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2020.05.08
犬の健康維持と「活性酸素」と「抗酸化力」の関係。抗酸化成分を持つ食材とは?
犬だけではなく人間の健康維持にも深くかかわっているキーワードが「活性酸素」。もうひとつ、それに抵抗する存在が持っている「抗酸化力」。
なんとなく「活性酸素」というと悪いもの、というイメージが強くなっていますが、本来体の中では一体どんな役割を持っているものなのでしょうか?そして「抗酸化力」とはどのような働きのことを指すのでしょうか?
太陽がまぶしい季節に知っておきたい、犬の体内での活性酸素の働きと抗酸化力についてまとめています。
活性酸素っていったいどんなもの?
活性酸素といえば、まず思いつくのは細胞を傷つけることで老化のスピードに影響したり、病気を引き起こすことになるという「悪いもの」というイメージではないでしょうか。
ですが、もともと活性酸素自体は、呼吸によって体内に取り込まれた酸素の一部で、取り込んだ酸素の数%が活性酸素に変化すると考えられています。
活性酸素は、犬・人間問わず体内の免疫細胞の一種である白血球から作られ、白血球から放出された活性酸素はスーパーオキシドとも呼ばれます。
その働きは、体内に取り込んでしまった菌やウイルスなどの外敵・侵入者との闘いで活躍します。また、免疫機能以外にも細胞間の連絡手段や細胞の分化、細胞の生まれ変わりにも大切な役割を持っています。
それから、呼吸で取り込む以外にも自然界の紫外線や放射線など外的な要因で発生する活性酸素も知られています。
本来、犬や人間の体には免疫機能として働く活性酸素の数をコントロールするための働きとして、宇宙防衛軍みたいな名前の「抗酸化防御機構」というものが備わっています。抗酸化防御機構は、活性酸素が過剰に作られるのを抑制したり、細胞が受けたダメージの修復・再生を促すために働いています。
抗酸化力ってどういうもの?
では、抗酸化防御機構とはどのようなものなのでしょうか?
大きく分けると、体内で作られる抗酸化酵素(スーパーオキシドジスムターゼ(SOD酵素)、カタラーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼなど)と、食べ物などから取り入れることができる抗酸化物質があります。
体内で作られた抗酸化酵素は、過剰に働いた活性酸素を分解し、細胞が大きく傷つくことを防いでくれています。
食べものからの摂取できる抗酸化物質は、ビタミンC、ビタミンE、カロテノイド、ポリフェノール、アスタキサンチン、カテキンなどがあります。
ポリフェノールは、ブルーベリーなどベリー系フルーツに含まれるアントシアニンや緑茶のカテキンが、カロテノイドは、緑黄色野菜やフルーツなど多くの食品に含まれるβカロテン、トマトのリコピン、鮭・ます、甲殻類がもつアスタキサンチンなどが知られています。
体内で作られる抗酸化酵素とこれらの抗酸化物質がバランスよく働いている状態であれば、活性酸素が細胞を傷つけることを防いでくれます。
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活性酸素の産生と抗酸化防御機構は複雑に作用し合ってバランスをとっています。このふたつのバランスが良好に保つには、できる限り犬を酸化ストレスから守ることが大切だと言われています。酸化ストレスを避けるには、適度な運動(強い紫外線の中の散歩は避ける)、そして犬が安心してぐっすり眠れる環境を作るなど暮しを工夫し、同時にバランスのとれた食事と、できればシニア犬は加齢によるところもあるので日ごろから抗酸化成分(ポリフェノールとカロテノイド)を含む食品(人参、小松菜、トマト、ベリー系フルーツなど)やサプリメント(アスタキサンチン、ローズヒップやウコンなどハーブ)を積極的に摂取して、犬のエイジングケアに努めていきたいですね。
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