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2023.09.21

飼い主と一緒に夏を満喫!ノルウェーで出合った犬たち~番外編・南半球のDog's letter~

飼い主と一緒に夏を満喫!ノルウェーで出合った犬たち~番外編・南半球のDog's letter~

世界の様々な地域に順応して暮らしている犬たち。
ところ変われば犬とのライフスタイルも変わります。日本とはちょっと違う?共通してる?目新しいドッグライフ情報を、今回、次回は特別編として北欧の国々からお届けします!

今回筆者が訪れたのは、北ヨーロッパのスカンディナヴィア半島西岸に位置する国、ノルウェー。入り組んだ海岸線(フィヨルド)が作り出す豊かな海産資源や美しい自然は、日本人からも人気です。

北欧地域の美しい自然だけではなく、工業も発達したノルウェーでは、どんな犬たちがどんなライフスタイルで暮らしているのかは、あまり知られていません。
そこで今回は、謎多き北欧の犬たちの日常をお届け!
日本ではちょっと珍しい犬種や、ノルウェーの美しい街で暮らす犬たちの素顔をぜひご覧ください。

DOG's TALK

この記事を書いた人:グルービー美子

この記事を書いた人:グルービー美子

ニュージーランド・オークランド在住のトラベルライター。JAL機内誌やガイドブック「地球の歩き方」などに寄稿。子供の頃から柴犬と暮らし、現在はサビ猫のお世話係。趣味はサーフィン。

犬も飼い主もアウトドア志向

日本ではほとんど見かけない、バセアルテジャンノルマンという犬種は、バセットハウンドの祖先にあたるのだとか。顔立ちや体形がよく似ていますが、こちらの方がやや小柄でスリムな印象です

日本ではほとんど見かけない、バセアルテジャンノルマンという犬種は、バセットハウンドの祖先にあたるのだとか。顔立ちや体形がよく似ていますが、こちらの方がやや小柄でスリムな印象です

夏の北欧を訪れました。
まず降り立ったのは、ノルウェーの首都オスロ。
フィヨルドの奥深くに位置し、中世を思わせる古い街並みとモダンな建築物がほどよく調和した美しい街です。

8月のオスロは夜9時くらいまで明るく、人々は屋外で短い夏を存分に満喫している様子。
多くの人でにぎわうウォーターフロントを散策していると、バセアルテジャンノルマンのディノに出合いました。
これから飼い主さんと一緒にフェリーに乗ってお出かけするところだとか。

ディノと出合ったオスロのウォーターフロント

ディノと出合ったオスロのウォーターフロント

「ディノは森を歩くのが大好きなの。10歳のシニアになったけど、すごく元気よ」と微笑む飼い主さん。山も海も湖も豊かなノルウェーは、ニュージーランドと同様、アウトドアが盛んな国。犬を連れてハイキングやキャンプを楽しむ人も多いのだそうです。

ちなみに、バセアルテジャンノルマンはノルウェーでは結構珍しい犬種とのこと。
大型犬が多いのではというイメージを持っていましたが、最近はコッカーやプードルのミックス犬が多くなってきたと飼い主さんが話してくれました。

 

北欧と言えど、温暖化の影響はあるよう。寒冷地出身の犬たちは冬が待ち遠しそうです

北欧と言えど、温暖化の影響はあるよう。寒冷地出身の犬たちは冬が待ち遠しそうです

続いて出合ったのは、シベリアンハスキーのフロッキー。
散歩の途中、飼い主さんと海を眺めながら休憩中。
精悍な顔立ちですが、実はここのところ暑くて少しバテ気味なのだとか。

「冬のほうがパワフルなんだよ。シベリア原産の犬だから寒いほうがいいんだろうね。雪が積もった森の中を駆け回るのが好きみたい」と飼い主さん。
北欧の夏は通常、避暑地のように爽やかですが、近年は温暖化の影響で、気温が30℃近くまで上がることもしばしば。
フロッキーは「早く涼しくならないかな」という顔をしていました。

犬連れで公共交通機関を利用できる

公共交通機関でも大人しく、マナーよく過ごしている犬が多かったです

公共交通機関でも大人しく、マナーよく過ごしている犬が多かったです

ニュージーランドは車社会のため、普段の移動はほとんどマイカーです。
しかし、オスロはトラム、バス、地下鉄、フェリーなど公共交通機関が発達しており、車がなくても困りません。
そしてこれらの交通機関に犬を連れて乗れることも利点でしょう。
混雑時でもおとなしく乗車している犬の姿を見ると、「慣れているんだな」と感心します。

日本でもおなじみのダックスフントのマケナ。飼い主さんと一緒にゆっくりカフェタイムを楽しんでいました

日本でもおなじみのダックスフントのマケナ。飼い主さんと一緒にゆっくりカフェタイムを楽しんでいました

また、犬連れで泊まれるホテル、犬と一緒に入れるカフェやレストランも珍しくありません。
あるカフェで出合ったダックスフントのマケナは飼い主さんの膝の上で静かにくつろいでいて、よく見ないと犬がいるとはわからないほどでした。
「マケナはハワイ語からつけた名前なの。来月で13歳になるけどいつまで経ってもパピーみたい」と笑う飼い主さん。
電車でもカフェでも、犬が人間の日常の一部として自然に溶け込んでいる感じがしました。

雨でも元気に散歩するベルゲンの犬たち

まるで絵本の中のようなベルゲン・ブリッゲン地区の可愛らしい街並み

まるで絵本の中のようなベルゲン・ブリッゲン地区の可愛らしい街並み

オスロを離れて次に訪れたのは、ノルウェー第2の都市ベルゲン。
オスロよりも古い街並みが残されており、木造家屋が集まるブリッゲン地区は世界遺産に登録されています。
映画『アナと雪の女王』に登場する街のモデルとしても知られ、夏の観光シーズンには世界中から旅行者がやってきます。
その一方、「年間300日は雨が降る」といわれるほど降水量が多く、筆者が訪れたときも丸1日は雨模様でした。

雨でもルンルンで散歩を楽しんでいたゴールデンレトリバー

雨でもルンルンで散歩を楽しんでいたゴールデンレトリバー

雨が降ると散歩を嫌がる犬もいると思いますが、ベルゲンでは雨天でも犬たちは元気に散歩していました。
「雨だから散歩はお休み」なんていえない環境なのかもしれませんが、ウキウキと楽しそうな犬の顔を見ると、「今日は雨か……」と憂鬱になっていた気分も晴れてきます。
そうするうちに雨が上がり、犬たちはさらにうれしそうな表情。
ノルウェーの犬たちからパワーをもらって、この先も取材も頑張れました。

北欧らしい風景を歩く立派なグレートデン。絵になります

北欧らしい風景を歩く立派なグレートデン。絵になります