10月から11月に旬を迎えるフルーツ、ザクロ。甘酸っぱく爽やかな風味と鮮やかな色合いが魅力のザクロは、日本だけでなくアメリカ大陸でも栽培されています。スーパーなどで見かけるものでは、海外からの輸入のものが多いようです。
また、ザクロはジュースやシロップ、スイーツのほかにもお肉のソースとして活用されていますが、ドッグフードやサプリメントでも使用されることがあります。犬たちにとって、ザクロはどんな栄養が含まれているのでしょうか？

犬はザクロを食べられるの？ザクロは危険って本当？

甘酸っぱくておいしいザクロですが、犬に食べさせても問題はないのでしょうか？犬も人間が食べるような、いわゆるザクロの実を食べても問題ありません。
ザクロにはアルカロイドの一種、ペレチエリンが含まれるので、決して食べさせてはいけないとしている文献もありますが、ペレチエリンが主に含まれるのはザクロの木の皮や根の部分とされています。果肉の部分を食べさせることは問題ないとされています。
ザクロには犬にとっても嬉しい栄養素がたくさん含まれていて、ドッグフードや犬用オヤツ、サプリメントにも使用されることがあります。

ザクロに含まれている機能性成分　アントシアニンとタンニンのバランス

ザクロには、女性ホルモンに類似している成分が含まれている、といわれて一時期ジュースなどが人気になりましたね。しかし、種子などに植物エストロゲンが微量含まれているくらいなのだそうです。それでも、あの赤さ！ですから、ザクロにはポリフェノールの一種であるアントシアニンが豊富に含まれていることが分かっています。アントシアニンといえば、細胞を傷つけ老化を進めてしまう活性酸素を取り除く、抗酸化作用がある物質。犬たちのアンチエイジングだけでなく、白内障などの予防などの面でも注目されています。
アントシアニンを含む食物としては、ブルーベリーなどのベリー類が良く知られていますが、果物の果汁を使ったとある実験では、ザクロはブルーベリーなどよりも強い抗酸化力を発揮しました。

では、他にも抗酸化作用を持つポリフェノールを含むフルーツと比較して、ザクロがより強い抗酸化力を見せたのはなぜなのでしょうか。
ザクロにはアントシアニンだけではなく、タンニンという物質も含まれているため、相乗効果でより高い抗酸化力を発揮したのではないかと推測されているそうです。タンニンもアントシアニンと同じくポリフェノールの一種で、多すぎると渋みを感じる成分ですが、ザクロが持っている本来の甘酸っぱさのおかげで、あまり渋みは感じないのかもしれません。　

ザクロは、味わいも抗酸化力でも、絶妙なバランス感覚で嬉しい効果があるのに食べやすい、そんなフルーツになっているのですね。

その他にも機能性成分がいろいろ

生のザクロには柑橘系のフルーツに含まれているクエン酸が含まれており、犬たちに食べさせると疲労を回復するサポートになってくれるだけではなく、尿pH値を酸性に傾ける効果があるといわれています。そのため、膀胱内で尿が長時間アルカリ性の状態で溜まることで引き起こされやすくなるストルバイト結晶の予防には効果的だとされています。
また、ザクロには利尿作用があるカリウムも含まれているので、膀胱炎などの持病がある犬たちには、オシッコを溜め込まずにスムーズに排出する助けになるかもしれません。

犬たちに食べさせる際は、ザクロの皮の部分は決して与えず、ジュースにして与えてくださいね。
体に良いものだからといって、大量に与えるとお腹を壊してしまう可能性があります。少量のジュースをフードにトッピングしてみる、クッキーに混ぜ込んで活用する、などの使い方がオススメです。