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2020.05.28
犬にオイスターソースを与えることはできる?できない?
犬はおいしいものが大好きです。とくに大好きな飼い主が食卓などでおいしそうになにか食べていれば、「いいなあ、それ。同じもの食べたいなー」と言いたげな顔でジーっと見つめてきますよね。
だからそれがブロッコリーの温野菜であったとしても調味料がばっちりついていたら「ノー!これはダメ。食べてはいけないものなの」と、犬に言い聞かせたりします。でも‥‥。
「そもそもコレ。犬に食べさせてはいけない理由ってなんだっけ?」と、私たちに身近すぎる食品の中から今回は「オイスターソース」に注目してみました。
オイスターソースに使われている原材料は犬にとって危険なの?
深みとコクを付けてくれる調味料のオイスターソース。最近は中華だしや豆板醤などと共に中華料理を家で作るときのための調味料として冷蔵庫に並ぶようになりました。野菜炒めなどで使っている、というご家庭も多いですよね。
ところでオイスターソースは、オイスターとついているだけあってカキが使用されていることは分かりますが、それ以外にはどんな原材料が使われているのでしょうか?
代表的な原材料として使用されているのは、カキのエキス、砂糖や食塩、酵母エキスのほか、増粘剤としてデンプンなどが使用されています。
主な原材料をひとつひとつ見てみると、とくに犬の体調に大きく影響が出そうなものは使用されていないことがわかります。
代表的な原材料であるカキに豊富に含まれているビタミンB12はエネルギー代謝や疲労回復に関係する栄養素。また、犬にとって、カキは亜鉛を豊富に含んでいる食材でもあります。
オイスターソースには味の調整や保存性を高めるために食塩や魚醤(ぎょしょう)が使用されているので、犬用の食品、例えばおやつなどと比較すると塩分が高いのでこれは避けたいポイントのひとつ。
オイスターソースの誕生から、基本の作り方を知る
今から約100年前の中国の広東省でオイスターソースは生まれました。とある料理人が、カキを塩ゆでにしようとして鍋に入れたまま、あわただしく過ごしてすっかり鍋の存在を忘れてしまったことで、長時間カキをコトコトに詰めた結果、偶然生まれたものなのだとか。長い時間をかけて染み出したカキのエキスこそが、オイスターソースの本来の姿ということなんですね。
その後、風味豊かなカキのエキスを使いやすいような形に改良を加えて現在の形になったのだとか。
犬はアミノ酸の量がより多いとおいしいと感じやすいといわれています。ご存じの方も多いかもしれませんが、カキにはうま味を感じるアミノ酸がたっぷり含まれているので、犬にとっては「おいしい」食材と考えられます。さらにそんなカキのうま味がぎゅっと詰まった化学調味料などが入っていないオイスターソースは、ほんの少しスープなどに加えるだけでも、犬においしさをより強く感じさせてくれる存在になる……かもしれません。
まとめ
どろっと濃厚で風味が豊かなオイスターソースがどんな材料で作られているかのご紹介でしたが、見た目がいかにも濃厚そうで「なんとなく犬に良くなさそう…」という印象を持っていた方も、理由がはっきりするとすっきりですよね。原材料を見て化学調味料を使っていない、昔ながらの作り方を守ってるオイスターソースなら絶対に食べれないということではなさそうです。
ただし、注意するべきことがあって塩分は高いということは事実。
例えば、心臓トラブルが気になる犬や腎臓に不安があって塩分を気にしたい犬にはもちろん与えない方がいいです。
濃厚な調味料であるオイスターソースは、食欲が落ちて食べてくれないとき犬の食欲を刺激してくれる可能性もあります。犬の手作り食やスープトッピングとしてほんの少し加え味を変える程度にたまに利用しもいいのかなと思います。
■ 参考:スプーン1杯分のオイスターソースの栄養
●化学調味料無添加の、あるオイスターソースの栄養成分(原材料ラベルより)
(小さじ1杯、約5g)
エネルギー: 6.6kcal
たんぱく質: 0.08g
脂質 :0g
炭水化物: 1.6g
食塩相当量: 0.5g