- コラム
- 巡る季節のハーブ便り
2018.03.31
ダンディライオン
「ダンディライオン」は、春先、公園で見かける黄色いタンポポで西洋タンポポのこと。
繁殖力が強く、世界各地で野生、または栽培されていて、 古くからもナチュラルメディスンとして、世界中でその成分が利用されてきました。
例えば、 アーユルヴェーダやアラビアの医学、また北米大陸の先住民の間で先祖代々受け継がれてきた薬草として、 漢方では西洋蒲公英(ホコウエイ)と呼ばれ、 日本でも根の部分が利用されていた歴史があります。
春になると道端に咲く黄色い野の花、ってだけじゃないんですね。
3月のオススメハーブダンディライオン
別名:西洋タンポポ・ピサンリ
科名:キク科
使用部位:根部
有効成分:
(根):苦味質(タラキサシン)・イヌリン・ステロール・トリテルペノイド・配糖体・ペクチン・グリコシド・アスパラギン・コリン・カリウム・ビタミン・ミネラルなど
(葉):ルテイン・ビオラギサンチン・カロチノイド・苦味質・ビタミンA/B/C/D・カリウム・鉄など
ダンディライオンの学名「Taraxacum」はアラビア語の「tharakhchakon」が由来で「苦い草」を意味し、 「officinale」は「薬用の」または「薬効のある」という意味です。
英名の「Dandelion」という言い方は、フランスでたくさんある俗称のひとつ「ライオンの歯」の意味のダン・ド・リオンに由来します。
また、フランス語の別名で「ピ・サン・リ」というニックネームがあるのですが、 これは「尿が近くなる(おねしょ)・寝小便」という意味なのだそうです。
春は陰陽五行説では、「木」の性質であり、 木の枝や根が伸びやかに成長するという季節で、 身体に関して言えば、「肝」の季節とされています。 気温の上昇とともに身体に備わった自然な流れで、 体内の老廃物を排泄しようと働きはじめます。
その時いつもよりも負担がかかりやすいのは、解毒システムを担当している肝臓です。
肝臓は血中の毒素や老廃物を取り除き、体内の余分なものを腎臓を通して体外に排泄する際のフィルターの役目をしてくれます。
ご存知でしたか?「ダンディライオン」はヨーロッパの山菜
「ダンディライオン」は、特に冬の運動不足から生じる老廃物を排出するのに利用されるハーブです。
毒素、老廃物、汚染物質を肝臓や腎臓が排泄するのを助け、血液や組織をキレイにする手伝いをします。
だから、身体に老廃物が溜まることで起こりがちな、 疲労、自律神経のバランス、皮膚、花粉トラブルなどのアレルギーの予防に役立ちます。
今から「ダンディライオン」で、犬の肝臓をサポートしつつ、春先からはじまるワクチン接種にも備えておきたいですね。
■もっと詳しく!ハーブの働き
「ダンディライオン」は、葉と根は区別されています。
「葉(ダンディライオンリーフ)は豊富な栄養で利尿を助ける」、
「根(ダンディライオンルート)は安全で強力に利尿を促し、肝臓を助ける」といわれ、
消化促進と老廃物の排泄を促すハーブとしてよく使われています。
根には、タンニン、トリテルペン、ステロール、コリン、アスパラギンなどの成分が含まれていて、 消化や肝臓に働きかけ、胆汁の分泌と流出を促進します。
根の繊維分にある「イヌリン」は、最近、肥満の解消やメタボのサプリメントとしてよく聞くようになった成分ですが、 「ダンディライオン」の根には、これも含まれています。
また、豊富に含まれるカリウムにより、 余分な塩分を排泄しつつ、体内の水分バランスを保ち、脈を安定させる働きもあります。
■ ちょこっとメモ
病院の薬に詳しい方はご存知かもしれませんが、
一般的な利尿剤は、カリウムも一緒に体外へ排泄させるため、低カリウム血症が心配されます。
「ダンディライオン」の場合、カリウムが豊富で排尿による不足を補いつつ、余分なものを排泄して体内の水分バランスを整えてくれます。
カリウムだけじゃなく、鉄分も多いので鉄欠乏性貧血の予防、また、カロテンも豊富でその量はニンジンをしのぐとも言われています。
フィトセラピストが伝授。やさしいハーブのとり入れ方
季節の変わり目に体調を崩しやすい犬や春になると皮膚トラブルやアレルギーがでやすい、 など少しでも心配があるようなら、ぜひ、家族みんなが楽しめるハーブティーで「ダンディライオン」を取り入れてみては?
今回ご紹介した「ダンディライオン」は、とくに以下の場合にオススメしたいハーブです。
○ ワクチン接種や医薬品を使用しています。肝機能に負担をかけていないかしら?
○ 留守番など犬のストレスが多いかもしれない。
○ 肝機能が低下してる?とくにこの時期にでる皮膚トラブル。
○ シニア犬や病気療養中の犬なので、もっと肝機能を労わりたい。
○ 健康を保つため、日頃から食事の栄養補助や消化促進をしたい。
○ このところ、便通がよくないのだけれど。
○ 妊娠中の犬です。栄養補給や催乳のためになにかプラスしてあげたい。
*重度の潰瘍や胃炎、胆石や胆嚢疾患と胆管疾患がある場合は専門家に相談の上ご使用になられると安心です。
ドライハーブならそのまま食事に混ぜるだけですが、苦手な犬も多いようです。
オススメしたいのは、ゴートミルクで作るミルクティー。
食事の間に、ぜひ、作ってお試しください。
また、ハーブティーが苦手な男性の飼い主さんも、ロイヤルミルクティーのようにミルクたっぷりにすると抵抗なく飲めると思います。 女性の飼い主さんなら、豆乳ラテ、ジンジャーやスパイスをプラスしてチャイのように楽しむのがオススメ。
3月は、2月より10分でも長く犬と散歩を楽しみ(カラダを動かしてほぐしていく)、
春野菜・香味野菜・柑橘類・ミントなどの食材を食事にプラスし(気の流れを発散させる働きのある食材)、 そして、今月のハーブ「ダンディライオン」のティーを飲んで、健やかな3月を送ってくださいね。
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フィトセラピスト 堂山うららさん
さぁ、ハーブのやさしいチカラをかりて、今よりもっとHappyな毎日をスタートしましょう。
*1 【この特集の資料提供】Urara Herb Design Lab. フィトセラピスト 堂山うらら氏 現在、ホリステックケアアドバイザーとして人と犬へのフィトセラピーを中心としたカウンセリングや、人と犬のクオリティ・オブ・ライフに役立ち、犬と一緒に楽しめるフィトセラピー講座、ハーブ講座を行っている。