• コラム
  • 知るという、栄養

2020.03.04

犬とかぶ(蕪)を楽しもう。栄養素と食べさせ方のポイント

犬たちと一緒に楽しめる旬の食材。今回は春の訪れと一緒に食べごろを迎える春野菜、かぶ(蕪)についてご紹介します。

かぶと言えば、人間では漬物やマリネ、煮込んでシチューの具などに使いますが、犬たちにとってはどんな嬉しい栄養素が含まれているのでしょうか。また、犬に与えるならどんな調理法が良いのでしょうか。
今回は、犬たちと一緒にかぶを美味しく楽しむときに知っておくとちょっと役立つ、そんな豆知識をご紹介します。

犬にはかぶの葉を活用するのがオススメ。

■細胞の生まれ変わりを促進する イソチオシアネート

イソチオシアネートは、アブラナ科の野菜に含まれる成分で、かぶのほかにも大根などに含まれています。生でかじったり、すりおろした時に鼻に抜けるようなほのかな辛みのもとになっているのが、イソチオシアネートという成分です。
この成分は、たとえばガンや腫瘍となるような細胞が発生したときに、その細胞の増殖を抑え、新しい健康的な細胞を作ることを促進する作用があるのだとか。しかし、加熱することで失われてしまうので、犬に与えるのであれば細かく切ったかぶを少しおすそ分けする程度でいいかもしれません。

犬が生の状態のかぶでも気にせず食べてくれるようであれば、フードに混ぜて春のトッピングのひとつとしてオススメです。

■かぶの葉に豊富な抗酸化物質 βカロテン

かぶの栄養素を見る時にポイントになるのが、葉の存在です。かぶの可食部には特別豊富な栄養が含まれている、ということではないのですが、かぶの葉には犬たちにも嬉しい栄養素が含まれています。

緑黄色野菜に含まれている抗酸化物質として有名なβカロテンは、かぶの葉にたっぷり含まれています。細胞を傷付け、老化させる原因といわれている活性酸素を除去することで、若々しい体づくりに役立ちます。
βカロテンは、ビタミンA前駆体といわれていますが、ビタミンAも抗酸化ビタミン、なんて呼ばれている通り抗酸化力を持っています。
脂質と一緒に摂取することで吸収効率が良くなるといわれているので、適度な脂質が含まれているドッグフードや、手作りトッピングに活用する際にはお肉などと組み合わせるのがオススメです。

■かぶの葉にはミネラル類が豊富 鉄分・カリウム

かぶの葉に含まれている成分としては、鉄分やカリウムなどのミネラル類もあります。犬たち自身が体内で作ることが難しいため、食事などから適切に摂取することが大切です。

鉄分は、血液に含まれる赤血球を作るために必要な栄養素。酸素を細胞に運んだり、筋肉を維持するためにも必要です。基本的に総合栄養食タイプのドッグフードを与えていれば不足することはありませんが、手作り食を与える際にはミネラルのバランスを取ることが難しいので、かぶの葉などをうまく活用していきましょう。

また、カリウムは細胞が正常に働くためには必須のミネラルであり、神経刺激の伝達やエネルギー代謝にも重要な栄養素です。腎臓などに不安がある犬、腎臓病と診断されている犬の場合は欠乏しやすいといわれています。
また、下痢が続いている犬は、ウンチと一緒にカリウムが一気に排出されてしまうこともあるようです。

犬と一緒にかぶを楽しむなら。

犬たちと一緒にかぶを楽しむのであれば、かぶの実だけではなくかぶの葉も使うというのがポイントになります。
細かく刻んだ実と葉を、柔らかく煮込んだものにゴートミルクを混ぜれば嗜好性もアップします。ドライフードにかければ水分も摂取できますね。
細かく刻んだかぶの葉と肉を、水分がなくなるまでごま油などで炒めてパラパラふりかけ風にするのもオススメです。旬の春野菜・かぶをぜひ犬と一緒に楽しんでみてください。

手作り食にもオススメのアイテム。

*1  POCHI Marche ピュアゴートミルク