- 特集
2024.09.09
【#真のプロフェッショナルに迫る】出張トリミングなら高齢・病気・怖がり犬もストレス軽減!
あまり目立たないけれど、実は犬との生活を陰で支えている繊細なプロの仕事の存在を、意識したことはありますか?
"真のプロフェッショナル"とたたえたい、犬との暮らしを快適にしてくれる匠と、その技の誕生秘話などを紹介します。(POCHI編集チーム)
今回のお役立ち情報出張トリミング
怖がりな子や病気や老犬でも、外出や待ち時間の負担、環境変化に対するストレスなどが最小限にすむと評判の、自宅訪問型の出張トリミング。編集部スタッフが実際に依頼して、そのメリットを実感しました。
自宅訪問トリミングのメリットとは?
「うちの子の負担が減ってラクそう。もっと早く切り替えてあげればよかった~」
「自宅への出張トリミングは、送迎不要で飼い主の時短にもなって便利!」
「シニア犬になってきたから、そろそろ在宅ケアがいいかと思って……」
自宅訪問型の出張トリミングサービスを10年間行っている、Animal Life Careひょっとこの出張グルーマー・人見宏美さんは、このような飼い主さんの声をよく聞くそうです。
「最近増えてきているのは、元保護犬さんですね。
とくに元野犬などの保護犬は、飼い主さん以外の人に触られるのが苦手だったり、環境の変化が大きなストレスになってしまう子が少なくありません。安心安全な場所だと感じやすい自宅ならば、トリミングやグルーミングを受け入れやすくなるようです」(人見さん)
筆者も元野犬を1年ほど前に家族に迎えました。推定6歳のうちの子は人懐っこい性格ですが、車に乗るとハァハァと息が荒くなり、ストレスを感じている様子。
さらに、クレートに入ることが苦手で、金網の扉をガリガリと前足で引っ掻くので足先から出血したことも……。
「そんな子にも、ぜひ、ストレスを軽減できる出張トリミングを活用していただきたいですね。待機時間にケージに入ったり、車で移動したりする必要もありません。
ほかの犬が苦手な子や、トリミングサロンから帰宅するとストレス性の下痢や嘔吐をしてしまう子も、ご自宅だと緊張せずにすみます」(人見さん)
カスタムメイドで高齢犬なども安心
人見さんは、トリミングサロンで断られた高齢犬や、咬み癖がある犬のトリミングを受けることもあります。
「初回は、できる範囲のみ行います。決して、その子が嫌がることはしません。時間をかけてでも、試行錯誤しながら受け入れてもらえるように努めています。
最近も、出張を重ねるたびにどんどん穏やかになっていき、まったくガウガウ威嚇しなくなった子がいました。『トリミングサロンで扱うのは困難だと言われたのに、うれしいです』と、飼い主さんは喜ばれていました。
高齢犬の場合、途中で休憩を挟んだり、横になったままグルーミングやトリミングしたりと、まさに、ご家庭と犬に合わせた“オーダーメイドトリミング”を大切にしています」と、人見さんは微笑みます。
グルーミングとは、爪切り、耳そうじ、シャンプー、ブラッシングなどの犬の健康と衛生管理を行うためのお手入れ。
トリミングとは、被毛のカットにより犬が衛生的で生活しやすくするためのもの。
ひょっとこの出張トリミングでは、トリミング不要犬種では、グルーミングのみを行うシャンプーコースも受け付けています。
出張トリマーさんが来た!
筆者が我が家のリリの出張トリミングを依頼した日、人見さんはたくさんのトリミンググッズを入れたキャンピング用カートを引きながら笑顔で登場。リリも、明るく柔和な笑顔を見て安心している様子です。
おやつを人見さんにあげてもらい、さらに信頼感を高めてもらったところで、まずは人見さんが持参したトリミングテーブルの上で、足裏のムダ毛カットと爪切りからスタート。(※それぞれの犬により、飼い主さんとの相談のうえ進行順は異なります)
その後、シャンプーをしに浴室へ。
リリはもともと、水遊びやシャンプーがそれほど好きではありません。けれども、人見さんのやさしい声かけや、目などにシャンプー剤や水が入らないように、スポンジを使って泡立てた泡でていねいに洗ってくれることで、筆者が洗うときより安心している様子も見せていました。
カットはカーペットの上でリラックスしながら
シャンプーとすすぎが終わったら、事前に唯一用意したバスタオルで、タオルドライ。
それから、ふたたびリビングへ向かいます。
「あのね~、リリくん。ブロアーっていう風が出る機械を使うけど、大丈夫だよ~」と、人見さん。
ブロアーのあとは、ドライヤーでブローをしながら被毛を乾かしていきます。
「シャンプーすっきりしたよね。乾くとさらにさっぱりだよ~」などと、おしゃべりしながら、楽しい雰囲気のなか時間が過ぎていきます。
それから、少しリリがトリミングテーブルの上にいるのに飽きてきたようだったので、
「リリくん、じゃぁ降りてトリミングしよっか」と、カーペットの上に移動。
人見さんからどの程度短くカットしたいかや、ヒゲカットもするかを聞かれ、相談しながらヘアスタイルを決めました。
途中「あ、もう少しアゴの下は短くてOKです」などと確認しつつ、納得の仕上がりに。これも出張トリミングならではの良さだと、実感しました。
自宅なので、必要に応じて飼い主がうちの子のサポートができるのも、犬たちにとって安心材料になるでしょう。
飼い主さんとの対話を大切に
愛玩動物看護師の国家資格も持っている人見さんは、19歳で旅立ったミニチュア・ダックスフンドの小太郎くんの老犬介護などにも力を注ぎました。
「自分の経験も活かしながら、困っている飼い主さんの助けになりたいと思い、出張トリミングを続けています。
介護のこと、日々のケアのことなど、ご家族とトリミング以外の話をする時間も大切にしていきたいですね」とのこと。
筆者も人見さんに、自宅でのリリの簡単なお手入れ方法を教えてもらいました。
トリミング後のリリは、写真を撮ってもらってひとしきり人見さんに甘えたあと、カーペットの上でウトウト……。
最後まで、自宅出張トリミングのうちの子への精神的な負担の少なさをリリが見せてくれて、飼い主としても大きな安心感を得られました。
文・写真:臼井京音
■ 取材協力:人見宏美さん