• コラム
  • スタッフコラム

2019.11.18

犬の必須アミノ酸 ロイシンをシニア犬の筋力維持に役立てよう

犬の必須アミノ酸 ロイシンをシニア犬の筋力維持に役立てよう


栄養素のなかには、犬たちが体内で作ることができず食事など、体の外からとることが「必須」と呼ばれているものがあります。その中のひとつが、肉や魚、大豆などのタンパク質を構成している必須アミノ酸と呼ばれるグループ。これらのアミノ酸は、犬たち自身が体の中で合成することができないため、食事から必ず摂取する必要があるもののことを指します。
総合栄養食タイプのドライフードではこれらの必須アミノ酸の栄養バランスをきちんと考慮してレシピが作られているので、総合栄養食を食べている犬たちでは基本的には欠乏することはまずありません。
ただ、加齢によって徐々に分解、吸収する力やそれらを体内で使うための物質に作り変える力は衰えていきます。また、手作り食派の方は、これらの必須栄養素を知っておくと食材を選択するときの助けとなります。

今回はそんな必須アミノ酸の中から、介護の現場などでも注目を集めているロイシンについてご紹介します。

犬の必須アミノ酸 ロイシンとは?

犬たちが体内で作ることができないため、食事から摂取する必要があるアミノ酸の一種・ロイシンは、タンパク質の生成・分解を調整することによって筋肉の維持や成長に関係する栄養素と考えられています。そのため、成長期のパピーや妊娠・授乳期の母犬たちには、ロイシンを適切な量摂取しつつ栄養バランスを整えた食事を与えることが、健康的な体作りのためには重要です。

ロイシンは、アミノ酸の中でもBCAAと呼ばれるグループに分類されることがあります。BCAAとは、分岐鎖アミノ酸のことで、Branched Chain Amino Acidという英語の表記を縮めてBCAAと呼ばれています。
Branchedとは、「枝分かれした」という意味で、Chainは繋がることを表しています。その名の通り、枝分かれするような構造をしていることからこの名前がつきました。

このBCAAのアミノ酸は、筋タンパク質中に非常に多く含まれているという特徴があります。これは、ロイシンなどのBCAAアミノ酸が筋肉の合成に使用されるためです。スポーツをするような犬たちにとっては特に、理想的な体型を維持するために注目したいアミノ酸のひとつです。
ロイシンは良質なタンパク質の中でも、まぐろ、かつお、あじ、サンマなどの魚や、牛肉、鶏肉、チーズなどに多く含まれています。

ロイシンがシニア犬の筋力維持にオススメの理由

シニア犬、特にハイシニア犬たちは、加齢に伴い筋力の低下が進んでいきます。これは自然なことなのですが、筋力が落ちきってしまうと一気に老け込んでしまい、体調全体にも良くない影響が出てきてしまいます。シニア期の犬たちに、気分転換となる散歩を少しでも長く楽しんでもらうために、適度な筋力を維持することはとても大切です。

シニア期の犬たちの適度な筋力をキープすることをサポートしてくれる成分が、ロイシン。ロイシンは筋肉の元となるタンパク質を合成するシグナルとしての働きも持っているといわれているので、シニア期こそロイシンを多く含む食品、肉や魚をトッピングするなどして、少し多めに摂取することで、筋力の維持を心がけるのに役立ちます。もちろん、必須アミノ酸は桶の法則があるので、筋力維持のためにもロイシンにあわせてバランスよくアミノ酸を摂取する必要があります。そのためには、やはりアミノ酸スコアが高い食品をちょっとプラスするなどの一工夫をしてみるのがオススメです。ドライフードでもタンパク質の割合が比較的高いものを選んで与えてみてください。
人間でも、高齢者や長期の入院によって筋力が落ちてしまいそうな人に、サプリメントとして使用されることがある成分です。また、介護の現場でも体力や筋力の低下を予防するために重要視されている栄養素のひとつとなります。