遂げ、国内各地でワインづくりが盛んに行われています。
セラードア(試飲販売所)やレストラン、宿泊施設を併設しているワイナリーも多く、観光スポットとしても人気があります。
ニュージーランドのワイナリーではよく犬の姿を見かけます。
ワイナリーのオーナーやスタッフが自身の飼っている犬を職場に連れてくるためです。
ワイナリーの看板犬として活躍する犬たちは「ワイン犬(ワインドッグ)」と呼ばれて親しまれ、写真集も出版されているほど。そこで今回はそうしたワインドッグを訪ねて、この国最大の都市オークランド郊外にあるワイヘキ島へ足を延ばしてきました。
グルメで活発なワイン犬、ブリックス
ワイヘキ島まではオークランドからフェリーで約40分。
豊かな自然に恵まれた島内に20以上のワイナリーが点在しています。
最初に訪ねたのはタンタラス・エステート。2016年にオープンした新しいワイナリーで、最高級のボルドースタイルを目指し、数々のワイン賞を獲得している実力派です。
併設のレストランではミシュラン星付きの名店でキャリアを積んだスターシェフが腕を振るい、ワインに合う美食が楽しめます。
ここのワインドッグは、8歳になるハンタウェイ、ブリックス。牧羊犬種らしい活発な女の子で、ブドウ畑やビーチを駆け回り、ボールやスティックで遊ぶのが大好き。人懐こい性格で、ワイナリーを訪れたゲストに大きな尻尾をぶんぶん降って挨拶に行くことも。
ときにはレストランで余った食材をおやつにもらってご満悦。ファインダイニングで使われる高級食材を食べているなんて、グルメなワインドッグといえそうです。
ブリックスはオーナーであるキャンベルさんとキャリーさんの家族ですが、ほかに、スタッフのクリスさんが自宅で飼っている2匹のパグ、ルビーとラジャンを連れてくることもあります。
ブリックスとは体の大きさがかなり違うものの、とても仲良し。凸凹トリオがわちゃわちゃしている様子になごみます。
ブリックスが活躍する「タンタラス・エステート」機会があればぜひ訪問してみてください。
ブドウ畑を守るスキッパーとアーテミス
タンタラス・エステートの隣に位置するワイナリー、テ・モツ・ヴィンヤードは、1988年に設立された、ワイヘキ島のワインづくりのパイオニア的存在です。
ジュラ紀の土壌が含まれる豊かな土地で、カベルネ・ソーヴィニョンとメルローを主体とした赤ワインに定評があります。
ワイナリーに到着すると、9歳のスキッパーが元気いっぱいに迎えてくれました。アメリカン・スタットフォードシャー・テリアとラブラドール・レトリバーのミックスで、引き締まった体を持つ男の子です。
ここにはほかのスタッフの飼い犬である2歳の女の子、アーテミスもおり、2頭は大型犬同士、よい遊び仲間です。
アーテミスはブルー・ヒーラー(オーストラリアン・キャトルドッグ)とハンタウェイのミックス。テ・モツもセラードアとレストランが併設されており、フレンドリーな2頭はゲストのおもてなしにも忙しそう。
スキッパーの飼い主であるブライアンさんによると、2頭はワイナリーの看板犬としてだけではなく、ブドウの木を食べようとするウサギやポッサムといった害獣を追い払う役割も担っているとのこと。「2頭ともワイナリーのチームの立派な一員なんだ」と微笑みます。
ワインづくりは自然と向き合うタフな業務。忙しい収穫期に疲れたスタッフを癒し、笑顔にするのもスキッパーとアーテミスの大事な仕事です。
ワイヘキ島はもちろん、ニュージーランドのほかのエリアでも、たくさんのワインドッグたちが活躍しています。機会があれば、ぜひ訪ねてみてくださいね。
スキッパーとアーテミスが暮らす「テ・モツ・ヴィンヤード」機会があればぜひ訪問してみてください。