- コラム
- スタッフコラム
2020.05.14
犬の緑内障は眼圧検査で分かる?眼圧と目の健康について知ろう
犬の健康診断の検査項目は多岐にわたります。その中には「この検査でどんなことが分かるのかな?」と気になるものもありますよね。
あまり目立たないけれど、とっても大切なことが分かる検査の中から、今回は犬の眼圧検査と眼圧の変化から分かる犬の緑内障のサインについてご紹介します。犬の視力低下や緑内障が疑われる場合に、治療を考える際の参考としてもらえればうれしいです。
犬の眼圧検査ってどんなもの?
犬の健康診断の項目に含まれていることがある眼圧検査。人間の健康診断にも取り入れられているものですが、この検査ではどのようなポイントをチェックしているのでしょうか。
■犬の眼圧の正常値とは
眼圧検査では犬たちの目の中の液体にかかっている圧力を調べています。犬の目は複雑な構造をしています。細かな器官が複数組み合わさって、視覚を感じる目を作っています。それらの器官に栄養や水分を供給するために、房水と呼ばれる液体が一定量流れています。目の中の毛様体と呼ばれる器官で作られた房水は、健康的な犬であれば、眼の前の方をめぐり眼の隅から排出されています。
しかし、何かしらの異常が原因となって房水が正しく流れなくなってしまうことがあります。上手く房水を排出できないために、眼の中で房水がどんどん溜まってしまうと、眼圧が高くなる、という状態になります。
犬の正常な眼圧の数値は15~20mmHgの範囲内とされているので、健康診断の結果が出たらチェックしてみるのも良いかもしれませんね。
-
我が家の犬がパピーの頃、はしゃぎすぎて走りながら壁に思いっきり激突したことがありました。その時「あれ。目の奥がなんだか変だな…」と感じて慌てて動物病院へ。その時に眼圧検査も受けたのですが、ぶつかった衝撃で一時的に眼圧が変わっていた…ということがありました。その時はすぐに改善されたのですが、少しヒヤッとしたのを覚えています。
犬の緑内障のサインって?
犬の眼圧が高い状態が続き、視神経に負担がかかったままにしていると、緑内障につながることがあります。眼圧の上昇や緑内障は犬に多い目の病気である白内障と比較しても、若い犬でも起きる可能性があるため、まだ若いからと言っても安心できない厄介な病気です。
犬の緑内障のサインには以下のものがあります。
■ 犬の緑内障のサイン
・目の瞬きが多くなる
・目を閉じている
・目が濁っている
・動きが少なくなる
・目が充血したまま治らない
これらの様子が見られた場合は、獣医さんに相談し、健康診断の眼科の項目を重点的に調べてもらうと良いと思います。
初期の気づきによって緑内障の症状の進行を抑えることが出来るかもしれません。
また、持病に糖尿病がある犬は糖尿病の合併症として緑内障が出ることがあります。糖尿病などの持病を持っている犬の目はよくチェックしておくと安心です。糖尿病の治療を行っている犬は、合わせて定期的な眼圧検査で眼の状態のチェックを依頼しておくといいかもしれませんね。
眼圧が上がっていることが分かったら、房水を排出するための薬や、房水が過剰に作られないようにする薬でコントロールしていく必要が出てきます。
これらの症状は、柴犬、シーズー、コッカースパニエル系、チワワやビーグルに多いといわれています。
おわりに犬の目の様子をチェックして視力を維持しよう
血液検査や尿検査と比べると、注目されることは少ないかもしれません。犬の目の病気というと、シニア犬に多いイメージがありますが、眼圧の変化や緑内障は比較的若い犬でも起こります。
糖尿病などの持病を持っている犬のほか、体質的に眼圧が上がりやすい犬もいるので、犬たちの目の様子や行動をチェックして違和感があった時には、動物病院で検診だけでも受けてみると良いかもしれませんね。