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2019.12.09
犬の必須アミノ酸 犬の皮膚の免疫力維持のために必須のアミノ酸 ヒスチジン
栄養素のなかには、犬たちが体内で合成することができず食事など、外から摂取することが必要な「必須栄養素」と呼ばれるものがあります。その中のひとつが、肉や魚、大豆などのタンパク質を構成している必須アミノ酸と呼ばれるグループ。これらのアミノ酸は、犬たち自身が体の中で合成することができないため、食事から必ず摂取する必要があるもののことを指します。
今回はそんな必須アミノ酸の中から、犬たちの皮膚の免疫機能と神経伝達物質に関係するヒスチジンについてご紹介します。
ヒスチジンってどんなアミノ酸なの?
ヒスチジンは体内でさまざまな化合物の材料となるアミノ酸のひとつです。特に動物の血液中に多く含まれているので、血管が多い臓器であるレバーなどには多く含まれています。
ヒスチジンは細胞の構造を作るために必要な構造タンパク質と呼ばれるものに合成され、体の様々な細胞を作るための材料となります。
犬の体ではビタミンB群と一緒に皮膚の細胞と細胞の間を埋めるセラミドを作るのに大きく影響するアミノ酸とされています。セラミドは、皮膚の細胞と細胞をしっかりと結びつけるための物質でセラミドが十分に作られないと、皮膚のバリア機能が十分に働くことができず、さまざまなトラブルを引き起こすといわれています。
また、ヒスチジンは神経伝達物質を作るためにも活用されていて、まさに体の基礎を作るためには必須の栄養といえますね。
ヒスチジンが足りないとどういった症状が出る?
犬たちにヒスチジンが不足するというケースはあまり起こりません。というのも、犬たちの食事に使用される主なタンパク質源である肉や魚から十分な量を摂取できると考えられますし、総合栄養食タイプのドッグフードであれば必須アミノ酸の基準を満たしているからです。
とはいえ、偏った食事内容によってヒスチジンが不足すると、体重が減少し、拒食の傾向が見られるようなので、手作り食の方は注意が必要です。また、セラミドの合成が滞ることにより、皮膚のバリア機能が低下してしまい、小さな刺激によってかゆみや皮膚の炎症などが起こりやすくなります。
ヒスチジンもアミノ酸ですので、他の必須アミノ酸とバランスよく必要量を摂取していく必要があります。ヒスチジンが必須量を満たしていても、ほかの必須アミノ酸が十分に摂取できていなければ不足しているアミノ酸に相応した量のヒスチジンしか体内で使うことができません。この法則をアミノ酸の桶の理論と言いますが、コレを踏まえて様々な食材をバランスよく摂取していきましょう。
今までご紹介してきた「犬の必須アミノ酸」シリーズ
*1 犬の必須アミノ酸 犬の夜鳴きや落ち着かない様子に トリプトファン
*2 犬の必須アミノ酸 メチオニンっていったいどんな物質なの?