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2024.11.20
Dog Snapshot R 令和の犬景Vol.44 ディスクドッグ大会に見た「人と犬の絆」
写真・文 内村コースケ
犬は太古より人類と一緒に歩んできました。令和の世でも、私たちの暮らしにさまざまな形で犬たちが溶け込んでいます。このフォトエッセイでは、犬がいる情景を通じて犬と暮らす我々の「今」を緩やかに見つめていきます。
スポーツの秋に犬たちも躍動
秋の運動会シーズン。ドッグスポーツの世界でも各地で犬たちが躍動しました。僕も、去る10月18-20日に群馬県昭和町で行われたディスクドッグの大会「DOGTOWNCUPS 2024」にお邪魔して、写真撮影をさせてもらいました。
国内最高峰のディスクドッグ大会
「DOGTOWNCUPS」は、国内最高峰のディスクドッグ大会です。ディスクドッグは、ディスク(フリスビー)をキャッチする競技で、大きく分けて犬と人が一緒に多種多様なトリック(技)を行う「フリースタイル」と、ディスクを遠投してスローとキャッチを繰り返してレトリーブ能力を競う「トス&フェッチ」という種目があります。今年は、世界チャンピオンをはじめ、アメリカ、チェコ、中国、韓国など海外からの参加もあり、ハイレベルな戦いが繰り広げられました。
写真を通じて気づいた「アイコンタクトの瞬間」
撮影者視点でのディスクドッグの最大の魅力は、躍動する犬たちの美しい姿はもちろんですが、競技を通じて「人と犬の絆」が見られることだと思います。選手と犬の間に強い信頼関係がないと、危険を伴う技や難しいキャッチを成功させることはできません。これは、僕がライフワークとして撮影しているアイメイト(「公益財団法人アイメイト協会」出身の盲導犬)と使用者の関係と同じです。アイメイト歩行でも、お互いの揺るぎない信頼があってはじめて、安全に街を歩くことができます。
特に今回、撮影していて気付いたのは、激しい動きの中でも、瞬間瞬間で選手と犬のアイコンタクトがあったことです。これは、一瞬を止める写真だからよく分かることで、目視や動画では気づきにくいかもしれません。成績上位のペアほど、空中でもしっかりアイコンタクトが取れているように見えましたし、目が合っていない時にも心がしっかりつながっていることが感じ取れました。
人も犬も笑顔で
そして、やりきった後の笑顔。大会に参加するごとに、さらに絆が深まっていくのが感じ取れました。
今回は、僕にとって初めての本格的なディスクドッグの撮影でした。「人と犬の絆」を永遠のテーマにしている自分としては、今後も継続的にドッグスポーツの世界とカメラを通じて関わっていきたいと思います。