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2020.06.04

中鎖脂肪酸ってどんなもの?犬の肝臓ケア&エネルギー補給に役立てよう

犬の健康管理に役立つ栄養はたくさんありますが、その中に「中鎖脂肪酸」というものがあります。人ではダイエットでよく耳にする中鎖脂肪酸ですが、犬たちのサプリメントなどでもその特長を生かして健康管理に役立てられています。
脂肪酸、という言葉はさまざまな場所で使われているので、馴染みのある言葉ではあるのですが、ほかの脂肪酸と中鎖脂肪酸はどんな違いがあるのでしょうか?
今回は、中鎖脂肪酸の特長についてご紹介します。

中鎖脂肪酸ってどんなもの?

まず、中鎖脂肪酸とはどんなものなのでしょうか?
身近な言い方に変えると主にオイル=油を構成するものが、脂肪酸です。オイルなどの特長や質感は、「脂肪酸」の種類や並び方によって様々に変化します。
中鎖脂肪酸はココナッツなどのヤシ科の植物のオイルに含まれるほか、一部の植物の種から作られるオイル類にも含まれています。ドッグフードではオメガ3とオメガ6の脂肪酸の供給源としてココナッツオイルを使用するものも登場しています(カナダのドッグフードブランド「ナウフレッシュ」など)。ココナッツオイルには約60%の中鎖脂肪酸が含まれているそうです。

中鎖脂肪酸は体内でどのように使われるの?

中鎖脂肪酸は、長鎖脂肪酸と比較して鎖が短い分、分解されるまでのプロセスが少なくなります。小腸で吸収された中鎖脂肪酸は糖などと一緒に門脈を経由し、直接肝臓に運ばれます。
一方で鎖の長い長鎖脂肪酸は小腸から吸収された後も様々な組織を経由する長い道のりを経てようやく肝臓に運ばれて使用されます。中鎖脂肪酸も長鎖脂肪酸もどちらも同じように肝臓で分解され、エネルギーへと変えられるのですが、エネルギーに変えられるまでの時間が大きく異なるので、最短ルートでエネルギーに代わる中鎖脂肪酸は体脂肪になりにくく、また速やかにエネルギー補給が必要な犬にとっては大きな味方になります。

■ 鎖が短い短鎖脂肪酸について

ちなみに、短鎖脂肪酸は大部分が大腸で吸収され、大腸の組織を正常に保つための栄養源となったり、大腸内を弱酸性にして悪玉菌の増殖を防ぎ腸内環境を整えたりする働きをします。大腸内で腸内細菌によって作られる酸(有機酸)も短鎖脂肪酸の一種です。

これらの特長を利用し、エネルギーを積極的に必要とする妊娠、授乳中の犬や成長期のパピー、病気療養中の犬、食欲が低下してたくさん食べられないハイシニア犬などの食事療法として活用されています。
また、肝臓でも速やかにエネルギーに変えられるので肝臓にかかる負担も少なくなることから、肝臓ケアのサプリメントにも使用されます。ダイエットでよく見かける中鎖脂肪酸ですが、「肝臓の数値がちょっと気になってきた」「あまり食べてくれない」という犬やシニア犬にもオススメなのです。

ココナッツオイルなど中鎖脂肪酸は、体重が増えてしまった犬には太りにくいエネルギー源として、また夏バテなどが気になる犬には素早くエネルギーチャージという感じで取り入れてみてはいかがでしょうか。

中鎖脂肪酸の特長を利用したアイテム

*1  POCHI KDヘルス

*2  POCHI レバーZ

*3  POCHI リカバリーZ

*4  NOW fresh(ナウフレッシュ)

おわりに

中鎖脂肪酸は、肝臓で素早く分解されエネルギーに代わり、体脂肪になりにくい成分です。ダイエット中であっても一定以上のエネルギーは必要ですから、太りにくいエネルギー源として上手く活用していきたいですね。
また、最近では中鎖脂肪酸は速やかに脳で使える形のエネルギーを作る(体内でケトン体に変換されやすい)という研究結果も出てきています。認知機能が低下した脳では、エネルギー不足が起こりやすいといわれているので、健康的に年齢を重ねていくためにも注目していきたい栄養素です。