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2019.04.04

犬と楽しむ春野菜。食事に取り入れて季節を楽しもう。

犬と楽しむ春野菜。食事に取り入れて季節を楽しもう。

栽培技術の進歩により、季節特有の気候や環境などに左右されることが少なくなってきた農業ですが、やはり旬の食材は、季節を感じられるうれしい要素の一つです。
季節のものを食べる、という行為はそれだけでなんだか心が豊かになるような気がしますし、旬の食材を食べるということ自体が、その時期に必要な栄養をしっかりと補うための、昔ながらの知恵だったりもします。
春はやっと暖かさを感じられる日があったかと思えば、寒の戻りに体の芯から冷えて免疫力が低下したり、強くなる紫外線に皮膚や目のダメージが蓄積し始めたりと、体調を気遣いたいタイミング。春の体調を整えるためにも、犬たちの食事に「旬」を取り入れてみてはいかがでしょうか。

春の食材その1春に消化器トラブルを起こしやすい犬におすすめ キャベツ

●ビタミンU(キャベジン)
 キャベツから発見されたビタミンUは、胃の粘膜を再生・強化してくれ、犬たちの胃腸を健康に保ってくれます。
春先の寒暖差などの影響を受けたり、環境の変化によって消化器系にトラブルを引き起こしやすい、デリケートな犬たちの胃腸を労わってくれる嬉しい成分の一つです。


●ジアスターゼ
大根にも含まれている分解酵素・ジアスターゼもキャベツには多く含まれています。ジアスターゼはでんぷん分解酵素の一つで、炭水化物などの消化を助け、胃酸の量を調整するほか、疲れた胃をサポートしてくれます。

■ POCHIのトッピングメモ ~キャベツ~

そのままおやつのように、シャリシャリと生のまま食べてくれる犬もいるようですが、キャベツを犬たちに与える際には、食べやすい大きさにカットしてから、軽く電子レンジで加熱するか、湯通しして柔らかくしてから与えると甘みも出ておいしく食べてくれます。

キャベツを使用したオススメアイテム

春の食材その2ハーブとしても使えるセロリ

●カリウム、ビタミンU(キャベジン)
セロリに豊富に含まれているカリウムは、過剰な塩分を排泄する役割があります。また、食物繊維も豊富で胃腸の粘膜を保護するビタミンU(キャベジン)も含んでいるセロリは、下痢ぎみの犬におすすめです。

●セロリの香り
肉類の匂い消しにも使用されるセロリの特徴的な香り。これは、アピオイルという精油成分やアピインなどによるもので、精神を安定させ、落ち着かせる働きがあると言われています。

■ POCHIのトッピングメモ ~セロリ~

セロリは繊維が非常に多く、特に根に向かうにつれて繊維質が固くなります。繊維が固い根に近い部分を与えても、犬たちは上手に消化ができませんから、根に近い部分は避けたほうが良さそうです。葉や中ほどの茎の部分を軽く水洗いし、茹でたりスープに入れたりしてしっかり火を通してから犬たちには与えてみてくださいね。

セロリを使用したオススメアイテム

春の食材その3必須アミノ酸も摂取できる緑黄色野菜 グリーンピース

●必須アミノ酸 リジン
グリンピースには必須アミノ酸でもあるリジンが多く含まれています。アミノ酸は、さまざまな種類のアミノ酸をバランスよく摂取することが大切。(アミノ酸スコアの考え方についてはこちらを参照)犬たちが体内で作れない必須アミノ酸の供給源の一つとしても、活用することができます。

●モリブデン
グリンピースに豊富に含まれているモリブデンは、肝臓や腎臓にもともと多い物質です。犬たちの予防接種や虫対策の投薬が始まり、何かと肝臓を酷使する春にはオススメです。

■ POCHIのトッピングメモ ~グリンピース~

豆類を犬たちに与える際には、そのままの状態では消化されにくく、きちんと栄養を取り込むことができません。そこで、茹でたり、電子レンジで加熱して柔らかくなったグリンピースを、潰してペースト状にしてからフードに乗せたり犬用ビスケットなどにトッピングしてみてはいかがでしょうか。淡い緑色がきれいですよ。犬たちのお好みで、ミルクなどにペーストを溶かせばポタージュ風にもなり、水分補給もできる、夏以降にも活用できるメニューになります。

グリーンピースとサヤエンドウについて

*1 グリーンピースもサヤエンドウも、どちらもエンドウマメのことを指します。まだ若いさやでも、中の豆がある程度膨らんでから、そのグリーンの柔らかい豆の状態で収穫するのが"グリンピース"、完全に若いさやの状態で、さやごと食べられる位に若採りするものが"サヤエンドウ"と呼ばれます。完熟した"エンドウマメ"はうぐいす餡の材料として、和菓子などにも使用されています。 収穫のタイミングにより、「エンドウ豆」「グリーンピース」「サヤエンドウ」と呼ばれ方に違いがでます。

おわりに

今回ご紹介した春野菜たちは、現在では春だけではなく、季節に関係なくスーパーなどで流通しているものがほとんどです。いつ食べても美味しい野菜たちばかりなのですが、やはりその時に旬を迎える食材にはその時に食べることで得られるメリットも多くあります。
例えば、春野菜たちの多くは今回の例で言えば冬から春にかけて気温や気候の変化が大きく、免疫系のバランスを崩しやすくなったり、消化器系のトラブルを引き起こしやすくなったりする犬たちに嬉しい成分を持っています。また、春に旬を迎える山菜などは、冬の間などに疲れが溜まった内臓を優しくケアするデトックス効果が期待できます。
もともと自然と共に暮らしてきた時間が長い犬たちは、きっと古代からその時その時の旬の食材を食べてきたはずです。私たちの献立に使用されている食材をほんのちょこっと、いつものごはんにトッピングしてあげるだけでも、犬たちはきっと喜んでくれるはずですし、その食材が犬たちの体にも嬉しい効果があるのなら、私たちも笑顔になれますよね。これからも、その時その時の旬の食材に注目していけば、犬たちや私たちの体に起きる「季節の移り変わりに伴う変化」にもより気付きやすくなっていくかもしれません。