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2020.01.20

輸血用の犬の血液不足への取り組みと犬の血液型のお話[#今気になるトピックス]

私たち人間と同様に、犬たちも病気や手術の際には輸血が必要になることがありますが、現在、輸血を必要としている犬たちに対しての血液は少なく、もちろん血液は販売されていません。そこで、動物病院では輸血用の血液を確保するための手段として、供血犬と呼ばれる犬たちに必要になった場合には血液を提供してもらっているというのが現状です。

しかし、犬たちにも血液型というものがあり、DEA(Dog Erythrocyte Antigen: 犬赤血球抗原)式という方法で判別されていて、血液型の種類はなんと10種類以上。血液型は基本的に検査キットで調べることができ、もちろん輸血の前に改めて確認したうえで輸血の判断を行います。人間よりも犬の血液型の種類は多いので、供血犬の血液が必ずしも利用できるとは限らない、という事情もあるようです。

そんな犬の輸血用血液の問題ですが、海外では犬たちの血液バンクが設置されるなどの対策がされているところもあるようです。例えば、動物医療の発展が目覚ましいタイなどでは、獣医系大学の附属病院などに血液バンクが設置され、健康な犬たちが血液を提供することで互いのサポートをしていく体制が作られています。
日本でも同じように犬の血液バンクの実用化を求めている声も出ていることから、実用化される日もやってくるかもしれません。犬同士も、犬と暮らす人々同士も互いに助け合う一つの形が実現すれば良いですよね。

DOG's TALK

現在の日本では、犬の血液の「輸送」が禁止されているので、輸血のために犬を連れていく必要があります。日本の一部の地域では、犬たちの血液バンク登録制度というものを行っている動物病院もあるようです。これは、あらかじめ犬たちに血液型検査を受けさせた上でドナー登録をして、ほかの犬たちに輸血が必要となった時に献血をするという制度。
また、こちらも地域によってはこのドナー登録をしている犬たちに輸血が必要になった場合には、優先的に輸血を受けることができるという制度が設けられていることもあるようです。
いざというときのために、犬たちの血液型を調べておくついでにドナー登録をしてみる、というのも良いのかもしれませんね。