- コラム
2025.02.10
【シニアシリーズ】関節ケアに役立つ緑イ貝、MSM、ボスウェリアの効果

シニア犬が快適に過ごすために関節ケアは非常に重要なポイントになります。しっかり歩いて散歩するという普通のことが犬の気持ちにも飼い主のこころにも大きく影響してきます。「きちんと自分の足で歩いて、毎日の食事をおいしい!と喜んで食べてくれる顔を見続けたい。」その思いに応えたいとPOCHIの「エイジングケアシニアシリーズ」は、11種類の健康維持サポート成分や低リンなど細やかにレシピ設計をしています。
ここでは、11種類の健康維持サポート成分のうち、関節ケアとしてとくに注目される「緑イ貝(モエギイガイ)」「MSM」「ボスウェリア」について、ペット栄養管理士の視点から詳しく解説します。
緑イ貝(モエギイガイ)の特長
緑イ貝は、別名「モエギイガイ」と呼ばれる貝で、関節ケアに役立つと注目されています。
+緑イ貝とは?

緑イ貝(グリーンリップドマッセル)は、ニュージーランド原産の貝で、鮮やかな緑色の縁が特長です。別名「モエギイガイ」とも呼ばれています。
緑イ貝は、栄養価の高さから健康食品としても注目されています。
+緑イ貝に含まれる成分で期待したいこと
緑イ貝は、多くの健康成分が含まれており、次のことが期待されています。
・ オメガ3脂肪酸:DHAやEPAといったオメガ3脂肪酸が豊富に含まれています。オメガ3脂肪酸は必須脂肪酸である不飽和脂肪酸の一種で、2012年の科学論文のレビューでは、海産物や魚油に含まれるオメガ3脂肪酸であるEPAやDHAが関節リウマチの症状を緩和するのに、ある程度有効と考えられると結論づけています。
・ グリコサミノグリカン(GAGs):コンドロイチン硫酸やヒアルロン酸を含む成分で、関節の潤滑性向上や軟骨の劣化を予防するとされています。
・ 抗酸化作用:細胞の酸化ストレスを軽減し、老化や病気のリスクを低減させるとされます。
・ 抗炎症作用:炎症を抑える効果があることがわかっており、関節炎やリウマチなどの炎症性疾患に対する改善効果が期待されています。
緑イ貝は、関節や炎症に悩む犬をサポートする成分であり、シニア犬の健康維持に採り入れたい食材です。
MSMの特長
MSM(メチルサルフォニルメタン)は、天然由来の有機硫黄化合物で、健康食品素材として厚生労働省の情報サイトにも掲載されています。
+MSMとは?
MSMとは、天然由来の有機硫黄化合物で、穀物や牛乳、緑黄色野菜などにも含まれ、硫黄はタンパク質中にも含有するミネラル成分で、健康維持に役立つ成分です。
+MSMを採り入れることで期待したいこと
MSMには、次の健康に役立つことが期待されています。
・ 抗炎症作用:炎症を抑えて、関節炎や筋肉痛などを軽減するとされています。
・ 軟骨と結合組織の修復:硫黄成分により、軟骨や結合組織の再生を促進し、関節の健康を維持することが期待されています。
・ 痛みの軽減:天然の鎮痛効果を持つとされており、回復期をサポートします。
MSMは、痛みや炎症に向けたシニア犬の関節ケアに役立ちます。
ボスウェリアの特長
ボスウェリアとは、天然の樹脂成分で、古代エジプトから「乳香」と呼ばれる香料の原料として利用されていました。
+ボスウェリアとは?

