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2023.03.06
ドイツの街角から ~ケルンの街の意外な一面とポチンスキーの災難~
この記事を書いた人
*1 pochinski: スペインのマジョルカ島で保護され、家族になった犬と現在ドイツで暮らす旅行&ファッションライター。趣味は犬の絵を描くこと、犬の首輪や冬用のセーターを作ること、たまに犬の手作り食やケーキ作りも。犬と暮らす日常のひとコマを不定期にお届けします。
「カーニバル」と聞くと、皆さんはリオやベネチアを思い起こすかもしれません。ドイツにもカーニバルがあることをご存知でしょうか。
しかも、私たちが暮らすケルンは、ドイツで最も盛大にカーニバルを祝う街の1つです。
ケルンのカーニバルはすでに2000年前、原型となるものがあったのだとか。その後、ベネチアのカーニバルを真似た時期、街を征服したフランスやプロイセンがカーニバルを制限、禁止した時期を乗り越え、1823年に祝祭管理委員会が設立されて現在のスタイルになったそう。
今年はケルンのカーニバル200年という記念すべき年なのです。
カーニバルシーズンは毎年決まって11月11日11時11分に開幕。
この日を待ちに待った多くの人々が仮装をし、飲んで歌って踊って楽しみます。
そう、仮装はカーニバルには欠かせないポイントです。
ウサギや牛などの着ぐるみ、ピエロや日本発の大人気ビデオゲームの主人公、カウガールや海賊など、とにかくユニークな格好をした人たちが街にあふれます。
その後、やや中だるみの時期を経て、カーニバルが再び盛り上がるのは最終週です。
最終週は各年の復活祭の日付によって異なりますが、通常2、3月中に訪れます。
最終週の初日(今年は2月16日)の「Weiberfastnacht(汚れた木曜日)」は女性のお祭り日で、女性が上司や同僚など男性のネクタイをハサミで切るという“お決まり” のイベントでスタート。
あちこちでショーやパーティーが開かれ、仮装した人々が飲んで歌って踊ってカーニバルを祝います。
そして、最大のイベント日である「Rosenmontag(バラの日曜日)」のパレード行進で最高潮を迎え、「Aschermittwoch(灰の水曜日)」で幕を閉じます。
最終週になると、ポチンスキーは夕方の散歩をあまり楽しめません。
お酒の勢いで声も大きくなりがちで、しかも奇妙な仮装をして通りを行く人たちがポチンスキーは苦手で、家の前を行ったり来たりするのが精いっぱい。
ちょっと運動不足になります。
さて、カーニバルのどんちゃん騒ぎの後に待っているのは、復活祭まで40日間の「Fastenzeit(断食期)」です。
カーニバルの語源はラテン語の「肉食を控える」という意味もあるそうで、実際にどのくらいの人たちが実践しているのかは知りませんが、現在ではお肉やお酒、スイーツなど、好きなものを断つ期間となっています。
ちなみに、わが家ではお酒を控えることに。
デトックスのよい機会ではあるものの、今から復活祭が待ち遠しいです。