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2020.06.24

犬のお尻はいつも清潔に!自宅でできる肛門腺しぼりのやり方 How to

犬のお尻はいつも清潔に!自宅でできる肛門腺しぼりのやり方 How to

肛門腺のニオイは犬によって異なる

肛門腺とは、正確には「肛門嚢」といい、犬の肛門の左右、時計で例えると4時と8時あたりの位置に一つずつついている袋状の臓器です。
このなかには「肛門腺液」と呼ばれる強いニオイを放つ分泌液が入っており、犬によって異なるニオイがします。初対面の犬同士がお尻のニオイをかぎ合うのは、この肛門腺液の臭いを通して、相手の情報を得ているからだといわれています。

その昔、犬たちが野生で暮らしていた頃は、肛門腺液を使ってテリトリーを示していたそうですが、人間と生活をともにするようになってからは、そうした機会がなくなり、肛門腺液を押し出す筋肉が徐々に弱くなっていったといわれています。現在でも、中・大型犬などは、ウンチをするときに肛門腺を圧迫し、肛門腺液を上手に排出していますが、小型犬や肥満犬、高齢犬など、自力で排出することが難しい犬もたくさんいます。肛門腺液が溜まり過ぎて、肛門腺が炎症を起こし、肛門嚢が破裂してしまうことも病。そのため飼い主は定期的に「肛門腺絞り」を行い、肛門腺液を排出してあげる必要があります。

月1回程度が目安。「肛門腺絞り」のやり方

肛門腺絞りが必要かどうか、また溜まるスピードには個体差があります。「大型犬だから大丈夫」と考えず、定期的にチェックしてあげましょう。とくにお尻をぺたんとつけて前足だけで歩く「お尻歩き」や、肛門あたりを舐めたり、噛んだりしているときは要注意。肛門嚢が溜まっているサインかもしれません。

【肛門腺絞りのやり方】

●準備
肛門腺液には独特の悪臭があるため、お風呂場などすぐに水で流せる場所で行いましょう。シャンプー前に行うと一石二鳥です。また勢いよく周囲に飛び散ることがあるので、抑えるためのティッシュなどはかならず準備を。

■1.尻尾を持ち上げる

左手で尻尾をあげて、肛門を見えるようにしたらティッシュなどで肛門腺液が飛び散らないように覆います。この時、ティッシュ越しに手のひらで肛門を覆うようにしましょう。

■2.肛門腺を探す

肛門の左右、時計でたとえると4時と8時の位置を触ると、コリコリとした丸いものがあります。それが肛門腺。もし触っても分からないようであれば、肛門腺液は溜まっていないといえます。この時、触れただけで嫌がるようだったり、痛がっている様子が見られたら肛門絞りを無理に行わず、動物病院に相談してみてください。内部で炎症が起こってしまっているかもしれません。

■3.押して絞り出す

4時と8時の位置に親指と人差し指を置き、分泌液が出やすくなるよう、肛門腺を軽く揉みます。次に袋の中の液体を絞り出すようなイメージで、利き手の親指と人差し指の2本の指で圧迫。力を入れ過ぎず、肛門の方向に優しく押し上げるのがポイントです。

■4.よく拭き取る

絞り終わったら、シャワーでお尻をきれいに流す、もしくは動物にも使用できる肌にやさしいウエットティッシュできれいに拭き取りましょう。拭き残しがあると、ニオイが残ってしまうだけでなく、後から犬が痒がることがあります。

うまくいかないときは無理をせず動物病院へ

コーギーなどお尻が張り出している体型の犬や、肛門腺が固くなってしまった犬など、自宅でのケアが難しいケースもあります。このような場合は、かかりつけの動物病院で相談を。チャレンジしたもののうまくいかなかった場合でも、一度、動物病院やペットサロンでコツを教わることで、次から自宅でできるようになる人もいます。肛門腺は犬にとって大切な体の一部であり、コミュニケーションツール。無理に扱って傷つけることがないようにしましょう。

おわりに

肛門腺だけでなく、肛門まわりは衛生面のトラブルが起きやすい部位です。とくに子犬は排泄することにまだ慣れていないため、肛門の周囲に便や尿が付着し臭いの元になったり、病気の原因になることもあります。ウンチがつきにくいよう毛をカットしておくなど、日頃から清潔な状態を保つように気をつけたいですね。