ボスウェリアは、アーユルベーダにおいて古くから使用されている天然の樹脂成分です。
関節や皮膚の健康をサポートすることで知られており、近年では関節サプリメントの主要成分として利用されています。
さらに、抗酸化作用が非常に高いので、シニア向けのサプリメントにも取り入れられることが増えています。
+ボスウェリアを採り入れることで期待したいこと
ボスウェリアには、次の健康に役立つことが期待されています。
・ 関節痛の緩和:関節の柔軟性をサポートする働きがあり、関節痛や炎症の軽減が期待できます。
・ グルコサミノグリカン分解抑制:グルコサミノグリカンは、関節や皮膚の柔軟にし、水分を強力につかまえ保つ働きをする成分です。関節の健康を長期間にわたり維持できる効果が期待されています。
・ リラックス効果:呼吸を落ち着かせ、脳の中枢に存在する痛覚の神経にも働きかけるため、痛みを和らげるといわれています。
・ 集中力の向上:ボスウェリアの香りによる効果で、古代より瞑想をする際に意識をコントロールする目的で使われていました。
ボスウェリアがもつ成分の特長により関節の違和感やストレスから身を守ることに期待できるため、シニア犬の健康維持にも有益です。
緑イ貝・MSM・ボスウェリアを併用するメリット
ドッグフードに緑イ貝、MSM、ボスウェリアを組合せ、普段から関節の健康をより総合的にサポートできると期待しています。
緑イ貝(モエギイガイ)は、軟骨の保護と修復を助け、MSMはコラーゲン合成を促進し、関節の柔軟性を高めます。また、ボスウェリアは抗炎症作用があり、関節痛や炎症の軽減に有益です。
とくに、グルコサミノグリカンを構成するグルコサミンとMSMは、関節の痛みをさらに軽減する効果があるという報告もあり、毎日の生活の中で齢を重ね、少しずつすり減ってくるシニア犬の関節成分を様々なアプローチで補えます。
緑イ貝・MSM・ボスウェリアの摂取方法と注意点
緑イ貝、MSM、ボスウェリアは、関節ケアに役立つ成分であり、正しい摂取方法の活用が重要です。犬に与える際の方法や注意点を理解しましょう。
+継続的な摂取
緑イ貝、MSM、ボスウェリアの効果を最大限に引き出すには、継続的な摂取が重要です。
とくに、シニア犬の場合、関節ケアに役立つ成分を長期的に取り入れることで、運動能力を維持するサポートができます。
関節ケアは日々の散歩や軽い運動を続けるための健康的な体づくりを助け、関節が元気なら犬がアクティブな生活を楽しめるようになります。
+適量を守る
効果的な使用のためには、適切な量を守ることが大切です。
とくに、POCHIの「ザ・ドッグフード エイジングケアシニアシリーズ」は、総合栄養食であり、基本的にはサプリメントを使用する必要はありません。
必要に応じてサプリメントを使用する場合は、犬の消化機能に影響を与えないよう、適量であるかを確認しましょう。
過剰摂取は、下痢や消化不良を引き起こす可能性があります。獣医師のアドバイスを受けながら、犬の体重や健康状態に応じた適切な量を見極め、無理なく安全な摂取を心がけましょう。
+アレルギーの注意
緑イ貝は栄養価が高く、関節の健康をサポートする有益な成分ですが、一部の犬ではアレルギー反応を引き起こす可能性があります。
初めて緑イ貝を与える際には、少量から始め、犬の反応をよく観察してください。
犬の体質により、皮膚のかゆみや嘔吐、下痢といった症状が見られる場合は、直ちに使用を中止し、獣医師に相談してください。
また、ほかのサプリメントと併用する場合も、個々の成分に対するアレルギーリスクを考慮し、犬の健康を最優先に考えた使用を心がけましょう。
まとめ
緑イ貝、MSM、ボスウェリアは、それぞれ異なる特性を持ちながら相乗効果で関節の健康をサポートします。
シニア犬用のドッグフードに含まれていたら、毎日のことで心強い味方になりそうです。
サプリメントでは適量を守り、継続的に摂ることで長期的な健康を支えますが、いいものだからと過剰に摂取したり、またアレルギーにも注意しましょう。