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2023.04.10

ドイツの街角から ~15歳のポチンスキー、健康診断に行く~

ドイツの街角から ~15歳のポチンスキー、健康診断に行く~

この記事を書いた人

*1 pochinski: スペインのマジョルカ島で保護され、家族になった犬と現在ドイツで暮らす旅行&ファッションライター。趣味は犬の絵を描くこと、犬の首輪や冬用のセーターを作ること、たまに犬の手作り食やケーキ作りも。犬と暮らす日常のひとコマを不定期にお届けします。

わが家がケルンに越してきた10数年前、ポチンスキーはご近所さんの犬たちの中ではほぼ最も若い幼犬でした。
年が経つとともに、先輩の犬たちを見かけなくなり、新しい犬たちがやってきて、そして今やポチンスキーは最年長のシニア犬の域に。
今年10月には16歳になります。

3月には、雪が舞った寒い日もありましたが、ポチンスキーは元気です。

3月には、雪が舞った寒い日もありましたが、ポチンスキーは元気です。

さて先日、年に1度の予防接種を受けるため、かかりつけの獣医科クリニックを訪れました。
接種前の簡単な健康チェックでは、「この年齢にしては非常に良好」とお墨付きを頂き一安心。
特別な検査などを勧められることもなく、クリニックを後にしました。

ドイツでは人間と同様、犬に対しても病気の予防や早期発見のため、定期的な健診や血液検査を勧める獣医科クリニックは少なくありません。
もちろん、獣医師によって対応もさまざまです。私たちが以前通っていたクリニックには最新の医療機器などは一切なく、検査を勧められたことは一度もありませんでした。
獣医とアシスタントが1人いるだけの小さなところでしたが、獣医さんは信頼できるベテラン先生で、私たちも不安なくポチンスキーを診てもらっていました。

獣医科クリニックの待合室。ポチンスキーは診察室がある方向を見て不安気です。

獣医科クリニックの待合室。ポチンスキーは診察室がある方向を見て不安気です。

ペットショップで。海藻粉末や牛脂パウダーなど、動物のためのさまざまな健康補助製品が並んでいます。

ペットショップで。海藻粉末や牛脂パウダーなど、動物のためのさまざまな健康補助製品が並んでいます。

ベテラン先生が閉業した後から通い始めた現在のクリニックは対照的なところです。
獣医をはじめとするスタッフが多くそろい、さまざまな医療機器も備えた、近代的なクリニックです。
ちょっとした異常が見つかれば、検査や手術に関する提案などもあります。

このクリニックでは、ポチンスキーは腫瘍の除去手術、心臓の超音波検査でお世話に。
ベテラン先生のクリニックでも心臓の雑音についての指摘はあったものの検査の勧めはく、何もしてこなかったことから念のため検査を受けました。
そして、検査結果は「異常なし」。
ベテラン先生の見立ても、そういうことだったのかもしれません。

犬の健康に関する記事やシニア犬保護の広告などが載っている冊子やパンフレット。

犬の健康に関する記事やシニア犬保護の広告などが載っている冊子やパンフレット。

腫瘍といえば、年を取るほどできやすくなると言われていますが、近年は放射線治療も発展し、手術との組み合わせなどで、かつては救えなかった犬たちの命を救っているそう。
加えて、治療費などを惜しみなく支払う飼い主さんが増えていることも一因でしょう。

年が年だけに、ポチンスキーのゆく先について巡らす思いもあれこれ。
動物医療の発達には感謝しつつも、いつまでも元気に健やかでいてほしい、というのが私たちにとっての一番の願いです。