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2022.11.14

犬と走って健康に！NZのアクティブな犬イベント「4 Paws Marathon」とは？～南半球のDog's letter～

DOG's TALK

この記事を書いた人：グルービー美子

ニュージーランド・オークランド在住のトラベルライター。JAL機内誌やガイドブック「地球の歩き方」などに寄稿。子供の頃から柴犬と暮らし、現在はサビ猫のお世話係。趣味はサーフィン。

犬は最高のトレーニングパートナー

犬も含めた家族みんなで参加する人たちも多い、「4 Paws Marathon」。

夏のプールパーティーやドッグスポーツ競技会、犬のためのコンサートなど、さまざまな犬イベントが行われるニュージーランド。
なかでもユニークなのが、南島第一の都市クライストチャーチで2019年から毎年1回開催されているマラソン大会「4 Paws Marathon」です。

2.4kmなら人間年齢5歳から参加可能。（犬は生後9か月以上から)小さな女の子も大好きな犬と一緒に頑張って走ります。

主に森の中を走るトレイルランで、カテゴリは、2.4km、5km、10km、16km、ハーフマラソン（21.2km）、フルマラソン（42.2km）の6つ。
「運動は健康づくりの一番の薬」をテーマとする同大会を主催するのは、スポーツ＆エクササイズドクターのジョン・モリーさん。
彼自身、スパニッシュ・ウォータードッグ、スタンダード・プードル、ロマーニョ・ウォータードッグの3頭を飼育しており、いつも犬たちと一緒にランニングやエクササイズを楽しんでいることから、犬と人間がともに参加できるマラソン大会を目指したといいます。

「雨の日も雪の日も文句を言わず、毎日同じ時間に喜んでランニングに付き合ってくれる、そんな最高のトレーニングパートナーは犬以外に存在しません。犬がいればごく当たり前に散歩に行くし、犬は人間を活動的にしてくれるんですよ。僕はこのイベントをきっかけに、人々がもっとアクティブに動いてくれるよう願っています」
そう語るジョンさん。

レース途中は犬たちの生き生きとした表情が見られます。大好きな飼い主と思い切り走れる喜びを全身で感じているようです。

当初は「犬にマラソンを走らせるなんて危険じゃないか」との声も上がったそうですが、牧羊犬種のボーダーコリーやハンガリアン・ビズラといったポインター種ならフルマラソンを走りきる体力は十分にあると話します。
「もちろん、トレーニングは必須です。人間も犬もいきなりフルマラソンを走れるわけではありませんからね。公式ホームページにトレーニングプランを掲載し、特にハーフやフルの参加者には16週間のメニューをおすすめしています。また、16km以上のカテゴリではレース当日、コース上に獣医のチェックポイントを設け、そこで犬の様子を確認するのがルールです」

飼い主と犬が一緒に運動するのが大会の目的

スタートした瞬間は、犬たちのエネルギーが弾けます。

第4回目となる2022年度の「4 Paws Marathon」は、約350人の人間と約300頭の犬が参加し、大盛況となりました。
リピーターの中には、初年度は5km、翌年は10km、その次は16kmと着実に参加カテゴリの距離をのばしている人も少なくないそう。
ジョンさんが掲げた「人々をもっとアクティブにしたい」という目標に少しずつ近づいているようです。

人と犬が集まるスタートラインは、皆がやや興奮気味で、エネルギーが充満したムード。しかしゴール地点のフィニッシュラインでは人も犬もリラックスしているのが印象的でした。
スタート地点ではリードが必須ですが、そこから1km離れればゴールの100ｍ手前までオフリードが可能。犬ものびのび走れて嬉しそうです。

この大会は走るスピードを競うのではなく、人と犬が一緒に運動するのが目的。
レース結果は発表されますが、賞金や賞品はありません。その代わり、ゴールした人と犬には特製メダルが贈呈され、犬には犬用アイスクリームが振舞われるサービスも。
ドッグセラピストのテントもあり、そこで飼い主と犬が並んで一緒にマッサージを受ける光景にもほのぼのします。参加した誰もが勝者ともいえるような人と犬のスポーツイベント。
来年は10月1日に開催されます。