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2024.10.03

犬と一緒にゲレンデを駆け抜ける!50周年を迎えたドッグ・ダービーをリポート~南半球のDog's letter~

犬と一緒にゲレンデを駆け抜ける!50周年を迎えたドッグ・ダービーをリポート~南半球のDog's letter~

世界の様々な地域に順応して暮らしている犬たち。
ところ変われば犬とのライフスタイルも変わります。日本とはちょっと違う?!共通してるかも?!と思える目新しいドッグライフ情報を、自然豊かな南半球に位置するニュージーランドからお届けします。

南半球に位置するニュージーランドでは、日本と季節が逆になります。
そう、日本で夏真っ盛りのシーズンが、ニュージーランドでは真冬!ということで、日本からしてみれば少し気が早い!?雪を全力で楽しむイベントのレポートをお届け。
犬と自然が大好きな、ニュージーランドの大らかな国民性を感じられる楽しいイベントの模様をぜひご覧ください!

DOG's TALK

この記事を書いた人:グルービー美子

この記事を書いた人:グルービー美子

ニュージーランド・オークランド在住のトラベルライター。JAL機内誌やガイドブック「地球の歩き方」などに寄稿。子供の頃から柴犬と暮らし、現在はサビ猫のお世話係。趣味はサーフィン。

犬と飼い主の雪上レース

犬も人もご覧の通り大集合

犬も人もご覧の通り大集合

ニュージーランド南島南部に位置するクイーンズタウンは、夏はサイクリングやトレッキング、冬はスノースポーツを楽しむ人々で賑わう山岳リゾート。
近隣にあるスキー場の一つ、コロネット・ピークは町の中心部から車で20分とアクセス至便で、南島で唯一ナイター照明設備も備えています。

冬の営業期間中、コロネット・ピークではさまざまな催しが開催されますが、中でもユニークなのが毎年の恒例行事「ドッグ・ダービー」。
犬と飼い主がペアを組んでゲレンデ内に設けられたコースを走る雪上レースです。
今年は8月17日に行われ、例年以上に大盛況となりました。

 

50年も続く人気イベント

お揃いのゼッケンをつけてレースに臨む犬と飼い主。気合が感じられます

お揃いのゼッケンをつけてレースに臨む犬と飼い主。気合が感じられます

ドッグ・ダービーは1974年にスタートした歴史あるレースです。
コロナ禍をのぞいてほぼ毎年開催され、2024年で何と50周年。
全国放送のニュース番組で取り上げられるなど、国内でも注目を集めています。
とはいえ、始まった当初はクイーンズタウン周辺のファーマーたちによる小規模なレクリエーションイベントだったとか。

 

犬と飼い主が全力で雪を楽しむ、それがこのイベント最大の目的です

犬と飼い主が全力で雪を楽しむ、それがこのイベント最大の目的です

「自然相手に厳しい仕事をしているファーマーたちが山で楽しめる1日を、とのコンセプトで始められたそうです。今でもその名残で牧羊犬も参加していますが、ファーマー以上にタウニー(市街地に住む人々のこと)に人気の一大イベントへと成長しました」
そう話すのはコロネット・ピークのマネージャーであるナイジェル・カーさん。
毎年約100人と100頭が参加していますが、今年はアニバーサリー・イヤーということもあり、エントリー数はその倍近くに上ったといいます。

犬に引きずられて滑り降りる人も

急斜面の攻略法はこれ!

急斜面の攻略法はこれ!

ドッグ・ダービーのカテゴリは、牧羊犬を対象としたカントリー・ディビジョン、牧羊犬以外が参加できるタウン・ディビジョン(飼い主は男女で別レース)、7~13歳の子供が犬と一緒に走るキッズ・ディビジョンの3つ。
カントリー・ディビジョンはコースが長いため、ベースから標高1649mの山頂までゴンドラに乗っていきます。
コロネット・ピークで最も高い地点で、ここからの眺めはまさに絶景です。

カントリー・ディビジョンのスタート地点は、ゴンドラの終着点から15分ほど歩いて下った中腹のスノーパーク。
フリースタイル向けにデザインされたエリアで、雪のジャンプ台などが並び、アップダウンもあるので体力自慢の牧羊犬とファーマーにぴったりです。
レースはスノーパークを抜けてから中級者向けの直線ストレートコースに入り、ベースまで戻ってフィニッシュ。
急斜面もあり、犬に引きずられるようにしてお尻をそり代わりに滑り降りる参加者も見られました。

長く愛されるコミュニティイベント

犬たちも家族もみんな笑顔になれる、素敵なイベントでした

犬たちも家族もみんな笑顔になれる、素敵なイベントでした


タウンおよびキッズ・ディビジョンの参加者はチェアリフトに乗って初級者向けの緩斜面コースへ。
ラブラドールやバーニーズ・マウンテンドッグといった大型犬のほか、マルチーズ、ダックスフントなどの小型犬もおり、サイズに関係なく一斉にスタート!
犬も飼い主もニコニコ笑顔で雪まみれになりながらゴールライン目指して駆け抜けていきました。

「雪の急斜面を華麗に駆け下りる犬たちを見ると、犬の身体能力の高さが改めてわかりますね。犬のほうは自分の飼い主があまりにも運動神経が鈍いことに気づいてがっかりしているかもしれません(笑)」
そう笑うナイジェルさん。ドッグ・ダービーはこの先も長く愛されるであろう、素晴らしいコミュニティイベントでした。

取材・写真協力

*1  Coronet Peak